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破産弁護士から見た破産会社の特徴(3)

2020年07月26日

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4回シリーズでお伝えしている「破産弁護士から見た破産会社の特徴」。
今回は、破産会社の決算書の特徴をお伝えしていきましょう。

破産弁護士は、過去の2~3期分の決算書を見て、どのように破産するに至ったのかについて経過を把握してから裁判所に報告します。
その際に私が感じたことは、どれも判をついたように同じような決算書だということです。

特徴① 3年前からキャッシュ残高が減少している

決算書の貸借対照表の左側は、上から現金、預金、受取手形、売掛金等の順に資産が並んでいます。
破産前の3期分を比べてみれば、キャッシュ即ち現預金残高が減少していることがわかります。
決算書は別に特別な知識がなくても読めるのです。沢山の決算書の解説本を読みましたが、情報量が多いだけであまり役に立ちません。

決算書は必要なところだけ読むことができれば良いのです。
3期分の現預金残高を比べると、残金の何パーセントが減少しているのかがわかります。
25%ずつ減少していれば、4年でキャッシュがゼロになり、支払不能となって倒産ということになります。
35%ずつ減少していれば、理論的に3年以内に倒産します。

特徴② 売上の10%以上を一つの取引先が占めている

決算書には勘定科目内訳書が添付されており、売掛金の内訳や相手方取引先名などが書いてあります。
中小企業の多くが、特定の取引先が全体の取引額の10%以上~50%を占めています。

仮に取引全体の10%を占める取引先に貸倒れが生じた場合、利益はどうなるでしょうか?(売上に対する経常利益が10%である会社を想定します。)

その大切な取引先からの売掛金が入ってこなくても、売上金額も経常利益もそのままで、税金も支払う必要が出てきます。
しかしその取引先の売上のお金は入っていないのに仕入や外注先へは支払うわけですから、キャッシュはマイナスになります。
何が言いたいのかというと、売掛金が一つの取引先に集中しないようにリスク管理をしている破産会社は殆どないということです。

特徴③ 実際に貸倒れがある

過去に多額の貸倒損失があったり、直近に貸倒れがあったりすると、それが現預金残の減少に大きく影響しています。
中小企業に貸倒れはつきものでしょうか?そんなわけありません。

取引先が倒産したのでしょうがないと諦める経営者がいます。
また弁護士に依頼しても回収できなかったことを恨んでいる方も多くいらっしゃいます。

しかし回収可能であるかどうかは、実は取引の前の段階から決まっていることが多い。
毎年きっちりと信用調査を行ったり、取引先と決算書を交換したりしていれば、ある程度の危険性は事前に察知できたはずです。

ところが決算書が読めなければ、相手と決算書を交換しても相手の資産状況を理解できず、その危険性の判断もできません。

中小企業が生き残るためには、連鎖倒産を防止することが何よりも重要です。
決算書を見て危険性を判断できるようになれば、貸倒れは未然に防止できると思います。

PROFILE

白木智巳

白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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