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役員貸付金が多いとどうなる?役員貸付金が引き起こす企業への影響

2022年01月25日

  • 経営

規模の小さいオーナー企業の場合には社長の財布と会社の財布が混同されているケースがあります。その場合には会社からオーナーなどの役員に貸付を行う役員貸付金が発生することが珍しくありません。
しかし、役員貸付金が多いと会社に様々な影響が及ぶことになります。
この記事では、役員貸付金が多いことでおこる問題点について解説します。

役員貸付金とは

役員貸付金とは企業から企業の役員への貸付金のことです。
役員報酬の代替手段、経営者の生活費に充当するため、などの理由で企業から役員に貸付を行う場合があります。
実際には役員貸付金が恒常的に発生する会社ではどんぶり勘定であり、経費の整理がしっかりしていないことが多いです。
小規模な中小企業の場合には会社のお金と社長のお金の境界線が曖昧なケースがありますが、役員貸付金については帳簿に記録する必要があります。

役員貸付金が多いことの問題点

いくつかの税理士法人は役員貸付金について「百害あって一利なし」と断定しています。
法人税等の税金のプロである税理士が役員貸付金について否定的な意見を持っているのは、なぜでしょうか?
役員貸付金が多い時に生じる問題や企業への影響について解説します。

金融機関の印象が悪い

役員貸付金が多い最大の問題は金融機関、特に銀行の印象が悪いことです。
近年では公的融資やベンチャーキャピタルなど資金調達手段の多様化が進んでいますが、東京商工会議所の「中小企業金融に関するアンケート 調査結果」によれば、未だに中小企業の最もメジャーな資金調達手段は銀行のプロパー融資です。したがって、銀行から融資を受けられる経営状態を維持することは中小企業にとって死活問題とえいます。
役員貸付金を多く計上していると中小企業にとって非常に重要なパートナーである銀行の印象は悪くなります。
貸借対照表を見た時に役員貸付金は会社の「資産の部」に計上されています。しかし、役員貸付金の返済は役員(大抵の場合は社長)の一存であるため、「返済の見込みのない資産」と判断されます。その結果、銀行側の融資審査の際には資産から役員貸付金は除外されます。
また、銀行は融資の際に資金の使途を確認します。役員貸付金が多い企業に運転資金や季節資金などの名目で融資をすると、融資した資金が社長個人の私的利用に流用さえてしまうおそれがあると判断する可能性があります。
さらに実際問題として役員貸付金が多い会社はどんぶり勘定である可能性が高く、銀行はそのような企業の事業の継続性に疑義を持ちます。

利息が利益を圧迫する

役員貸付金は貸付金の一種ですので、貸付金を受けている役員は会社に対して、利息を支払います。利息の発生は任意ではなく、法律で定められた利率となります。したがって、企業が受け取った利息を計上しないと税務調査の際に指摘されることになります。
利息を受け取ると、利息分だけ会社の利益が膨らみます。法人税は所定の税率を利益に乗じて算出します。結果として、利益が増えるとその分だけ法人税の負担が大きくなります。

役員貸付金を削減する方法

役員貸付金が必要以上に増えると、銀行からの資金調達が困難になる、法人税の負担が増大するといった問題が発生します。
必要以上に増えた役員貸付金はできる限り削減することが重要です。
ここからは役員貸付金を削減する方法について解説します。

役員報酬を減額して返済にあてる

実際に受け取る金額は据え置いて、会計上は役員報酬を増額することで、役員報酬の一部を返済に充当できます。
例えば、現在70万円の役員報酬を受け取っている場合に、20万円増額し、増額分を返済に充てます。
ただし、税務上、役員報酬については、
事業年度の開始から3ヶ月以内に変更の決定をする必要があります。
また、役員報酬の増額によって、役員個人の税負担は大きくなる点に注意が必要です。

役員退職金と相殺する

上記の方法によっても役員貸付金の返済が進まない場合は、役員が将来受け取る役員退職金と役員貸付金と相殺する方法があります。
ただし、役員貸付金は役員が退職して、退職金を支給されるまで残ります。

社長が金融機関から借入をする

社長個人の生命保険などを担保に、金融機関から借入し会社に返済する方法や、役員貸付金をファクタリングにより債権売却を実施し、それを元手に担保として生命保険に加入する方法があります。役員貸付金がなくなり、会社側は財務改善を行うことができますが、当然ながら社長個人が負債を抱えてしまうため、個人に返済能力がない場合は注意が必要です。]

役員貸付金の肥大化に注意しましょう

役員貸付金が恒常的に発生する企業はどんぶり勘定であることが多く、気づかないうちに役員貸付金が肥大化していきます。
役員貸付金が増えていくと、金融機関、特に銀行の印象を悪くして、資金調達が困難になったり、利息収入が増えて、法人税の負担が大きくなるといった問題が生じます。
本当に必要性がある場合を除いて、役員に貸付をするのは回避すると同時に現在の役員貸付金の削減に努めましょう。

PROFILE

舩田 卓

1972年愛媛県生まれのA型。 愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。 在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。 そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。 22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。

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