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資金ショートに陥る2大要因とは

2019年07月14日

  • 経営

創業の方が、自己資金300万円を貯め、日本政策金融公庫で200万円の資金調達し、事業をスタートさせました。金利は2%、返済期間は2年です。
営業用の中古車を40万円で調達し、1,000円の商品を4,000個仕入れ、お客様へ1,500円で3,000個売上げ、経費も100万円かかりました。
さて、利益はいくらでしょう? ※中古車の減価償却費は20万円とする。

この取引を損益計算書で表すと以下のようになります。
売上     450万円
売上原価  △300万円
経費    △100万円
減価償却費 △ 20万円
支払利息  △ 4万円
経常利益    26万円

利益が26万円ありますが、キャッシュは増えているのでしょうか?
スタートのキャッシュは自己資金と借入を合わせて500万円でしたよね。

現金     300万円
借入     200万円
中古車   △ 40万円
仕入    △400万円
売上     450万円
経費    △100万円
返済・利息 △104万円
手持ち現預金 306万円

えええ~!利益が出ているのに、キャッシュは減ってしまっている?!
これでは次の仕入もできません・・・。
しかもこの売上が掛け売上だったら、450万円も入金されていない恐れもあります。
その場合は、既に資金ショートに陥っているのです。
何が原因なのでしょう?

借入金額が少ない


 小売業、卸売業、建設業など、在庫を持たなければならない事業、先にキャッシュが必要な事業の場合、どうしても仕入と売上の時間の差が出来てしまいます。在庫や未完成現場の費用を十分立替えておけるような資金を調達しましょう。

返済期間が短い。

 例の場合、返済期間を2年にしています。できれば5年、7年にしてもらいましょう。返済金額を圧縮することです。少しでも早く返済した気持ちはわかりますが、手元にキャッシュがあることの方が重要です。或いは事業が軌道にのる半年程、返済のスタートを遅らせてもらうケースもあります。

上記を参考に、借入額を300万円にして返済期間を7年(金利3%)にしてみたらどうでしょう?

現金     300万円
借入     300万円
中古車   △ 40万円
仕入    △400万円
売上     450万円
経費    △100万円
返済・利息 △ 52万円
手持ち現預金 458万円

150万円のキャッシュが増えたことで、資金に余裕が出来たことが分かります。

上記2つの対策の他、さまざまな方法はあります。仕入と売上をもっと増やす、売上の値段を上げて粗利額を増やす、在庫を持たなくてもいいような事業形態にする、経費を少し削減する、仕入の支払を遅くする、売上の回収を早める等、会社ごとに対策は異なるでしょう。いずれにしても着目して欲しいのは利益とキャッシュです。売上を増やすことばかりに一生懸命になる経営者が多いですが、会社に必要なのはキャッシュです。しつこいようですが、資金繰りは重要です。

PROFILE

菱刈 満里子

菱刈 満里子

大学卒業後、大手証券会社、文部科学省研究室秘書等を経験後SMC税理士法人に入社。 会計・税務業務に13年間携わった後、経営計画を中心とした未来経営に軸足を移す。 のべ150社以上の経営計画を作成、経営支援を行っている。

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