建設業の経営計画その①
2019年06月02日
- 経営
今回は建設業の経営計画についてお話しします。
建設業は、一度契約すると数年は売上が続く「ストックビジネス」ではなく、毎年新規契約を続けなければいけない「スポットビジネス」です。
また、元請・下請けに関わらず、1件当たりの単価が、数億・数千万円のものから数十万円のものまであり、計画が立てづらく、中期5ヵ年計画や単年度計画を作成していない(作成できない)方を多く見ます。
計画がなければ、毎月気合いと根性で営業し、1件でも多く受注する。これしかありません。
1件でも多く受注することが目標ですので、達成の喜びも満足感もないまま、ただ苦しく不安な状態が続いている。
このような経営者が多くいるように思います。
しかし、2つのポイントさえ押さえておけば、経営計画を作ることができますし、達成の喜びも感じながら、安心して経営することができるのです。
それでは、早速その2つのポイントをみていきましょう。
【ポイント①】売上計画は「平均単価 × 受注件数」で計画する。
建設業と言っても、ゼネコンから工務店まであり、公共工事・土木工事・戸建・リフォーム、そして元請・下請けと様々です。
ここでは、戸建を元請する工務店を例にお話しします。
工務店はお客様から直接注文を頂き、戸建を建設します。
戸建の1件当たりの売上は1000万円から1億円ぐらいまでと、金額は一定ではありません。
このため1件当たりの単価が決められず、受注件数目標はあっても売上金額目標にはならない。
では、どうすれば良いでしょう!
建設業における単価は、ずばり「平均単価を使えば良い」のです。
建設業においては、戸建の建設だけでなくリフォーム工事や雑工事などがあります。
過去の決算書から、売上高を戸建売上・リフォーム売上・雑工事売上などに分類し、分類した売上を戸建売上の件数・リフォーム売上の件数・雑工事売上の件数で割れば、それぞれの平均単価を計算することができます。
平均単価を使えば、経営計画で使う単価の設定はできます。
平均単価が分かったら、次は受注件数を計画します。
将来をイメージした時、5年後には年間何件受注できる会社になりたいか。
例えば、現在年間20件の受注があるなら、5年後には100件を目指そう。
100件の受注をとるためには、現場スタッフは何名、営業は何名増やしたらよいだろう。
受注までの仕組みを考えよう、ブランドの構築もしていこう・・・等。
100件という具体的な受注件数目標があると、漠然とした売上目標金額ではなく、具体的なイメージができるのではないでしょうか。
平均単価を使い、売上計画は「平均単価 × 受注件数」で計画する。
これが建設業の経営計画を立てる1つ目のポイントです。
【ポイント②】仲間や専門家によるチェックの仕組みを取り入れる。
それでは、立てた経営計画を達成するにはどうすればよいでしょう。
答えは、
計画と実績を比較することにより、ズレに気づき修正行動をとり続けること。
これが経営計画を達成する唯一の方法なのです。
しかし、修正行動をとり続けることは難しく、挫折してしまうことが多くあります。
こんな時、仲間や専門家によるチェックの仕組みを取り入れると、飛躍的に継続が可能になります。
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ズレから気づいた課題を塾の中で報告し、
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具体的解決方法(P)は、次回までの宿題として持ち帰り、実際に行動します。(D)
次回の塾で結果を報告し、チェックしてもらい(C)
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PROFILE

浅田 和利
SMCグループ (株)会計ファクトリー 代表取締役 1968年大阪府生まれのB型 東京・千葉の会計事務所を経て、2008年SMCグループに入社。 先行経営(MAS監査)を通じてお客様の経営支援を行っている。