1 はじめに

一般的には給与というと金銭で支給されるものを想像されると思いますが、税務上は現金で支給するもののほか、現物で支給するものや経済的利益についても給与に含まれます。
これらの現物で支給するものと経済的利益を「現物給与」といい、所得税の源泉徴収の対象となります。
会社では福利厚生費として支払っていたつもりが、税務調査では現物給与とされ、源泉所得税の漏れを指摘される場合があります。

2 永年勤続者への記念品

永年勤続をした役員又は従業員の表彰に当たり、その記念として旅行、観劇などに招待し、または記念品を支給することにより、その役員又は従業員が受ける経済的利益のうち、次の要件のすべてに該当するものについては、福利厚生費として処理することができ、所得税は課税されません。

①受彰者の勤続期間等に照らし、社会通念上相当と認められるもの
②表彰が、おおむね10年以上の勤続年数の人を対象とし、かつ、2回以上表彰を受ける人については、おおむね5年以上の間隔を置いて行われるもの

ただし、現物に代えて金銭を支給する場合や、記念品を百貨店などのカタログから自由に選択できる場合は、給与課税されます。

3 慰安旅行費用

会社負担の慰安旅行については、次の要件のすべてに該当する場合は、福利厚生費として処理することができ、所得税は課税されません。

①旅行期間が4泊5日以内(海外旅行の場合は目的地の滞在日数)であること
②旅行の参加者が全従業員等の50%以上であること

支店等の単位でも問題はありません。
また仕事の都合で参加できなかった人でも、金銭を支給すると給与として課税されます。自己都合で参加できなかった人に金銭で支給してしまうと、金銭受給の選択権があったものとみなされ、不参加者だけでなく、参加者についても給与課税されてしまうため、注意が必要です。

4 その他の具体例

その他の支出項目と注意点です。

5 まとめ

今回は福利厚生と現物給与について、ご説明いたしました。
福利厚生と現物給与については、線引きがあいまいなものも多いため、実際の税務調査では、交渉により課税されない場合もありますが、注意が必要です。
ご不明な点がございましたら、SMC税理士法人の担当者までご相談ください。