返済期間の重要性について
2020年03月01日
- 経営
金利よりも返済期間を重視する
銀行借入する場合、意思決定をしなければならない基本的なことが2つあります。それが「金利」と「返済期間」です。どちらも重要な要素ですが、どちらを優先すべきかと言えば、金利ではなく返済期間です。下の例で見てみましょう。
1,000万円の機械装置を全額借入金(毎年1年後の期日に1年分全額返済する)で購入することとします。
<A銀行の提案>
10年返済で金利3%
<B銀行の提案>
5年返済で金利1%
さて、どちらを選択したらよいでしょうか。
まず、A銀行の提案を検討してみましょう。
初年度の元本返済金額が100万円(1,000万円÷10年)です。金利は1,000万円×3%で30万円ですから、出ていくキャッシュの金額は130万円です。
一方、B銀行の初年度の元本返済金額は200万円(1,000万円÷5年)、金利は1,000万円×1%で10万円。
したがって出ていくキャッシュの金額は210万円です。
A銀行のキャッシュアウトは130万円に対してB銀行は210万円。
キャッシュアウトが少ないほどリスクが低くなりますから、機械装置の借入はA銀行の提案を採用すべきです。
金利は安いに越したことはありませんが、金利が高すぎて資金ショートした企業を私は一度も見たことがありません。
一方返済金額が大きすぎるために資金ショートして潰れた企業は何社もありました。
勉強不足の三流アホ経営者は、金利のことしか理解できないために、金利の高い安いで判断をしてしまいます。
本当に大事なのはキャッシュアウトが大きい返済金額にしない、つまり「返済期間」が最も重要な経営上の意思決定事項であることが理解できないのです。
あなたの会社は金利の安さで借入金を選んでいませんか。
繰り返しますが、借入期間は経営上の最重要意思決定事項なのです。
あなたの会社、本当に大丈夫か診断しませんか?
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金融機関OBの資金繰り適正度チェック表
PROFILE

曽根 康正
SMCグループ代表、1959年(昭和34年6月8日)に岐阜県多治見市で生まれる。 「社外重役の立場から専門能力を発揮し中小企業を支援する」 というグループ経営目標のもと、東海エリアにおいてNo.1の会計事務所を目指す。