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本当は怖い節税の話 その4 破産するかもしれないのに節税保険を解約したがらない社長の話

2020年03月08日

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破産するかもしれないのに、節税保険を解約したがらない社長の話

私:「財務を見ると年々現預金残高が減っています。ここ3年で30%ずつ現預金が減っているので、このまま行くとあと3年で支払い不能となり、破産の危険があります。破産専門弁護士の私が言うので間違いありません。3年後に潰れることは決算書を見ればわかるのです。」

社長:「先生、ではどうすればいいですか?」

私:「まず、経営は1年を通して現預金残高が増える経営をしなければなりません。税引後の利益が1,000万円で減価償却費が500万円であれば、1,500万円のキャッシュが増えますが、1年間に支払う借入金の額が4,000万円なので、2,500万円足りません。現在の現預金残高は7,500万円なので、3年後に潰れます。」

社長:「なるほど。」

私:「感心している場合ですか!現状について税理士は何と言っていますか?」

社長:「利益が出ているので節税しろと言っています。」

私:「アホな税理士ですね。ところで何ですか、この決算書の保険積立金って?」

社長:「税理士に勧められました。」

私:「年間保険料が300万円も要るじゃないですか!すぐに解約してください。」

社長:「いやあ。それは勘弁してください。ほかに会社を立て直す方法はありませんか。」

私:「社長の給料が2,000万円もあるじゃないですか。600万円にしてください。それで、キャッシュは1,400万円浮きますよ?それから300万円の節税保険を解約して、150万円ぐらいで掛け捨ての保険に加入すればこれだけで150万円浮きますし、万が一の時も安心です。これだけで、1,550万円キャッシュが改善します。あと約1,000万円なんとかなりませんか?」

社長:「先生、社長の給料を下げると利益が出て税金が高くなるので、社長の給料をもっと上げろ、と税理士が言っていましたよ。」

私:「アホな税理士ですね。それから、これとこれをやめてください。あとは銀行と交渉して、これとこれを借り換えて、借り換え期間を3年から7年にするように交渉してください。公庫は8年まで返済を伸ばせないか交渉してください。年間の銀行への返済金額を減らす必要があります。それが成功すれば、年間1,000万円のキャッシュのマイナスは改善されます。しかし今の売上では、現預金残高の推移はプラスマイナスゼロになるだけですが、これが実現すれば、会社が何年も多額の赤字にならない限り会社は潰れません。あとは売り上げを増やして粗利を確保するだけです。」

社長:「先生、保険は解約しないといけませんか?」

私:「(怒)(怒)(怒)‥‥。どうせ破産する前に保険を解約することになると思いますよ。今解約するか、3年後に解約するかの違いだけですが。」 

社長「・・・・・・。」

自分の船が沈みかけているのに、それを理解できない社長と自分の利益ばかり考える税理士にはつける薬がありません。
いくら会社の将来やご家族や社員さんのことを考えて必死になってアドバイスをしても、なかなかご理解いただけません。・・残念です。

創業後10年存続する会社はわずか7%

社長:「あのう。じゃあ、どんな保険に入ったらいいんですか?」

私:「借入金額に対して全額保障できて、掛け捨ての安い保険です。税理士に今加入している保険で、『借り入れに対して全額保障できていますか?』と質問してください。」

・・・・・後日。

社長:「やっぱり、あの税理士は変です。保障額は足りていないけど大丈夫だと言っていました。保険を解約したいと言ったら、反対されて怒られました。3年後に満期になるのでそれまでに解約したら損だと言われました。」

私:「3年後に会社が倒産する恐れがあるのに、会社と保険の満期とどちらが大切なんでしょうかね?どうして保険を解約しなくても大丈夫なのかという理由を、税理士から訊けましたか?」 

社長:「何を言っているのかよく分かりませんでしたが、税理士は自分の利益のために言っているのはよく分かりました。」

毎年事業活動によって現預金残高が増える経営を「良い経営」といいます。逆に現預金が減っている経営は「悪い経営」です。

キャッシュがどんどん減っているのに、節税保険をやめられない経営者、利益が出ているのに金がないとボヤいてばかりの経営者が沢山います。そこには必ずと言っていいほど節税税理士が傍にいます。

「三流経営者と三流会計事務所がタッグを組んで会社を潰す」
こういう会社はたくさんあります。だからこそ、創業後10年存続する会社はわずか7%に過ぎないのだと思います。
会社の現預金残高が減少しているのに、節税保険に加入して更に現預金残高を減少させている経営者が多いです。悪い経営をしていることに気が付いておらず、税理士もそれに気が付いていないのでしょう。

自分の会社を良い会社にするためには、三流税理士の言いなりにならず、経営者が自ら判断して、キャッシュを増やす「良い経営」をして下さることを願ってやみません。

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PROFILE

白木智巳

白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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