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中小企業が倒産をしないために、売上債権の未回収を未然に防ぐ「与信管理」

2019年08月05日

  • 経営

中小企業が倒産をしないために、売上債権の未回収を未然に防ぐ「与信管理」の具体的な方法についてお話ししております。
前回のコラムでは取引先の信用調査チェックリストの(ア)~(エ)についてご説明してきましたが、今回は(オ)の当座比率についてお話しいたしましょう。

信用調査 チェックリスト
(ア) □会社の商業登記簿謄本を法務局で取得
(イ) □決算書を交換する
(ウ) □不動産等があれば、不動産登記簿謄本取得、担保設定確認
(エ) □利益剰余金÷期数 500万円以上か
(オ) □当座比率 150%以上か
(カ) □自己資本比率 50%以上か 

(1)当座比率とは

当座比率 = 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

当座資産・・・現金、預金、売掛金などの現金化しやすい資産の合計です。今、会社が持っているお金がどれぐらいあるのか、がわかります。

流動負債・・・一年間に支払わなければならない負債です。
流動負債を正確に算出するには、長期借入金のうち1年以内に返済する負債を足す必要があります。毎年いくら返済しなくてはならないのか経営者であれば把握しましょう。この金額も流動負債です。

貸借対照表の左側には資産科目が並んでいます。

現金、預金、売掛金などの順に続きますが、この順番は現金化しやすい順であり、下へいくと固定資産など現金化しにくい資産となっていきます。会社にとって一番大切なものは現金です。当座比率では、この現金化しやすい資産科目、つまり現金、預金、受取手形、売掛金(未収入金)を使います。在庫は含みません。

右側にある流動負債は、支払手形、買掛金、短期借入金など、一年以内に返済しなければならない負債です。
返済しないことで信用がなくなります。支払手形を決済しないと不渡りとなり銀行取引が停止されます。買掛金を支払わないと仕入れをすることができません。
短期借入金も期日に返済しないと銀行等から訴訟提起されて強制執行される可能性もあります。貸借対照表の左側が会社にとって重要な順番に並んでいるのに対し、右側は危険な順に並んでいるのです。

当座比率は、会社にとって最も重要なものと、最も危険なものを比べるためのものです。会社の現預金等の当座資産で流動負債を支払うことができるのか、この会社は一年持つのかどうか、が一目でわかります。

SMC商事(20期)の貸借対照表

当座比率は何%が理想か?


上記SMC商事の貸借対照表から当座比率を算出してみましょう。

当座比率 = 当座資産44,000千円 ÷ 流動負債63,000千円 × 100
 69%

100%であれば一年分の負債を返済するだけの当座資産はある、ということです。つまり当座比率69%ということは、1年間に返済しないといけない負債を払うだけの当座資産をSMC商事は持っていないということです。

ではこの会社は何か月もつのでしょうか?
これは当座比率に12ヶ月を掛ければわかります。
69% × 12ヶ月 = 8.28ヶ月

つまりこの会社は、今の状態のままであれば8か月と1週間で当座の資金がなくなるのです。
決算日が12月31日であった場合は、12月31日にあった当座の金が8月の初旬頃には、なくなっているかもしれないのです。
ただし利益が出ていれば、8月の時点においても当座資産はまだある可能性があります。逆に赤字であれば、それよりも早く当座資産がなくなることになるでしょう。

全く利益が出ておらず、当座の資金が底を尽きている会社が、8月にあなたの会社に新規の取引を申し込んできたら、あなたはこの会社と取引をしますか?

私は現金取引以外であれば絶対に取引しません。こんな会社に債権を持っても、回収に苦労することは目に見えているからです。これが与信管理です。

こんな会社に裁判を起こしても執行不能となる可能性はありますが、実際に裁判を起こしたときに回収できるかどうかを判断できる分析比率があります。
それが自己資本比率です。
次回は、チェックリストの(カ)「自己資本比率 50%以上か」についてお話ししましょう。

PROFILE

白木智巳

白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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