キャッシュを売上拡大に使いましょう。創業期の資金繰り。
2019年06月23日
- 経営
前回までは6回にわたって、資金の収入①収益 ②負債の増加 ③資産の減少、資金の支出①経費 ②資産の増加 ③負債の減少 を見てきました。
今回は資金繰りを企業の成長過程を
①創業期(売上確保)
②第一成長期(資金確保)
③第二成長期(人の確保)
④第三成長期(組織作り)
⑤第四成長期(差別化戦略)
に分けて見ていきたいと思います。
創業期(売上確保)
サラリーマン生活に嫌気がさして独立開業を夢見ます。
どんなビジネスをやろうか、資金繰りをどうしようか、どこで開業しようか、社員はどうしようか等々、考えているうちに何も決められなくて、独立開業を諦めてしまう人も多いことでしょう。
それでも、強い意志で独立開業する人もいます。
私も監査法人にいて、監査に嫌気がさして独立開業しました。
最初に思ったことは、今自分がキャッシュをいくら持っているのだろうか、自己資金だけでやって行けるのか? 銀行借入あるいは親から借りる?など、まずキャッシュのことを考えました。
そして次が売上の確保です。
毎月いくら売上げなければならないのか?
その売上を確保するために何件のお客様を獲得しなければならないのか?
どこで開業するのか?
屋号をどうするのか?
備品はどうする?
名刺・封筒、コピー機・電話などなど、決めなくてはならないことばかり。
そして、すべてにキャッシュの支出を伴うことばかりです。
これらのことを解決するためには、やはり事業計画を作ることです。
まずキャッシュの確保です。例えば、手元の自己資金が100万円、日本政策金融公庫から500万円の創業融資を確保して、トータル600万円のキャッシュがあります。
これを元手に備品や消耗品の購入に200万円支出しました。
残るは400万円です。
毎月、家賃や自分の生活費などで100万円かかるとします。
すると売上が毎月ゼロであれば、4カ月で資金ショートすることになります。
資金ショートをしないためにも、まず売上を早急に確保しなければなりません。
できなければ資金ショートして、独立開業は失敗に終わります。
まずは何が何でも売上を確保して利益を出してキャッシュを減らさないようにしなければなりません。
独立前のお客様を当たる、同級生を当たる、友人知人をあたる、飛び込み営業をするなど、ありとあらゆるコネを使って、根性で売上確保に走ります。
まず、創業期の最重要課題は売上の確保です。
売上を確保できなければ、キャッシュが底をついてしまいます。
キャッシュを売上拡大に使いましょう。
PROFILE

曽根 康正
SMCグループ代表、1959年(昭和34年6月8日)に岐阜県多治見市で生まれる。 「社外重役の立場から専門能力を発揮し中小企業を支援する」 というグループ経営目標のもと、東海エリアにおいてNo.1の会計事務所を目指す。