今回は資金繰りの第3の支出、「負債の減少」です。

誰でも負債は少なくしたいと思っています。しかし、この負債を減らしたいと思う心が要注意なのです。それは負債を減らすためにはキャッシュを支出しなければならないからです。実力以上に負債を減らすと、手持ちのキャッシュが少なくなります。最悪の場合には、負債は減ったけどキャッシュも減ったことで、資金ショートしてしまいます。

企業は、自社の実力に合った身分相応の借金の返済金額を計算することが出来ます。この金額を超えて返済するとキャッシュが減ってしまうのです。負債の代表格は借入金なので、まずは借入金の返済から見ていきましょう。

今からお話しすることはとっても大事なことですので、必ず根本から理解するようにしてください。

あなたの会社は1年間でいくらの借金を返さなければならないのか分かりますか?

これさえも分からないのであれば、経営者を辞めた方が良いですよ。


この「1年間に返さなければならない借金」は、貸借対照表の流動負債の中に「1年以内返済予定の長期借入金」として掲載されているはずです。

「え~っ?御社の貸借対照表には、1年以内返済予定の長期借入金の勘定科目が無い?」

あなたの会社の貸借対照表は財務諸表規則違反です。それよりもその貸借対照表は全く使い物になりません。貸借対照表を読めない会計事務所に作成してもらったのでしょうね。

貸借対照表の流動負債のうち「1年以内返済予定の長期借入金」以外の資産負債が一定だとしても、この「1年以内返済予定の長期借入金」は証書借入として約定で決まっている金額を必ず返済しなければなりません。

つまり、この金額の分のキャッシュを確保していなければ、借入金の返済をすることができません。

借入金の返済財源は下記の算式で計算することができます。

返済財源 = 当期利益 + 減価償却費

資産・負債が一定という条件の下では、必ず当期利益の金額だけはキャッシュが増えます。そして、当期利益に加算されている減価償却費は、過去にすでに支払いが済んでいる建物や設備などの、各期に配分する計算上の経費なので、キャッシュの支払はありません。したがって、当期利益と減価償却費の合計額はキャッシュが増加する、と考えることができるわけです。
そして、この返済財源を全額「1年以内返済予定の長期借入金」の返済に充てても、資産も減少しませんし、負債も増えることがありません。

次回のコラムでは、この「1年内返済予定の長期借入金」と「返済財源」について、もう少し詳しく具体的にみていきましょう。

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