前回まで12回にわたって、中期経営計画・単年度経営計画のポイントについてお話してきました。
皆さんも、売上計画、原価の見直し、人件費計画、経費計画をたて、十分な利益が出る経営計画が作成できたと思います。

ところが、利益は出ているのになぜか資金が減ってしまう。こんな計画になってしまった人はいませんか?
今回は、利益がでる計画を作ったにも関わらず、資金が減ってしまうような計画になってしまう原因と対策についてお話ししたいと思います。

まず作成した計画が下記のようになっていないかどうかチェックしてみてください。

税引前当期利益 - 税金 = 当期利益
当期利益 + 減価償却費 < 一年以内返済長期借入金

これは、キャッシュの増減を見る最も簡単な算式です。
税金を差し引いた当期利益に、キャッシュが減らない経費である減価償却費をプラスした金額が、理論上1年間で増えるキャッシュです。

次にこの増えるキャッシュと、1年間で返さなければいけない借入の元金(一年内返済長期借入金)を比較してみてください。
1年間で返さなければいけない借入の元金の方が増えるキャッシュより大きい場合、利益が出ているのに利益以上の返済によりキャッシュが減ってしまう、という計画になっています。

新規の銀行借入を行えば一時的に資金が増加しキャッシュが増えますが、その場合も1年内に返済する金額と比較して
「当期利益 + 減価償却費 < 一年以内返済長期借入金」
になっていないか確認することが重要です。

言い換えると
「当期利益 + 減価償却費 > 一年以内返済長期借入金」
となる当期利益を出さなければ、キャッシュが減少してしまうのです。

当期利益をさらに引き上げる計画に修正

こうならない対策の一つ目は、当期利益をさらに引き上げる計画に修正することです。

①売上を上げる新たな戦略はないか。
②粗利を改善するために原価を引き下げることはできないか。
③人を増やさずに、生産性を上げ、売上を確保することはできないか。
④削減できる経費はないか。

これらを徹底的に見直してみましょう。必ずヒントはあると思います。

対策の2つ目は、銀行借入の見直しです。
現在の借入を借換えすることにより、借入期間を少しでも伸ばすことができないかを検討します。

例えば、下記のような借入でみてみましょう。

①借入残高600万円(残り3年で完済)、うち一年以内返済長期借入金 200万円
②借入残高400万円(残り4年で完済)、うち一年以内返済長期借入金 100万円

借入金1000万円のうち、一年内に返済しなければならない長期借入金は300万円です。
2本の借入を一つにまとめて借換えし5年で返済することにした場合、一年内返済長期借入金は200万円に減ります。(1000万円÷5年)
このような借換えは、銀行も対応してくれます。

☆なんとか利益を増やす!
☆借換えにより一年内返済借入金を減らす!

この2つの見直しで
「当期利益 + 減価償却費 > 一年以内返済長期借入金」
となる計画を作り、資金面でも安心して経営できる経営計画を作成しましょう。