所長先生は公認会計士・税理士としての専門家ですが、更に事務所経営をする経営者でもあります。専門家としては税法の基礎知識を習得して、更に最新の税法の知識を身に付けて、その知識をもとにお客様にサービス提供をします。私のように税法知識を習得していない「ナンチャッテ専門家」先生もいますけどね。でも、多くの所長先生はこの専門家としての業務を本業と考えています。この専門家としての業務のみに専念していると「内職先生」「お山の大将先生」になってしまいます。専門家としての業務もとっても大切ですが所長先生にはもう一つとっても大切な業務があります。それが事務所経営です。

 さて、事務所経営の経営者は何をすべきでしょうか。これは事務所経営だけではなく中小企業経営でも同じです。経営者としてのすべきことには2つあります。一つ目は事務所の進むべき方向を決めたり、どのようにその方向に進むかを決めることです。これが経営目標・経営方針の設定や経営計画の作成です。これは事務所の将来を大きく左右するとっても大事な業務です。二つ目は社員の方々に働きやすい環境を提供することです。例えば、年末調整や確定申告の時期に如何に残業時間を減らすかとか社員のモチベーションを如何に上げるかとか給料を如何に高くできるかなどを行う業務です。「内職先生」「お山の大将先生」達は繁忙期の残業は当たり前と考え何も改善をしないし、更に如何に社員の給料を安くするかなどを考えている最低の三流事務所先生もいますね。

 さて、組織経営で経営者としてとっても大事なことがあります。会計事務所経営のトップの所長先生をはじめすべての社員は事務所組織の歯車なのです。所長先生は専門家であると共に経営者としての役割を全力で果たします。一方、事務所組織から離れれば、所長先生ではないのです。単なる個人なのです。「内職先生」「お山の大将先生」はこれがわかっていないのでプライベートでも先生面をして、更に引退した後も大先生と勘違いをしています。所長先生は所長先生としての歯車として役割を演じているのです。また、社員の方々も幹部としての役割、新入社員は新入社員としての役割、総務は総務としての役割を歯車として演じるのです。事務所経営者としてとっても大事なことは税法なら税法に関しては所長先生より知識のある社員を育てることです。総務の社員なら総務の知識の関しては所長先生より知識のある人を育てることです。組織とはそれぞれの部署で最も知識のある社員が能力を発揮して歯車のように動き、躍動しているのです。その歯車の方向性を調整したり、歯車に油をさして回りやすくしてあげるのが経営者である所長先生の役割です。

 さて、会計事務所の入社してくる社員は例外もありますが多くは大人しい事務職タイプの人達です。そんな社員を事務所の目標へベクトルを合わせて、情熱を持って向かわせるためには所長先生自ら先頭に立って旗振りをしながらフルパワーで率先垂範する必要があります。所長先生がやる気がないのに社員がやる気になるはずがありません。会計事務所で急成長すると仕事がとってもきつく、あるいは変化が激しいので多くの退職が出てしまいます。そんな時に所長先生の気持ちは萎えてしまいがちですが、そこは心を強く持って、例え自分一人になってしまっても必ず事務所経営を継続してお客様をサポートするんだという強い意志が必要です。この強い意志に賛同してついてくる社員のみがパワーを発揮し事務所を成長させてくれる大きな原動力になります。

 所長先生の考え方、やる気次第で事務所は大きく変わるものです。

では、次回は「5、会計税務以外の業務にも取り組むこと」をお伝えしますね。