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緊急時のキャッシュを増やす経営計画

2020年07月19日

  • 経営

みなさん、お手元のキャッシュは十分にありますか?
新型コロナウィルスの影響で、経済が止まり、売上は半減し、休業もやむを得ないという状況に陥っている企業が多く出ています。
こういった大きな状況変化が起きた時、どのような対策をとれば良いでしょう。

答えは、できる限りキャッシュを増やすことです。

キャッシュを増やす3つの手段

企業がキャシュを増やす手段は3つしかありません。
一つ目は金融機関からの借入です。この方法で調達した資金は、当然ですが返済する必要があります。
二つ目は出資による調達。こちらは返済する必要はありませんが、中小企業の場合、出資を受ける相手には限度があり、無限にキャシュを増やすことはできません。

三つ目が利益によって増やすことです。利益を出してキャッシュを増やす方法は、返済の必要もありませんし、無限に増やすことができます。すなわち、キャッシュを増やす最も優れた手段は利益を出すことなのです。企業が利益を追求するのはこのためです。

企業が利益を出し続けるために最も重要なツールが経営計画です。
利益を出すための高い目標を立て、計画と実績を比較し修正行動を繰り返すことにより利益を出し、キャッシュを増やして強い会社になる。これが計画経営の醍醐味です。
ここまでは平常時のキャッシュの増やし方です。

緊急時のキャッシュの増やし方

ところが現在は状況が違います。売上が半減し、雇用を調整しなければいけないような経営状態の中、利益を出してキャッシュを増やすことは難しいでしょう。
現在は緊急時です。
緊急時のキャシュの増やし方は、金融機関から融資を受けて資金を調達する方法です。

現在はコロナ対策の特別貸付として、日本政策金融公庫や銀行などの金融機関から、借りやすく負担も少ない融資が続々と出てきています。
金融機関等で可能な限り借りることで手元のキャッシュを確保する。緊急時の中小企業が生き残るための最も大切な方法なのです。

経営者の中には「すでに十分にキャッシュはあり、2ヶ月ぐらいは売上が止まっても問題ないので、借入しなくても大丈夫。」と話される方がいらっしゃいます。
本当に2ヶ月で終わるのでしょうか。

今回のコロナ禍は収束の時期が全く見えません。キャッシュを持っている企業だけが生き残るのです。
緊急時は、借入によりキャッシュを増やす対策を行いましょう。

企業において最も大切なのはキャッシュであり、その調達方法として、平常時は利益を出すことであり、緊急時は借入により手元資金を増やしておくことです。

平常時に立てた単年度経営計画はあっても、新型コロナウィルスにより売上は下がり雇用も調整しなければいけない状況であれば、当初計画の下方修正が必要になります。
今回は緊急時における単年度経営計画の修正の仕方についてお話します。

平常時において、当初計画を下方修正する場合

平常時に当初計画を下方修正する場合、ポイントはやはり利益です。
売上が減少しても、生産性の向上による粗利の改善、人件費のコントロール、経費の削減等の見直しを行い、最終的に利益を確保できる計画に修正します。

緊急時において、当初計画を下方修正する場合

一方、緊急時の下方修正のポイントは、キャシュの残高です。
売上が半減してしまっている企業も多く、雇用調整や経費カットを検討しても到底プラスにはならないこともあるでしょう。利益が出なくても手元の現預金が確保できているかどうかを重視します。

また売上の減少がいつまで続くのかを予想することも重要です。おそらく2ヶ月や3か月では収まらず、今年いっぱいは今の状態が続くことを前提に計画を修正しておいた方が良いでしょう。

緊急時の赤字計画

下方修正により大きな赤字計画になるかもしれませんが、緊急時においてはそれも仕方ありません。
計画を立てることで、どれほどマイナスになるのかというリスクを予め見ておくことです。
そして資金がいつまで持つのかを知ることが最も重要なのです。

具体的に、緊急時の借入による手元資金をみていきましょう。(単位万円)

追加借入をしない場合

上記の表は、修正した単年度計画の経常利益(①)に減価償却費(②)をプラスして、簡易キャッシュ(③)を表示しています。この簡易キャシュがその月に増加するキャシュを意味します。
期首の現預金2,000万円に簡易キャッシュ(③)をプラスし借入の元金(⑤)・税金(⑥)を差し引くと、その月のキャシュ残高(⑦)が計算できる表です。

このままでは、8月までしかもちません。

3,000万円借入をした場合

それでは、5月に3,000万円の借入をしてみましょう。

借入をすることで、12月のキャッシュ残高が1,520万円になりました。
3,000万円ではなく4,000万円借りておけば、さらに安心です。
もちろん借りたからには返済が必要です。しかし借りなければ8月までしかもたないことをしっかり認識し、借入という対策をとることが重要です。

単年度経営計画の修正と借入による資金調達。

この二つが緊急時に行う最も重要な対策です。

大変厳しい情勢が続きます。キャッシュに拘り、この時期を乗り越えていって欲しいと思います。

PROFILE

浅田 和利

浅田 和利

SMCグループ (株)会計ファクトリー 代表取締役 1968年大阪府生まれのB型 東京・千葉の会計事務所を経て、2008年SMCグループに入社。 先行経営(MAS監査)を通じてお客様の経営支援を行っている。

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