原価管理の目的とは
2020年09月21日
- 経理
みなさんの会社では原価管理をどのようにしていますか。
エクセルでつけている方、原価管理ソフトを使っている方、そもそも原価管理をしていない方もいらっしゃいますよね?こんな記事を書いておりますが、私は家計簿もろくにつけていません。(笑)
なぜつけられないのでしょう?
時間がないからでしょうか。それもあります。
領収書や請求書が溜まってしまって、面倒になった。それもあります。
昔はつけていたけど、つけただけで何も役に立たなかった。
或いはこのやり方で正しいのか、つけたことに満足するだけではないのか疑問に思った。
また、つけなくても何も変わらない。要るものは要るので、大した経費節減にはつながらないのではないか等、つけない理由は枚挙にいとまがありません。
そうですね、やはり原価管理をするには、その目的がないとやる気になりませんよね。
それでは目的をはっきりさせましょう。ズバリ「利益をだすため」です。
建築業の現場では、材料費や外注費だけでなく労務費や経費が必要です。
その残りから更に家賃や社会保険料や税金等を差し引くわけですから、せめて売上の20%~25%程残せないと赤字になってしまいます。
「この現場は儲かったから大丈夫」「この現場は赤字だけど次につながるから仕方がない」とおっしゃる社長が多いのですが、一つ一つの現場に利益が出ていれば安心して経営ができるのです。
もっと問題なのは、原価管理をしていないわけですから、「儲かった」と思っている現場が本当に儲かっているのかが分からないのです。
そもそも儲かると思っている見積りが間違っているのかもしれません。それを検証できるただ一つの方法が原価管理なのです。
目的は理解できました。それでもつけられないのは、面倒だからではないでしょうか。
そんな時はカンタンにしちゃえばいいのです。
労務費を〇〇時間、と算出しなければいけないから面倒なのです。
1日か半日で計算すれば十分です。誰がどこの現場に行ったのかであれば、事務員さんでも分かります。
原価管理ソフトを使っていてもエクセルでもかまいませんので、なるべく簡単につけましょう。
ネットで検索すると、原価管理のエクセルはかなり多くのフォーマットがあります。自社に適した簡単なものを見つけて先ずはつけてみることです。
そして次に、つけた原価管理表から何かを読み取らなければいけません。社長が見ると「仕方ないか」で終わってしまいます。ここは厳しく客観的に見てくれる方が必要ですね。
それが先代なのか、奥様なのか、会計事務所なのか、コンサルタントなのかは分かりません。いずれにしても、社長では見えない俯瞰の目をもっている方の意見を聞いてはいかがでしょう。
次回のコラムでは、原価管理の活かし方について見ていきます。
PROFILE

菱刈 満里子
大学卒業後、大手証券会社、文部科学省研究室秘書等を経験後SMC税理士法人に入社。 会計・税務業務に13年間携わった後、経営計画を中心とした未来経営に軸足を移す。 のべ150社以上の経営計画を作成、経営支援を行っている。