前回と前々回で、単年度計画におけるポイント、売上計画・人件費計画について話してきました。

今回は、経費計画からお話しします。

経費計画

売上計画をはじめ、人件費計画、その他今期のイベントなどを考慮して経費計画を作成します。
科目ごとの年間計画は中期計画でできていると思いますが、意識して増やす経費と減らす経費を確認しながら作成していきます。
計画を立てる時には、前期の元帳を用意しておくと良いでしょう。

例えば、広告宣伝費の計画を作成する際、前期の元帳を良く確認し、今期減らすことができる項目がないか探していきます。前年はホームページの作成を行ったが、今期はなし。その代わり秋には展示会に出展する、といった要領です。

経費削減の計画と、今期のアクションに対して必要な追加経費の計画を同時に行っていきます。
その結果、広告宣伝費の年間合計が中期計画の金額より多くなった場合は、もう少し展示会を安く抑えられないか、また他に削れる項目はないか、などを検討しましょう。

中期計画の金額より少なく収まったのであれば、次の項目にすすんでいきます。
この手順を繰り返し、すべての経費科目について月毎の計画を作成します。

投資計画

機械・車の購入や建物の建設などの計画があれば、計画に入れていきます。
機械・車・建物などの設備投資は、支払う金額をそのまま単年度計画に表示することはできません。
設備投資の費用は、損益計算書において減価償却費という科目で少しずつ経費化されますので、設備投資による減価償却費がいくらになるかは税理士に確認て計画しましょう。

また、建物を建てると、引越し代金・机やパソコンなどの備品・その他付随して多くの費用がかかります。この追加経費も各科目計画にプラスして計画しましょう。

最終確認


売上計画→人件費計画→経費計画→投資計画
この手順で作成した、単年度計画の経常利益を確認します。

最終確認のポイントを2つお話しします。

①売上高経常利益率

売上高に対して経常利益が何%あるか。
という指標です。売上高経常利益率は10%以上を目指します。
なんとか「売上高の10%以上は利益を残す!」という計画を作り、次に計画を達成する方法を考えましょう。

10%以上残らなければ、もう一度売上計画から検討します。

売上高の10%以下の利益しか残らない計画にすると、それが目標となるため、作った計画以下になる事はあっても、計画を上回る利益が残るということはまずありません。
ぜひ高い目標設定をしましょう。

②税引前当期利益 1,000万円以上

2つ目のポイントである「当期利益を1,000千円以上にする」という目標は、会社の規模により当期利益が1,000万円ではまったく足りない会社もあれば、そもそも売上が2,000万円程しかない会社もあるので、すべての会社に同じ指標を当てはめることは出来ません。

しかし「1,000万以上の利益を出すと税金が大変なので・・・」など、利益を出すことに慣れていない中小企業の経営者が多くいます。
経営計画をつくる目的は、会社にとって最も大切なキャッシュを増やし、潰れない強い会社になり、ワクワクする目標を達成することです。
利益を出し続けることが、キャッシュを増やす最も健全な方法です。

中小企業にとって1,000万円以下の利益は、採用の失敗、得意先の撤退など、すぐに赤字に転じてしまいかねない利益です。
したがって単年度計画を作成する際は「何があっても必ず黒字にする」という覚悟を持ち、税引前当期利益が1,000万以上になるような計画を作って下さい。

中期計画が「夢目標」である一方、単年度計画は必ず達成しなければならない「実現目標」です。
作った計画は、必ず達成する覚悟をもって強い会社になって頂きたいと思います。

投稿者プロフィール

浅田 和利
浅田 和利
SMCグループ (株)会計ファクトリー 代表取締役
1968年大阪府生まれのB型
東京・千葉の会計事務所を経て、2008年SMCグループに入社。
先行経営(MAS監査)を通じてお客様の経営支援を行っている。