社長の右腕

「右腕」「懐刀」「知恵袋」「ブレーン」・・・表現は様々ですが、古来から“名将の元に名参謀あり”と謳われているように、大きな功績を残した偉人の傍らには、こうした優秀な人材の存在がありました。彼らはトップの意思決定を支え、トップのリーダーシップの発揮に良い影響を与えてきました。

私のお客様でも、事業を拡大し、好業績を収めている企業、バブル崩壊やリーマンショックの逆境から見事に立ち直った企業の多くには、優秀な「右腕」の存在がありました。
一方で、業績不振の企業には、“独裁経営による弊害”を一因とするケースが多く見受けられます。また、近年では団塊の世代の社長が相次いで次世代の社長にバトンタッチしているのですが、次世代の「右腕」が育っていない、といったお悩みもよく耳にします。

「右腕」に着目した統計データはあまり存在しませんので少し古いデータになりますが、2004年に実施された中小企業庁による統計を見ましても、「右腕」の存在が企業の成長に大いに関係していると分析されています(図1)。

また、経営者と「右腕」の関係をみますと、規模の小さい企業ほど、経営者の子供が「右腕」である割合が高くなっています(図2)。

このことから、企業の継続的な発展のためには、「息子(娘)を『後継者』に」の前に、「息子(娘)を『右腕』に」という方針で子育てをするべきではないかと思います。

では、「右腕」をどのように育てたら良いのでしょうか?

甲南女子大学人間科学部教授の森雄繁氏らの研究著書などによりますと、「右腕」の仕事として特に重要なのは、①(トップの)負担の軽減、②決断の補完、③非を諌める、とあり、特に組織の中にあって、トップを諌めることができる人材=“人としての補佐役”の重要性が強調されています。

しかしながら、社長を諌める行為が単なる「親子喧嘩」になってしまっているケースをよく見かけます。

「右腕」となる人材には、より多くの経験を積む機会を積極的に与えて、視野を広げさせることが大切でしょう。一方、社長と「右腕」を上手く機能させるために、社長としては「積極的に自己の能力と知識を、『右腕』に補ってもらおう」とする意識が必要だといえます。

(MyKomonプロジェクト経営コラムより抜粋しております。これらの情報を実際の意思決定等に利用される場合は、利用者ご自身の判断でお願いいたします)