「月末・決算が近くなって、そこそこ利益が出る予定なのに、なぜか手元にお金がない!資金がショートしてしまう。なんで?」

「経費を削る努力をしているのにお金が無い・・・なんでだろう?」

そんな話をよく経営者の方からお聞きします。

これは、売上が上がれば、又は利益が出ていれば手元に資金があると勘違いをしているからです。つまり、「利益」=「資金」の考えが会社を資金不足にしている原因なのです。

ホントに怖いのは黒字倒産!お金を飼い慣らそう

会社は利益を上げる活動、つまり営利活動を行っていますが、収益・費用の計上と資金の入金・出金のタイミングは必ずしも一致しておりません。つまり、会社の活動に欠かせない資金は、会社の営利活動とは違う動きをすることがありますので、会社の活動を人と例えると、資金は人の考えどおりに動かない別の生き物と捉えたほうが良いでしょう。

資金という生き物の習性行動は至って簡単ですが、その習性をしっかりと掴まないといつまでたっても資金繰りが改善されず、手元にお金が残りません。

例えば、商品を現金1,000円で買って、これを1,200円で掛け売上します。利益は200円ですが、この販売の段階で資金はマイナス1,000円です。資金が1,000円無くなっているのに売上1,200円の収入がまだないのです。

代金の回収が後になればなるほど資金不足が生じて、利益が出ているのに会社が潰れてしまう「黒字倒産」の危険性も出てきます。

以上を踏まえた上でお金を残す3つの方法をご紹介します。

資金繰りを改善する3つの方法

資金繰りの改善により会社にお金を残す方法は以下の3つの方法があります。

①売上だけでなく、利益を生み出すこと。

商売の鉄則です。会社に資金を入れるのは本業の成果である売上と利益です。
社会のニーズに合わせた商品を販売していくことが必要となります。
利益は粗利の設定はもちろんのこと、限界利益を引き上げることも大切です。

粗利の設定は業種や業態によって異なります。
平均的な原価率は小売業62%卸売業80%製造業は64%~88%とさまざまです。飲食業であれば一般に原価率は30%以内に抑えないと厳しいといわれます。

限界利益とは、売上高から変動費(売上原価や外注費など)を控除したものです。
この限界利益の段階で、赤字になってしまっては事業の継続は困難になります。

この限界利益を引き上げるためには、限界利益の高い新商品の開発、仕入先との交渉や仕入先の変更による商品原価の引き下げ、外注先の変更による外注費の引下げなどが必要です。

支出の伴う原価や費用を無視した売上は、資金不足を招くことになります。
最大の利益を生み出すことがキャッシュを増やし資金繰りを改善します。

②無駄な出費をしないこと

ボールペンやクリアファイル、コピー用紙などの事務用品は安価でしかも短期間で使い切ってしまいます。
これら消耗品がなくなりやすいからといって必要以上の量を購入することは支出が膨らみます。
また、購入先により購入金額が変わることもありますので、注意が必要です。

また、売上の成果が出ない広告宣伝に費やすのも無駄な支出になります。
広告宣伝費は必ず効果を測定しなければなりません。

例えば、新聞の折込チラシで宣伝を行った場合には必ず、何枚のチラシを配って、何人が来店したかなどを調べて折込チラシの効果を調べることで、売上に繋がるかがわかります。
広告宣伝費は効果を測定することで無駄な支出を抑えることができます。

また、過剰に従業員を雇用し人件費がかさむ状態もなくさなくてはいけません。

一般的に適正な人件費かどうか判断に用いられるのが労働分配率です。

労働分配率とは、給料や賞与、福利厚生費などの人件費が付加価値(一般的には売上総利益)に占める割合をいい、業種によりますが、40~60%が適正だと言われます。

過剰な状態だからといって従業員の給料をいきなり下げたり解雇をすることはなかなかできません。
もし労働分配率が高い場合には、新たな商品を開発し販売するなど付加価値を高めることが労働分配率を下げる一番の解決策です。

経営者は、無駄な経費であるか、人件費に見合う売上げを上げ付加価値を生み出しているかを常に確認をし、出費を抑えていくこに努めなければなりません。販売費一般管理費に係る支出を抑えルことができれば資金繰りを改善することができます。

③在庫(棚卸資産)を減らす

商品、材料、製品などの棚卸資産の在庫を減らすだけで資金繰りは改善できます。

商品も製品も販売見込み数量を決定し、それに応じた商品の購入や製品の製造をしていくこととなりますが、実際の販売数量の把握に伴って購入数量を調整していく必要があります。

やみくもに商品を購入したり、製品を製造するのは、不良在庫を生み出す原因となります。
また、材料も適正な製品の製造量が決まれば無駄な購入を抑えることができます。

これら棚卸資産の購入金額は「単価×数量」で求められます。

商品を売るためには、ある程度在庫を持つ必要があります。
そのため、一定の数量を定期的に購入し在庫を確保しなければなりません。
その在庫が適正であるかがポイントです。支出を伴う商品の購入の適正発注を行うことが無駄な支出を抑えることに繋がります。

また、仕入先の検討も定期的に行うことも必要でしょう。
昔馴染みの仕入先からしか購入したことがなく、他の仕入先からの購入単価を知らないということは中小企業では良く聞く話です。

仕入単価を改善することで支出は抑えられ、その結果資金繰りは改善されます。

「多く入れて、少なく出す」だけではキケン!

資金繰りを改善する方法は「早く入れて、遅く出す」が基本です。
この基本をクリアできるように努めるだけで、手元に残る資金はまったく変わってきます。

そして、その資金を使って新たな投資に充てることで会社が発展していきます。「多く入れて、少なく出す」ことも大切ですが、並行して「早く入れて、遅く出す」ということをすることが資金を飼い慣らす方法です。

冒頭でも述べましたが資金は生き物です。この生き物を会社の中で育てることが会社の存続・発展に繋がります。出ていく前に入ってくるように工夫すればよいのです。そのためには、お金の流れを管理することです。うまく会社の中に残るようにして飼い慣らしましょう。

そして月末・決算時には売上・利益・資金が潤沢にある会社を目指しましょう。

投稿者プロフィール

舩田 卓
舩田 卓
1972年愛媛県生まれのA型。
愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。
在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。
そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。
22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。

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