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原価管理の目的と活かし方

原価管理の重要性

投稿日:2020年09月21日

更新日:2023年03月17日

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この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

みなさんの会社では原価管理をどのようにしていますか。
エクセルでつけている方、原価管理ソフトを使っている方、そもそも原価管理をしていない方もいらっしゃいますよね?こんな記事を書いておりますが、私は家計簿もろくにつけていません。(笑) 
なぜつけられないのでしょう?
時間がないからでしょうか。それもあります。

領収書や請求書が溜まってしまって、面倒になった。それもあります。
昔はつけていたけど、つけただけで何も役に立たなかった。
或いはこのやり方で正しいのか、つけたことに満足するだけではないのか疑問に思った。

また、つけなくても何も変わらない。要るものは要るので、大した経費節減にはつながらないのではないか等、つけない理由は枚挙にいとまがありません。

そうですね、やはり原価管理をするには、その目的がないとやる気になりませんよね。

それでは目的をはっきりさせましょう。ズバリ「利益をだすため」です。

建築業の現場では、材料費や外注費だけでなく労務費や経費が必要です。
その残りから更に家賃や社会保険料や税金等を差し引くわけですから、せめて売上の20%~25%程残せないと赤字になってしまいます。
「この現場は儲かったから大丈夫」「この現場は赤字だけど次につながるから仕方がない」とおっしゃる社長が多いのですが、一つ一つの現場に利益が出ていれば安心して経営ができるのです。

もっと問題なのは、原価管理をしていないわけですから、「儲かった」と思っている現場が本当に儲かっているのかが分からないのです。
そもそも儲かると思っている見積りが間違っているのかもしれません。それを検証できるただ一つの方法が原価管理なのです。

目的は理解できました。それでもつけられないのは、面倒だからではないでしょうか。
そんな時はカンタンにしちゃえばいいのです。
労務費を〇〇時間、と算出しなければいけないから面倒なのです。

1日か半日で計算すれば十分です。誰がどこの現場に行ったのかであれば、事務員さんでも分かります。
原価管理ソフトを使っていてもエクセルでもかまいませんので、なるべく簡単につけましょう。
ネットで検索すると、原価管理のエクセルはかなり多くのフォーマットがあります。自社に適した簡単なものを見つけて先ずはつけてみることです。

そして次に、つけた原価管理表から何かを読み取らなければいけません。社長が見ると「仕方ないか」で終わってしまいます。ここは厳しく客観的に見てくれる方が必要ですね。
それが先代なのか、奥様なのか、会計事務所なのか、コンサルタントなのかは分かりません。いずれにしても、社長では見えない俯瞰の目をもっている方の意見を聞いてはいかがでしょう。

さて、工事台帳をつけて各現場の原価と利益が分かりました。利益が出ていない現場、手間がかかりすぎている現場、終わったことだからとそのままにしていませんか。そのままではず~っと利益が出ませんよ?次はこの原価管理を活かす方法をお伝えしていきましょう。

見積りの段階で、利益が出る現場とあまり出ない現場がなんとなく分かります。問題は、そのままでいいのか、結果はどうだったか、ということです。ここに手をつける方とそうでない方とで、利益に大きな違いが生まれてくるのです。分かっている?では行動に移しましょう!

1.見積もりの段階であまり利益の出ない現場

 本当に最初からサービス現場(他の現場で利益がとれるから等)であれば、抱き合わせの現場と合わせて損益を見ればいいと思います。抱き合わせでも大した利益でなければ考えものです。

見積りの段階であまり利益が出ないのはなぜでしょう。相見積もりで安くしてしまったのでしょうか、或いは見積り方法を間違えているのではないでしょうか。この検証を必ずして下さい。

それでも利益が出ないと分かっているのであれば、外注費か労務費を見直します。どう見直すか?外注に出さず自社で施工する、施工日数を短縮することを考える、人工の人数を減らす等、現場ごとに検討してみてください。
要は「利益を出す」ことにこだわって欲しいということです。

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2.手間のかかった現場

 思いのほか手間のかかることはあるでしょう。現地調査では見つけられなかった新たな追加工事があれば、手をつける前に施主へお伝えしましょう。追加工事の料金が頂けないのであれば、同様な現場を見積もるときの勉強となります。予め見積りに加算しておきます。

また手間のかかった原因も知っておきたいものです。新人さんであれば経験にもなります。ベテランでも手間がかかったのであれば、見積りや予算の見直しが要ります。ミスによる手直しであれば、二度と起こらないような施策やチェック体制が作れます。終わってしまった現場から次への改善へとつなげていって欲しいものです。

3.赤字になった現場

考えてみてください。材料を仕入れ、外注に依頼し、社員が働き、そして利益が残らない・・・。
そんな現場にしたくありませんよね?赤字になるくらいなら受注しないほうがよいのです。
受注しないと売上が増えない?いいんです、他の現場をとれば。

そして、1、2と同様に、赤字になった原因を調べましょう。見積りの甘さ、追加工事、工期、人工等、利益を出せる方法は必ずありますから。

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4.見積りの見直し、労務費の見直し

簡単なものでかまいませんので、とにかく原価管理をしましょう。算出された原価と利益から、未来の経営が始まります。利益が出た理由、出なかった要因が分かれば、見積りや労務費の見直しが出来るのです。

「今のままの経営では、永遠に利益がでませんよ」と言われたら、ちょっと変えてみたくなりませんか?

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このコラムの著者 : 菱刈 満里子

大学卒業後、大手証券会社、文部科学省研究室秘書等を経験後SMC税理士法人に入社。 会計・税務業務に13年間携わった後、経営計画を中心とした未来経営に軸足を移す。 のべ150社以上の経営計画を作成、経営支援を行っている。

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