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弁護士が教える、中小企業の契約管理について

2019年08月17日

  • 経営

倒産のきっかけは未収金の発生

前回までのコラムで、中小企業の与信管理についてお話ししました。
企業は利益や売上の最大化を目的としていますが、売上を増やすことだけでなく、その代金を回収するまでが大切な取引です。この代金を回収するまでの間を与信と言います。「信用の供与」=「与信」という意味です。

この与信の期間、売主は債権者となり、買主が債務者ということになります。

では、債権者と債務者はどちらの立場が上でしょうか?

債権者は支払いを請求する立場であり、債務者は請求を受ける立場です。
一般的に債権を持っている方が立場は上と考えがちですが、相手はお客様でもあり、払ってもらえないと困るので、どうしても債権者が下の立場になる傾向にあります。

債権者はこの債務者以外にも多くの取引先があり、仕入代金や社員の給与の支払いをしなくてはいけませんし、銀行への借金の返済も待ってくれません。
債務者から入金がされないといわゆる未収金が発生してしまいますが、その回収を弁護士に依頼すると、裁判などで時間と高額な報酬がかかることになります。また仮に裁判で勝ってもお金を回収できるかどうかはわかりません。

債務者が払ってくれないことで支払が滞ると、仕入先や従業員にも責められる。
債務者は「前門の虎」、仕入先や従業員は「後門の狼」ということになり、挟み撃ちにあうわけです。

破産する会社は、債務の支払いができなくなって倒産するのですが、そのきっかけは未収金が発生することからなのです。
商売をしていて未収金等が発生しないときはそれを意識することはありませんが、債権(売掛金)というのは実は災いの種なのです。
したがって、できるだけ現金取引にするか、債権の額を少なくするか、債権回収の期間を短くすることが大切です。

しかし売掛金のない中小企業など殆どありません。そこで未回収金の発生を防ぐために、前回お話しした「与信の管理」と、今回お話しする「契約管理」が非常に大切になってくるのです。

「与信の管理」について、前回までの復習をしましょう。
与信の管理では、相手方とかけ取引してもいいかどうかの判断基準を社内で明確化することです。

未回収金の発生を防ぐために!与信管理の方法

具体的には、

①かけ取引の基準を明確にする。
②相手を調査する(登記簿謄本の確認や決算書をもらう※等)。
※決算書をもらう方法等は前回の記事を参照してください。
という方法がありましたね。

与信管理の補足ですが、一つの取引先の全体の売上に対する占有率が10%を超えないようにしてください。中小企業の経常利益は、売上に対して10%以下のところが殆どです。

10%の売掛金が未収金となると、その利益がなくなってしまうことになり、確実にその期のキャッシュフローがマイナスになるからです。

取引先とかけ取引することが決まれば、その次は売掛金の回収の可能性を高めることが必要となります。それが契約管理です。経営者であれば、与信管理と同時に契約管理もしっかり知っておきましょう。

PROFILE

白木智巳

白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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