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資金繰りと減価償却費の関係について

2019年09月08日

  • 経営

今回は資金繰りと減価償却費の関係について説明していきましょう。

減価償却とは企業会計に関する購入費用の認識と計算の方法のひとつであり、長期間にわたって使用される固定資産の取得(設備投資)に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続きを言います。
減価償却は金融機能を持っていると言われています。どういうことなのでしょうか。

「減価償却費」は、既に設備などの取得時に支出が済んでいて、その取得時に支出した金額を設備の耐用年数の期間に渡って費用配分された金額なので、減価償却費が計上されたときに資金は出ていきません。つまり減価償却費はキャッシュの支出を伴わない経費なのです。

したがって減価償却費が計上されて利益が0円だとすると、その減価償却費の金額だけ必ずキャッシュが残っているはずなのです。この減価償却費の金額だけ会社にキャッシュが残るということで、減価償却は金融機能を持っていると言われているのです。

以前の借入金の返済財源の記事で紹介しましたが、

キャッシュの増加金額 = 当期利益 + 減価償却費
の算式です。

当期利益は収益から費用を差し引いた残りですので、その分キャッシュは増加します。更に金融機能を持っている減価償却費の分もキャッシュが増加します。つまり当期利益プラス減価償却費の金額だけ、借入金の返済財源に充てることができるのです。

減価償却費の金融機能について話を戻しましょう。
もし可能であれば、減価償却費の範囲内で設備投資を実行することが出来たとすると、キャッシュを減らさず、しかも借入をせずに設備投資ができるのではないでしょうか?


例えば、毎期利益が出ている会社が減価償却費を1,000万円計上しているとします。1,000万円はキャッシュが残っているわけですから、借入をせずとも1,000万円の設備投資をすることができます。
1,000万円では設備投資するのに足りないときは、他の期の減価償却費を充てることにします。

3,000万円の設備投資をしたいのであれば、2年間は設備投資をゼロにし、1年で一気に3,000万円を投資すれば良いのです。意外に面白い考え方ですよね。

設備投資の失敗や借入金の過大返済が、企業を倒産のリスクにさらしていると私は思っています。
つまり設備投資に失敗せず、借入金が過大にならなければ、倒産のリスクから逃れることができるのです。
そうならないために、経営者は設備投資、借入金の金額(返済期間と返済財源)、減価償却のことを熟知している必要があります。

特に借入金の返済期間と投資する設備の耐用年数の関係が理解できないのであれば、借金して設備投資をしない、銀行が貸すからと言って気楽に借金をしないことです。

銀行はあなたの会社の過去と現在しか見ていない、いや、過去と現在しか見る力がないのです。

だから、自分の会社の将来のことは経営者自ら責任をもって判断するしかないのです。

PROFILE

曽根 康正

曽根 康正

SMCグループ代表、1959年(昭和34年6月8日)に岐阜県多治見市で生まれる。 「社外重役の立場から専門能力を発揮し中小企業を支援する」 というグループ経営目標のもと、東海エリアにおいてNo.1の会計事務所を目指す。

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