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今月は「人材」について考えてみたいと思います。
人材には「人材」の他に「人財」、「人在」、「人罪」などと書かれることがあります。「人財」は自らの意思で自ら行動できる人、「人材」は磨けば人財に成り得るような人、「人在」は可もなく不可もない普通の人、「人罪」は組織に対してマイナスの影響ばかり与える人です。当然、どんな会社でも最初から人財が欲しいのは当たり前ですが、中小企業が最初から人財を採用できるはずもありません。

 そこで中小企業が人財を得る方法は、人材や人在を採用して社内で育てて人財にすることです。将棋の歩を「と金」にするようなものです。社内で人材・人在を鍛えに鍛え抜いて、人財に変えてしまうことです。

 では、人財はどのようにして育てたら良いのでしょうか。私は人の実力または能力は、知識と経験から身につくものだと思います。つまり、『実力(能力)=知識+経験』という算式が成り立つのです。社員教育では知識だけでもダメ、経験だけでもダメなのです。知識と経験のバランスが大事です。知識は書籍を読んだり、研修を受けたりすることによって身につくものです。中小企業でも社員研修に力を入れていかなければなりません。一方、経験を積ませるためにはどうしても時間がかかります。そこで、短時間で有効な経験を積ませるためには、常に新しいことに挑戦させることです。失敗しても良いのです。常に挑戦させて新しい経験を積ませることです。しかし、どんなに教育をしても成長しない社員はどこにでもいるものです。そんな社員をどう扱ったら良いのでしょう。

 

 さて、話は変わって戦国時代です。かの有名なホトトギスの俳句です。作者は松浦静山と言われています。信長・秀吉・家康の性格を表している俳句です。

信長は鳴かないホトトギスは「殺してしまえ」と言います。信長らしく直情型です。秀吉は「鳴かせてみせよう」という自信家です。最後の家康は「鳴くまで待とう」という忍耐の人です。この3者の中で家康の我慢強さ、つまり忍耐力が経営者には必要ということで、吉川英治著の「徳川家康」26巻が多くの経営者に読まれています。

 しかし、三者三様のように見えるこの3人に共通していることがあります。それは「ホトトギスは鳴くもの」という共通の認識があります。鳴かないなら殺してしまえ、鳴かせてみせる、鳴くまで待つ、すべて鳴くことが前提となっています。では、鳴かないホトトギスではダメなのか?鳴かないホトトギスがいても良いのではないか?そんな考え方が経営者には必要なのです。

 そこで、昭和の大名経営者である松下幸之助翁の俳句です。「鳴かぬならそれもまた良しホトトギス」です。素晴らしい俳句です。すべてを受け入れる松下幸之助翁の器の大きさを感じさせます。

織田信長:鳴かぬなら殺してしまえホトトギス
豊臣秀吉:鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス
徳川家康:鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス

松下幸之助:鳴かぬならそれもまた良しホトトギス

 我々経営者も信長・秀吉・家康の鳴くホトトギスが前提になっているように、社員に「こうなって欲しい」と言う価値観を少なからず押し付けているのではないでしょうか。しかし、人材はもともと多種多様が当たり前、それぞれの持ち味や個性が生き生きと活かされる適材適所で人材を活用すべきです。あなたの会社でも社員の個性を摘まずに適材適所で人材を生かしていきましょう。