1. 青色申告とは
今回は、青色申告についてみていきましょう。
青色申告とは法人税の申告方法のひとつです。
もともと青色の申告用紙を使用して申告していたことから、「青色申告」と呼ばれるようになりました。現在でも、法人税の申告用紙の表紙は青色です。
青色申告は、複式簿記の原則に従って帳簿を記載し、その帳簿から法人税を計算して申告します。
青色申告は、一定の要件を満たすことによって、会社に有利なメリットを受けることができます。

2.青色申告のメリット
青色申告をすることによって、税金を安くすることができるさまざまな特典を受けることができます。

青色申告の3つのメリット
1)欠損金の繰越控除。
2)欠損金の繰戻還付。
3)特別償却、特別控除などの特例制度

 
 1)欠損金の繰越控除。
青色申告のメリットの中で、1番のメリットが欠損金の繰越控除です。
欠損金とは赤字のことで、今年の赤字を翌期以降の黒字と相殺できる制度です。
平成28年度の税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生じる欠損金については、10年間繰り越すことができるようになりました。

2)欠損金の繰戻還付。
欠損金の繰戻還付は、繰越控除とは逆で、前年黒字で、法人税を納めていて、今年赤字となった場合、その赤字を前年に繰戻して、納めた法人税を還付してもらう制度です。
繰戻しできる期間は、前年の1年間のみです。

3)特別償却、特別控除などの特例制度
中小企業が、一定の設備投資や人材投資を行った場合に、一定の割合を法人税額から控除することができる特別控除、減価償却費を通常よりも多く計上できる特別償却、30万円未満の償却資産を経費にすることができる少額減価償却資産の特例などを受けることができます。

3.要件1 青色申告の承認申請
青色申告の特典を受けるためには、事前に納税地の所轄税務署長に「青色申告の承認申請書」を提出して、承認を受ける必要があります。

青色申告の承認申請書の提出期限は、下記の通りです。
1)原則 承認を受けようとする事業年度開始の日の前日
2)設立1期目 設立の日以後3か月を経過した日と設立1期目の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日。

期限に1日でも遅れてしまうと青色申告を受けることができないため、注意が必要です。

4.要件2 帳簿の備付と保存
青色申告の特典を受けるためのもう一つの要件が、帳簿の備付と保存です。具体的には、次に掲げる帳簿を作成し、10年間保存しなければなりません。(平成28年度の税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生じる欠損金については、帳簿の保存期間が10年間に延長されています。)

具体的要件
1)資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引を複式簿記の原則に従って、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づいて決算を行うこと。
2)仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿を備え、取引に関する事項を記載すること。
3)仕訳帳には、取引の発生順に、取引の年月日、内容、勘定科目及び金額を記載し、総勘定元帳には、その勘定ごとに記載の年月日、相手方勘定科目及び金額を記載すること。
4)棚卸表を作成すること。
5)一定の科目をもって貸借対照表及び損益計算書を作成すること。
6)帳簿書類を7年間整理保存すること。

 
 5.青色申告の取消
青色申告は上記の要件を満たしていない場合、青色申告を取り消されることがあります。青色申告が取り消されると、さまざまなメリットを受けることができなくなります。特に注意していただきたいのが、申告書を期限内までに提出するということです。2期連続で期限内に申告書を提出しなかった場合には、青色申告が取消になります。その他、税務調査の際に、税務職員からの帳簿書類の提示の要求に従わず、帳簿の開示を拒否した場合(帳簿を保存していなかった場合を含みます)や不正に隠ぺい・仮装による処理をした場合に青色申告を取り消される場合があります。

6.まとめ
青色申告は、提出期限までに承認申請書を提出すれば、すべての法人が青色申告を行うことができます。また悪質な不正をしていたり、必要な書類を保存していないことがなければ、基本的には青色申告の承認を取り消されることはありません。青色申告によるメリットはとても大きく、デメリットはほとんどないと言ってもいいでしょう。