前回のコラムでは、支払手形は最も簡単で、最も危険な資金調達方法であるという話をしました。
それでは受取手形はどうでしょう。

貸借対照表に受取手形がある場合

受取手形は支払手形のように危険な資金調達方法ではありません。
しかし資金を回収できるのが90日後や120日後になりますから、現預金と比較すると資金回収が遅れ、キャッシュが減少することになります。

支払手形は「支払手形を振り出さない」と意思決定することにより、資金さえあればやめることが可能ですが、受取手形は取引先との交渉が必要です。

今まで受取手形で回収していた債権を、いきなり現金で回収させて欲しいといってもなかなか対応してもらえません。
相手がいることだからと諦めてしまっている方がほとんどでしょう。

しかし新しく取引を開始する先について、受取手形での回収はしないという条件にすれば、少しずつ受取手形は減っていくはずです。
この努力を惜しまず続けていった会社だけが、受取手形をなくし健全な資金回収ができるようになります。

少しずつ受取手形を減らしていく計画を立てて実行することにより、5年後には大きな財務改善が期待できます。

キャッシュを増やす塾

多額な在庫がある場合


「在庫は将来売上になるので、現金と同じとても大切なもの、重要な資産である。」
本当にそうでしょうか。

仕入れた場合でも製造した場合でも、在庫に相当する資金は先に出て行っており、売れるまで回収できません。

また在庫を抱えることにより、倉庫代や管理料など間接コストが常にかかり続けています。
つまり、在庫は多ければ多いほど資金を圧迫し経営状態を悪くしているのです。

在庫を持っているので、取引先からの急な注文にも対応でき、これが信頼につながるという方も多いですが、本当に急な注文に対応しなければいけないのでしょうか。
また、急な注文が年間どれほどあるのでしょう。

結論から言いますと、在庫は極限まで減らすべきです。
在庫を減らすことにより資金回収が早くなり、また倉庫代や管理料なども削減でき、大切なキャッシュを増やすことができます。
中には全く動いていない商品もある筈です。また逆にチャンスロスになっては困る商品もあるでしょう。

在庫を減らすには、商品毎の動きを調べることと、適正な在庫を見つけていくことです。
この計画も立ててみましょう。資金繰りが変わってくるはずです。

貸借対照表にリゾート会員権やゴルフ会員権がある場合


従業員の福利厚生という名目で、リゾート会員権やゴルフ会員券をもっている会社もあります。
しかし、ほとんどの従業員がリゾート地での宿泊やゴルフ等をしていないのではないでしょうか。
実際に利用するのは経営人だけ、というケースの方が多いです。

リゾート会員権やゴルフ会員権があってからといって、売上が伸びるわけでもキャッシュが増えるわけでもありません。
迷わず売却する計画をたて、どれほど資金が豊かになるかを中期経営計画で確認しましょう。

ワクワクする夢のある中期経営計画ではないかもしれませんが、とても重要な計画になるはずです。

貸借対照表の改善というテーマで中期経営計画を立ててみてはいかがでしょうか。