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銀行が融資したくなる決算書とは?注意すべき4つのポイント

銀行が融資したくなる決算書とは?注意すべき4つのポイント

投稿日:2018年03月26日

更新日:2023年05月29日

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

銀行が融資したくなる決算書とはどんな決算書でしょう。
銀行が融資の際に必ずチェックしているポイントを4つご紹介します。
決算書を税務署に提出する前に、一度チェックしてみては如何でしょうか。

銀行は直近の決算書から「損益計算書の利益」をチェックします。

利益と言っても損益計算書には5種類の利益があります。

  • 売上総利益
    売上から仕入などの原価をマイナスした売上総利益(粗利ともいいます)
  • 営業利益
    売上総利益から給料などの販管費をマイナスした営業利益
  • 経常利益
    営業利益から支払利息などの営業外の費用をマイナスし、雑収入などの営業外の収入をプラスした経常利益
  • 税引前当期利益
    経常利益から特別な収入支出である固定資産の除却や売却収入をプラスマイナスした税引前当期利益
  • 当期利益
    税引前当期利益から税金をマイナスした当期利益

銀行は、どの利益を重視するのでしょうか。
最も注目するのは、経常利益です。支払利息をマイナスした後の経常利益がプラスであれば、銀行はひとまず安心します。

次に注目するのは営業利益です。営業利益は本業がもたらす利益ですので、プラスであることが重要です。

これらに対して、税引前当期利益は、固定資産の売却損など当期特別に支出した費用をマイナスした後の利益ですので、黒字である事が望ましいですが、それほど重要視はしません。

多くの決算書を見ていると、役員退職金を販管費で処理している決算書を見ることがあります。
多額の役員退職金を販管費で処理したため、営業利益も経常利益もマイナスになっています。

特別損失で処理すればマイナスになるのは税引前当期利益と当期利益だけであるにも関わらず、わざわざ営業利益をマイナスにしてしまう決算書は避けたいものです。

今さら聞けない融資の基礎①

注意すべき銀行融資のポイント① 経常利益は必ずプラスにすること。

決算書

銀行は決算書から過去3年分の「経常利益」チェックします。

銀行は当期の経常利益がプラスであるだけで、融資できるかを判断しているわけではありません。
過去の実績も重要視します。3年間連続経常利益がプラスであれば、銀行の評価は非常に高くなります。

注意すべき銀行融資のポイント② 経常利益3年連続マイナスは絶対に避けること。

2年経常利益が黒字の後、今期のみ赤字の場合は、今期の赤字は「一時的なものである」ということを説明する必要があります。またその根拠となる資料も必要です。

3年間連続経常利益がマイナスである場合は融資の確率は非常に低くなります。

まず、融資を受けることはできないと考える方がよいでしょう。

今さら聞けない融資の基礎①

注意すべき銀行融資のポイント③ 債務超過は絶対に避けること。

銀行は直近の決算書から「貸借対照表の自己資本(純資産)」をチェックします
貸借対照表の自己資本(純資産)は、資産から負債を差し引いた金額です。
また、自己資本(純資産)は、資本金と創業から当期に至るまでに出してきた当期利益との合計金額でもあります。

言い換えると過去の会社運営の結果を表しているのが自己資本(純資産)ですので、銀行はとても重視します。

自己資本(純資産)がマイナスになってしまった状態を債務超過といい、この状態では返済能力のない会社と判断されますのでまず融資をうけることはできず資金調達は難しくなります。

なんとしてでも債務超過は避けるべきです。

多くの決算書を見ていると金額的にわずかに債務超過になっている決算書を見ることがあります。

30万以下の備品を一括で費用にするのではなく、資産計上し減価償却するなど合法的な処理方法の変更で簡単に債務超過を回避できる可能性があるにも関わらず、債務超過のままである決算書は銀行融資を全く意識していない決算書です。このような決算書にならないよう注意して下さい。

チェックしましょう

注意すべき銀行融資のポイント④ 在庫と売掛金の残高に注意」

銀行は決算書から「貸借対照表の売掛金と在庫」をチェックします。

銀行は、決算書の数字をもとに融資するか決定します。
このため、利益が架空に計上された粉飾決算ではないかを常に気にしています。
安易に利益を増やす方法として良く見かけるのが、売上の架空計上です。

現在の会計は複式簿記で処理しているため、売上を増やすためには必ず売掛金なども増やす必要があります。そのため、粉飾決算をした場合、必ず売掛金などの金額が過大になり銀行はこの動きを見逃しません。

また、在庫の架空計上も良く見かけます。売上が減少しているにも関わらず、在庫は増えている。粗利率(売上総利益÷売上高)が異常に高くなっている。など、銀行は見逃しません。

粉飾決算が見つかった場合、銀行との信頼関係は崩れ、融資を受けることはできず資金調達は困難となります。架空在庫と架空売掛金など安易な利益操作は絶対に避けるべきです。

以上、ポイントを4つご紹介しました。

これらは、銀行がチェックする重要ポイントだけではなく、会社経営を行う上でもっと重要なキャッシュを増やすポイントでもあります。

日々チェックし、会社経営にお役立て下さい。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 資金繰り をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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このコラムの著者 : 浅田 和利

SMCグループ (株)SMC総研 経営コンサルタント 1968年大阪府生まれのB型 東京・千葉の会計事務所を経て、2008年SMCグループに入社。 先行経営(MAS監査)を通じてお客様の経営支援を行っている。

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