キャッシュ塾ダイジェスト 積極的財務戦略② 設備投資の収益性を計算してみましょう

キャッシュ塾ダイジェスト 積極的財務戦略② 設備投資の収益性を計算してみましょう

前回のコラムでは設備投資をする判断基準のステップ①として、

「設備投資前と設備投資後で、貸借対照表の当座比率と自己資本比率を比較する。」
を試算してみました。

ステップ①をクリアしたA社、今回はステップ②の判定を行います。

<収益性の計算>
「設備投資の収益性の計算をする」

では設備投資の収益性を計算してみましょう。
使用する計算方法は、回収期間法です。

回収期間 = 投資金額 ÷ 年間収益
年間収益 = 増加収益 + 減少費用 - 増加費用

<収益性の計算:具体的事例1>
回収期間法
機械設備40,000千円を金利2%、10年返済の長期借入金で取得する。
増加収益:新製品の粗利益5,000千円
減少費用:人件費4,000千円
増加費用:水道光熱費500千円、保守費500千円、金利800千円、償却資産税200千円 
     =2,000千円 
年間収益=5,000千円+4,000千円-2,000千円=7,000千円

回収期間 = 40,000千円 ÷ 7,000千円 = 5.7年

回収期間が3年から5年以内であれば、安全に投資できます。
投資金額を3年で回収する。これが一つ目の目標で、長くても5年で回収できる投資を目指しましょう。

今回の例では、
当座比率・自己資本比率はクリアしていますが、回収期間が5年を超えるため、投資を見送るか、投資内容の見直しが必要です。

少し条件を変えて計算してみましょう。

<収益性の計算:具体的事例2>
回収期間法
機械設備40,000千円を金利2%、10年返済の長期借入金で取得する。
増加収益:新製品の粗利益8,000千円

減少費用:人件費4,000千円
増加費用:水道光熱費500千円、保守費500千円、金利800千円、償却資産税200千円 
     =2,000千円 
年間収益=8,000千円+4,000千円-2,000千円=10,000千円

回収期間 = 40,000千円 ÷ 10,000千円 = 4年

いかがでしょうか。新製品の粗利益を8,000千円見込むことができれば、計算上の回収期間は4年になり、目標値の5年以内に収まります。

さらにシンプルに、次のように考えても良いでしょう。
5000万円の機械の投資により、5年で割った1,000万円の利益を1年で出せるか。
または、3年で割った1,666万円の利益を1年で出せるか。
頭の中でこの計算をし、投資できそうであればステップ① ステップ②の計算をしてみると良いでしょう。

実際にある社長から40,000千円の機械を購入したいという相談を受けたとき、試算により回収期間が5.7年かかることが分かり、投資は見送った方が良いと判断しました。
しかし、どうしても機械を購入したいという社長に対して、40,000千円の機械のうち、個人で10,000千円のお金を出すというなら投資しても良い、というアドバイスをしました。

<収益性の計算:具体的事例1>
回収期間法
機械設備40,000千円(内10,000千円は個人で支払う)を金利2%、10年返済の長期借入金で取得する。
増加収益:新製品の粗利益5,000千円
減少費用:人件費4,000千円
増加費用:水道光熱費500千円、保守費500千円、金利600千円、償却資産税200千円 
     =1,800千円 
年間収益=5,000千円+4,000千円-1,800千円=7,200千円

回収期間 = 30,000千円 ÷ 7,200千円 = 4.1年

すると回収期間が4.1年の基準値内に収まりました。これなら何とか投資できます。

社長自身にお金を出してもらった訳ですから、計算上での判断基準だと思われるかもしれませんが、実はまったく違う効果があります。
計算通りに利益が出れば会社に貸したお金は返してもらえますが、利益が出なければ返してもらえない。設備投資後、社長は必死になって当初の計算通りに利益が出ているか毎月チェックし、投資した機械を駆使して利益を上げる努力を現在も続けています。
ものづくり補助金を利用して購入した機械を利用できていない企業をよく見ます。ご自分の懐を痛めて購入した機械。思い入れが全く違ったものになるのです。

また予定通りの年間収益が上がらなければ、収益や費用の修正が必要です。
つまり修正するという行動が必要です。どのように修正すればよいのか、ここからがまた社長の経営判断となってくるのです。

慎重かつ積極的な財務戦略が、キャッシュを増やす経営には大変重要です。
キャッシュ塾ではこうした知識を皆さんにお伝えしています。
多くの経営判断を迫られる経営者の方々、ブレインとしてキャッシュ塾をぜひご活用くださいませ。

キャッシュを増やす塾ページ
 
キャッシュを増やすヒケツメルマガ登録

キャッシュを増やすカテゴリの最新記事