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破産弁護士から見た破産会社の特徴(2)

2020年07月12日

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4回シリーズでお伝えしている「破産弁護士から見た破産会社の特徴」。
前回は「3つのない(目的や理念がない、事業計画がない、決算書が読めない)」という破産会社の特徴をお伝えしましたが、今回は第2回目です。

業績不振は自殺の原因の第2位

私が弁護士になった平成14年の自殺者は3万5000人ほどであったと記憶しておりますが、日本は平成10年頃から14年間もの間、常に年間の自殺者が3万人を超えていました。
最近でも2万5000人ぐらいの方が一年間に自殺で亡くなっています。

年間3万人の方が自殺し、それが14年間続いたということは、合計42万人の方がお亡くなりになったのです。
私の出身である大阪府の豊中市の人口は約40万人程です。たった14年で、豊中市の総人口以上の方が自殺で亡くなる計算になります。

自殺の原因の1位は病気だそうですが、2位は事業不振です。
事業不振や倒産でご相談に来られる方の多くは、精神的に追い詰められて鬱やノイローゼの状態になっています。破産会社の経営者の多くは何度か自殺を考えたことがあるとおっしゃいます。

破産会社の経営者の漠然とした不安

破産と聞くとこの世の終わりと考える方も多く、離婚しなければならないとか、負債が子供にも及ぶとか、選挙権がなくなるとか、全く根拠のない噂に囚われて、とにかく破産を避けようとします。

目先の支払手形のジャンプのために、無理してノンバンクのカードローンやサラ金から借り入れ、さらにどんどん深みにはまり、不動産担保ローン、商工ローン、最後には闇金融業者から金を借りて、激しく追い込みをかけられた末に、自殺しかないと考える経営者も多くいらっしゃいました。

実は破産手続きを経て免責されれば、負債はゼロとなり、法律上のペナルティも殆どありません。弁護士免許や税理士免許がなくなるなどの不利益がある人もありますが、殆どの経営者には無関係です。相談に来られて破産について良く知ると、もっと早めに来たら良かったという経営者が多数です。

人は不安なものを避けて行動する傾向にあります。不安があれば、それを深堀して不安の正体を明確にすることで、意外と大したことではないのに気づきます。餅は餅屋という言葉がありますが、早めに専門家に相談して不安の中身を明確にし、その中身を良く知ることが大切だと思いました。

破産は、『破って産まれる(やぶってうまれる)。』と書きます。
借金のない綺麗な状態に生まれ変わることができ、再出発が可能となるありがたい制度なのです。

私は相談を受けたとき破産企業の社長さんに対して、「免責後はどうしますか」「これからは何をして稼ぎますか?」「ご迷惑をかけたご家族を、残された人生でどうやって幸せにしますか?」とお聞きます。

社長さんは「今日は破産の相談に来たので、まだそこまで考えていません。」とか言いますが、何度も同じ質問をぶつけると、妻にもう一度家を買ってやりたいとか、楽をさせてやりたいとかおっしゃいます。付き添いに来ていた奥さんも、旦那さんの話を聴いて涙を流される人もいます。

破産を決意する日は再出発を決意する日だと思います。未来に希望を持ち、家族を幸せにするという目的を持つことで、既に破産に対する不安は消え去っています。

破産後の人生に希望を持ってもらうことで、あまり好きでなかった破産事件に私もやりがいを感じるようになったのを覚えています。

PROFILE

白木智巳

白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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