「棚卸し」「在庫管理」という言葉をよく聞きますが、実際に何をすればよいのかご存知でしょうか。
また何のために必要なのでしょう。

このコラムはすべて「キャッシュ」のためにお伝えしています。在庫の管理を疎かにすると、キャッシュの元となる商品がなくなっていても気づきません。在庫は会社の大切な資産なのです。

 それでは先ず「在庫」についてみていきましょう。

例)商品仕入  @500円×350個=175,000円
  商品売上  @750円×185個=138,750円

上記の取引では、商品仕入によって175,000円のキャッシュがなくなり、仕入れた商品を売上げることにより138,750円のキャッシュが入ってきました。さて利益はいくらでしょう?
損益はキャッシュの動きと異なり、(750円-500円)×185個=46,250円 となります。
利益が出ている一方、キャッシュが36,250円減っているのがお分かりでしょうか。

この取引の後に残っている商品が在庫です。在庫は165個ありますので、在庫金額は82,500円です。
きちんと在庫管理をしていればいいのですが、商品の数や入出庫が増えてくることにより、在庫数を把握できなくなってしまいます。

在庫のリスク


在庫のリスクは大きく下記の3つです。

①在庫の商品がなくなってしまう。
  在庫がどれだけあるか把握していないと、商品がなくなっていても気がつきません。盗難にあっても分かりません。実際にお客様の会社で、営業社員が持ち出していっていたことに気がつかないでいたケースがあります。在庫の数が分からなければ、持ち出すことはカンタンです。

②売れ筋商品の在庫がなくなり、チャンスロスをしてしまう。
  商品がないのに受注をしてしまったら信用をなくします。お客様が急いでいれば他社で注文します。
売れ筋商品の在庫を適正に発注しておくためにも、在庫管理は重要です。

③売れていない滞留在庫を把握できない。
  売れ筋商品を常に保有していることも大切ですが、売れていない商品を受注しないことも重要です。以前は売れていたのに最近出荷していないというデータも、在庫管理から分かります。

では在庫管理をどのようにすればいいのでしょうか。
ここで登場するのが「棚卸し」です。帳簿としては「棚卸表」「在庫管理表」を使用します。

棚卸しとは、一定点で残っている商品を金額と数量で集計する作業です。中小企業では決算のときに行うことが多いと思います。商品の数が少なければ問題ありませんが、大量の商品がある会社であれば、かなり時間を要する作業です。棚卸ししたものは、「在庫表」に商品名、在庫数を記入します。

商品の単価は通常「最終仕入」をした単価としますが、事前に税務署に届けてある方法で評価します。在庫の単価については税理士とご相談ください。

商品の数量が多く入出庫が多い会社であれば、一定点だけでなく常に在庫管理をしなくてはなりません。「在庫管理表」は販売ソフトやエクセルを利用して、入出庫のたびに入力をします。

会社の取引の形態により、一番良い方法を模索し、会社の大切な資産である「在庫」を正確に把握していきましょう。