売上の中身を見る

「売上」というのは、ほとんどの経営者が重要視している指標ではないでしょうか。売上は会社の成長度合いを見るには、非常に分かりやすい指標です。

売上は増加していれば良いのですが、減少している場合は「その事業は世の中に必要とされなくなっている」とまでいわれることもあるため、とても不安に感じる経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、売上を上げる目的を見失ってはいけません。しっかりと利益を出して、長期にわたって業績を上げ続けることが、良い経営の条件です。売上が増えた減ったと一喜一憂するのではなく、きちんと売上の中身を見ることが肝要です。

例えば、売上が増加している場合でも、なぜ増えているのか理由をきちんと検証することです。取引先の売上好調等の外部環境によるものであるのか、大口受注による一時的なものであるのか、営業活動の成果によるものであるのか、色々な理由が考えられます。一方、売上が減少している場合は、景気動向等の外部要因によるものであるのか、不採算事業からの撤退などによる一時的なものであるのか、営業活動の不手際によるものであるのか、売上の数値だけを見ても、その理由は分かりません。

下表上段に「売上データの整備状況」のチェックリストを記載しています。売上増減の要因を把握するには、まずは売上を販売単価と販売数量に分けて見ることです。さらに売上を取引先別・商品別等に分け、それぞれの粗利益や推移まで見られれば、さらに有益な情報を得ることができ、自ずと次の打ち手も見えてきます。残念ながら、こういった基本的な売上データを整備できていない会社が、まだ多く見受けられます。実際のコンサルティングにおいても、まずは売上データの整備から始めるケースもあります。

売上データを整備できたら、次にそれを活用することが重要です。いくら詳細にデータを整備しても、十分に活用されなければ無用の長物です。そればかりではなく、売上データに基づくことなく、経営者が「売上を増やせ!」と号令をかけると、社員は無理な取引拡大に走り、販売単価の低下や取引条件の悪化を招くこともあります。逆に、経営者が売上の中身をしっかりと見ることで、社員の意識や行動に良い変化が生まれるでしょう。もう一度繰り返しますが、売上で一喜一憂せず、しっかりと売上の中身を見ることが肝要です。

チェックリスト①「売上データの整備状況」
□時系列に売上推移を見ることができる
□販売単価・販売数量に分けて見ることができる
□取引先別・商品別・エリア別・担当者別等に分けて見ることができる。
□売上と一緒に粗利益も見ることができる。
□上記を全て複合して見ることができる

チェックリスト②「売上データの活用状況」
□最新の売上データが整備されている
□売上増減の理由が明確になっている
□上記理由に対し、問題点と対策が明確になっている
□データに基づいた詳細な売上目標と売上計画を作成している
□上記内容が社員に共有され、社員の行動計画にまで落とし込まれている

(MyKomonプロジェクト経営コラムより抜粋しております。これらの情報を実際の意思決定等に利用される場合は、利用者ご自身の判断でお願いいたします)