一番簡単な決算書の読み方④

一番簡単な決算書の読み方④

1.現預金残高が増える経営をする

入ってくる金よりも出ていく金が多ければ、今ある現預金はいずれなくなります。これは当たり前のことであり、会計の参考書を読むまでもなく、小学生でも理解できます。

ということは、

純利益 + 減価償却費 - 1年間の借入返済元金 > 0 → 現預金増

となる経営をすれば、毎年現預金残高が増えて、安定した財務状況となります。

現預金額が減少傾向にある会社は、現預金額が減らない経営を目指すべきです。

①必要な純利益を知る

例えば、1年間の借入返済元金額が1000万円、減価償却費が年間500万円の場合は、純利益が500万円以上でないと会社の現預金は増えません。


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②税引前利益を算出する

純利益が500万円で税率が40%とすると、税引前利益の額は500万円÷(1-0.4)=約833万円となり、税金の額は333万円となります。

③②と固定費から売上総利益を算出する

少なくとも経常利益や営業利益は833万円以上が必要ですので、給与や家賃、消耗品費等の固定費が2000万円であるとすれば、売上総利益は2833万円必要です。

④③と変動費率から必要な売上高を算出する

この会社の仕入や外注費等の変動費率が売上総額の50%であれば、売上は5666万円必要となります。

尚、この売上高でも現預金はプラスマイナスゼロとなりますので、現預金額を増加させるにはこれ以上の売上が必要となります。

経営計画などで事業計画を立てるときの売上の目標は、このように逆算して立てるべきであると考えています。ポイントは、どれぐらいの売上をあげれば現預金が減少しなくなるのかという、最低限の売上目標を設定することです。

会計の参考書では「損益分岐点」という計算式があります。どれぐらいの売上をあげれば利益がゼロからプラスとなるかを計算する式です。
私としては、損益分岐点よりも「現預金増減分岐点」の方が会社の将来にとって重要であると思っています。
是非、1年間の借入返済元金額と減価償却費から、一年間に売り上げるべき売上額を計算してみてください。これこそ現預金が増える経営なのです。

2.現預金残高が減少しているのに税金を少なくしようとする経営者たち

多くの経営者の方は、損益計算書の税引前当期利益だけを気にします。

税引前当期利益が3000万円ならば、おおよそ税金が1000万円程になります。税金を支払いたくない経営者は、決算期前に税理士に税金を減らすよう泣きつきます。
一方税理士も「利益が出ているのであれば、節税しましょう」と、本来会社にとって必要のない節税のアドバイスをして、税引前の利益を下げる手伝いをします。

節税保険、投資物件、従業員への決算賞与等、会社の資金を使う提案をするのをよく見ます。
これにより会社の利益の額が減少して税金は少なくなりますが、会社に残る現預金の額も減少し、破産に一歩二歩と近づきます。しかしそれに気がついてはいません。

目の前の納税の痛みを回避するために会社に残すべき現預金を減少させ、結果として会社の体力を奪うことになります。
これに取引先の倒産等の事故が重なれば、あれよ、あれよという間に現預金が底をついていきます。そして銀行からは借り換えを拒否され、手形の期限も近づき、だんだんと精神的に追い込まれていきますが、現預金が底をつけば顧問料も支払えず、節税をアドバイスした税理士は電話にも出てくれません。

新前破産弁護士時代に、破産する会社の決算書を読めたと感じたときから、経営者の無知や勉強不足、無責任な税理士の実情が実感を込めてわかったような気がしました。

「会社の現預金残高の減少を気にも留めない不勉強な経営者と節税税理士が会社を潰す。」

新前破産弁護士の私はそう確信しました。

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