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売上債権の未回収を未然に防ぐ「与信管理」の具体的な方法

2019年08月04日

  • 経営

商品やサービスを提供(売上)した後、その金額を回収するまでの間のことを「与信」と言います。
「信用の供与」=「与信」という意味です。つまり取引先を信用していることが前提です。しかし本当にその取引先を信用してよいのでしょうか?
今回は売上債権の未回収を未然に防ぐ「与信管理」の具体的な方法についてお話ししましょう。

中小企業の信用調査

中小企業で信用調査を意識している経営者はほとんどいません。
信頼関係で成り立っているので大丈夫だ、なんで言っている方がほとんどですが、安心していること自体がリスクです。
私が法律顧問となっている中小企業には、以下のようなチェックリストを作成して提供しています。

信用調査 チェックリスト
(ア) 会社の商業登記簿謄本を法務局で取得
(イ) 決算書を交換する
(ウ) 不動産等があれば、不動産登記簿謄本取得、担保設定確認
(エ) 利益剰余金÷期数 500万円以上か
(オ) 当座比率 150%以上か
(カ) 自己資本比率 50%以上か

以下では、信用調査の具体的な方法について解説していきましょう。

会社の商業登記簿謄本を法務局で取得する(チェックリスト(ア))

まずは会社の情報を取りましょう。商業登記簿謄本はお近くの法務局で取得できます。
私は中国との取引に関する法律業務も行っていますが、中国では、あるはずの会社自体が存在しなかったということがよくありました。
日本ではそこまでひどい事例はめったにありませんが、会社の商業登記簿謄本を取得し、役員関係等の情報を把握することは大切です。

よくあるケースは、名刺に代表者と書かれていた人が役員として名前が挙がっていなかったりする場合です。
過去に破産したことで自分の名前を出せず、奥さんを代表者として登記している、という会社もたまにあります。
それだけで信用できないとは言い切れませんが、要警戒先となるのではないでしょうか。

決算書を交換する(チェックリスト(イ))

初めての取引先には特に注意が必要ですが、長年のお取引先でも定期的に決算書を交換するようにしましょう。
決算書を見せて欲しいなんて要求したら取引を断られるじゃないか、とおっしゃる経営者の方には、「全てのリスクを背負って取引してください」という他ありません。
こちらから積極的に決算書を提出して情報開示するのもよい方法でしょう。これにより相手も出さざるを得ません。

「弊社ではお取引様には積極的に情報開示し、お客様の情報も頂くことになっています」と言い切ればいいのです。
決算書を見せろというと、取り込み詐欺師はその時点ですぐさま退散します。
信用情報会社で相手の情報を見ることもできますが、登録されていない場合もあり登録料もかかります。

情報会社に支払う登録料が惜しければ、自分から決算書を開示することで相手方から頂くほかありません。

不動産等があれば、不動産登記簿謄本取得、担保設定確認する(チェックリスト(ウ))


決算書が入手できれば勘定科目内訳書等から不動産の情報がわかります。
また本社住所地や支店のビルの住所の不動産登記簿謄本を取得して確認します。
不動産登記簿謄本を取得する際には、共同担保目録付きのものを取得します。

不動産登記簿謄本の甲区には、所有関係が記載されています。乙区には担保関係が記載されています。
また当初の借入時期と金額と担保権者がわかります。
借り入れに対して、担保価値が不足していれば、代表者の所有不動産などに共同担保が設定されます。

それで、経営者の不動産の所有関係まで把握することができます。

利益剰余金÷期数 500万円以上か(チェックリスト(エ))

貸借対照表の右下の利益剰余金を創業からの期数で割ってみます。
これで相手方の会社が年に平均いくらの利益を出しているのかがわかります。

平均利益が1000万円程あれば良い会社でしょう。税金もきちんと支払っています。
100万円ぐらいであれば、「節税大好き社長」の可能性があります。なるべく税金を支払わないよう、利益を減らす経営をしてきたのだと思われます。
おおよそ500万円以上がAランク、それ以下がBランク等とランク付けします。もちろん自分の会社もどちらに入るのかをチェックしましょう。

次回はチェックリストの(オ)「当座比率 150%以上か」についてお話しします。

PROFILE

白木智巳

白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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