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会社を潰さないためのキャッシュの見方、まとめ

2020年07月12日

  • 経営

「会社を潰さないためのキャッシュの見方」について4回に渡ってお伝えしてきました。
その中でネットキャッシュ残高(現預金から借入金を差し引いた金額)の増減と、その原因を探るための3つのキャッシュフロー(営業CF、投資CF、財務CF)の大切さ、さらに営業CFから分かる資金繰り改善方法等、事例を交えてみてきましたが、如何だったでしょうか?

現金預金残高の推移からその原因を調べてみると、いろいろなストーリーがありますね。
ここでよく知っておいていただきたいのは、キャッシュを増やす方法は損益計算書の当期利益と減価償却費だけではなく、資産・負債の増減でも大きくキャッシュが増減するということです。

さあ、復習です。
簡易純キャッシュ増は「当期利益+減価償却費」でしたね。

そしてこの「当期利益+減価償却費」が借入金の返済財源となります。

S社の15期で見てみると簡易純キャッシュ増は「37,359千円+56,432千円=93,791千円」でしたから、損益計算書だけを見ていると93,791千円のキャッシュの増加だけですが、実際には資産の増減、負債の増減があります。

S社

設備投資をすれば、資産が増加してキャッシュが減ります。売掛金が増加すれば、現金化が遅れる分キャッシュが減ります。

ここで教訓です。
受取手形、売掛金、棚卸資産、有形固定資産(設備投資)が増えれば現金預金が減少しますが、S社のように受取手形などの資産が減少することで現金預金が増えましたね。同様に、売掛金も棚卸資産が減少すれば、現金預金は増えるのです。

一方、負債をみてみましょう。

借入金が減れば、返済することにより現金預金は減少しますね。つまり買掛金や借入金が減少すれば現金預金が減少し、買掛金や借入金の残高が増えれば、現金預金は増えるのです。

上記の通り、損益計算書だけを見ていては現金預金、つまりキャッシュの動きは正確にはわからないのです。
同時に資産・負債の増減にも目を向けていないと、その動きは理解できないのです。

まとめてみましょう。現金以外の資産が増加すれば現金預金は減少し、減少すれば増加します。一方、負債が増加すれば現金預金は増加し、負債が減少すれば現金預金は減少します。

特に借入金の減少、つまり借入金の返済金額には要注意です。

借入金の返済財源は簡易純キャッシュ増である「当期利益+減価償却費」です。
S社の事例で見てみると、第13期は当期利益6,267千円と減価償却費43,605千円の合計の簡易純キャッシュ増は49,872千円なのに、借入金を54,272千円返済しています。

つまり簡易純キャッシュ増で借入金を返済できず、現金預金は減少してしまいました。やはり、簡易純キャッシュ増で借入金の返済金額を必ず賄うようにしましょう。

経営者の皆さん、決算書は損益計算書の利益だけでなく、現金預金すなわちキャッシュの増減も見るようにしましょう。
そしてその増減の原因となるキャッシュフロー計算書および貸借対照表も、重要な経営判断のツールとなってくれることでしょう。

PROFILE

曽根 康正

曽根 康正

SMCグループ代表、1959年(昭和34年6月8日)に岐阜県多治見市で生まれる。 「社外重役の立場から専門能力を発揮し中小企業を支援する」 というグループ経営目標のもと、東海エリアにおいてNo.1の会計事務所を目指す。

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