A社

 「任せることができず、すべて自分でやる。」そんな経営をされていたA社長が、先行経営を始められたのは4年前です。
 A社長と最初に取り組んだのは、仕事を待つ経営から積極的に営業する攻め経営に変え、人を採用し事業拡大を進めることでした。積極的な営業が功を奏し、順調に売り上げも伸びました。しかし、無理をしたことにより、ひずみが出はじめ、転機が訪れます。
 最も信用していた右腕の退職、積極的な営業による仕事量の増加、人不足。

 そんな中A社長は、会社を大きくすることは、自分にとって間違っているのではないかと考え、縮小を考えるようになりました。

 先行経営の中でじっくり話す中、残った社員の生活もあるし、少しでも社員の給料を上げていく為には、拡大は必要である。ゆっくりでいいので、人を採用し組織で教育できる環境をつくり、成長した社員が次の社員を育てる。そんな会社をつくろう。これらを実現するために、急激ではなくゆっくり拡大していくことを決意され、人の採用も開始されました。

 社員とその家族にも心を配り、家族の誕生日などは休みをとってもらう。できるだけ残業をなくし、仕事以外の時間も大切にしてもらう。これらを実現するため、現場のスケジュールと人の組み合わせの調整など、管理を徹底するようになりました。
 年間の作業をスケジュール化したことにより、人の配置も数か月先まで決めることができるようになり、今まで、1週間先の工事にどうやって人を配置すればよいのかを考えていたお客様都合の管理から、自社の都合でスケジュール管理できる体制へと変わっていきました。これにより、A社長も社員も今まで以上の仕事を抱えながら余裕が生まれるようになりました。
 数年前、悩んだ上で採用したスタッフが、今はこの全体スケジュールを管理し、後輩の教育を担当しています。
 現在のA社長は、作業からは離れ新商品の開発と経営にじっくり軸足をおき経営されています。全て自分でこなし、人に任せることができず、常に疲れ切っていたA社長今では「スケジュールをうまく組んでやってくれるので、結構余裕がありますよ」と言って下さいます。先行経営を始めたころと比較すると、売上高は1.5倍経常利益率は、7%から17%まで増加しました。あまり拡大するつもりはないとお話しされていた当時のことを思い出すと驚きです。

 先行経営は、経営者と一緒に考え、一緒に悩み、経営者に寄り添いながら、少しずつ目標に近づいていくものだと思います。うまくいかない時こそ、一緒に考えbetterな方法を見つけ出し前に進んでいく。これが先行経営の醍醐味だと思います。

A社の益々の成長を心より応援しています。