キャッシュ塾ダイジェスト キャッシュが減る経営計画になっていませんか?
2019年05月19日
- トレンド
作成した経営計画は利益が出ているのに、なぜかキャッシュが減ってしまう。こんな計画になってしまった人はいませんか?
今回は、利益がでる計画を作ったにも関わらず、キャッシュが減ってしまう場合の原因と対策についてお話ししたいと思います。
経営計画の立て方
まず作成した計画が下記のようになっていないかをチェックしてみてください。
税引前当期利益 - 税金 = 当期利益
当期利益 + 減価償却費 < 一年以内返済長期借入金
これは、キャッシュの増減を見る最も簡単な算式です。
税金を差し引いた当期利益に、キャッシュが減らない経費である減価償却費をプラスした金額が、理論上1年間で増えるキャッシュです。
次にこの増えるキャッシュと、1年間で返さなければいけない借入の元金(一年内返済長期借入金)を比較してみてください。
1年間で返済しなければいけない借入元金が、1年間で増えるキャッシュより大きい場合、利益が出ているのにキャッシュが減ってしまう、という計画になってしまいます。
新規の銀行借入を行えば一時的に資金が増加しキャッシュが増えますが、その場合も1年内に返済する借入元金と比較して
「当期利益 + 減価償却費 < 一年以内返済長期借入金」
になっていないか確認することが重要です。
言い換えると
「当期利益 + 減価償却費 > 一年以内返済長期借入金」
となる当期利益を出さなければ、キャッシュが減少してしまうのです。
当期利益をさらに引き上げる計画に修正
こうならない対策の1つ目は、当期利益をさらに引き上げる計画に修正することです。
①売上を上げる新たな戦略はないか。
②粗利を改善するために原価を引き下げることはできないか。
③人を増やさずに、生産性を上げ、売上を確保することはできないか。
④削減できる経費はないか。
これらを徹底的に見直してみましょう。必ずヒントはあると思います。
対策の2つ目は、銀行借入の見直しです。
現在の借入を借換えすることにより、借入期間を少しでも伸ばすことができないかを検討します。
例えば、下記のような借入でみてみましょう。
①借入残高600万円(残り3年で完済)、うち一年以内返済長期借入金 200万円
②借入残高400万円(残り4年で完済)、うち一年以内返済長期借入金 100万円
借入金1000万円のうち、一年内に返済しなければならない長期借入金は300万円です。
2本の借入を一つにまとめて借換えし5年で返済することにした場合、一年内返済長期借入金は200万円に減ります。(1000万円÷5年)
このような借換えは、銀行も対応してくれます。
☆なんとか利益を増やす!
☆借換えにより一年内返済借入金を減らす!
この2つの見直しで
「当期利益 + 減価償却費 > 一年以内返済長期借入金」
となる計画を作り、資金面でも安心して経営できる経営計画を作成しましょう。
そしてこの経営計画を達成するにはどうすればよいでしょう。
答えは計画と実績を比較することにより、ズレに気づき修正行動をとり続けること。」
これが、キャッシュが増える経営計画を達成する唯一の方法なのです。
しかし修正行動をとり続けることは難しく、挫折してしまうことが多くあります。
こんな時、仲間や専門家によるチェックの仕組みを取り入れると、飛躍的に継続が可能になります。
弊社が主催する「キャッシュを増やす塾」では、ズレから気づいた課題を塾の中で報告し、課題解決のヒントを専門家や塾生同士のアドバイスの中から見つけ出せます。
具体的解決方法(P)は、次回までの宿題として持ち帰り、実際に行動します。(D)
次回の塾で結果を報告し、チェックしてもらい(C)、さらに改善点を見つけるのです。(A)
このPDCAを毎月回し続ける仕組みが、挫折しない目標達成の唯一の方法となるのです。
「キャッシュを増やす塾」は初回お試しで受講できます。
ぜひ一度お越しください。
PROFILE

浅田 和利
SMCグループ (株)会計ファクトリー 代表取締役 1968年大阪府生まれのB型 東京・千葉の会計事務所を経て、2008年SMCグループに入社。 先行経営(MAS監査)を通じてお客様の経営支援を行っている。