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破産弁護士から見た破産会社の特徴(4)

2020年07月26日

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4回シリーズでお伝えしている「破産弁護士から見た破産会社の特徴」。
今回は破産会社の経営者の特徴を見ていきましょう。

特徴① 節税大好き

貸借対照表の右下には「純資産の部」があり、設立当初の出資額や利益剰余金が記載されています。
貸借対照表は、創業から決算期までのすべての会社の成績が一覧で分かります。
また利益剰余金を創業期からの期数で割ると、創業期以来、平均していくらの利益を出してきたのかもわかります。

あるAという会社の創業以来の平均的な純利益は700万円です。毎年1,000万円ぐらいの経常利益を出して、300万円程度の税金を支払っていることが分かります。一方Bという会社の平均利益は70万円です。こちらは毎年100万円ぐらいの利益しか出さず、税金も毎年30万円ぐらいしか支払っていません。

破産する会社の決算書は、もちろんBに近い決算書です。
なるべく税金を出さないように、あえて無駄な機械や高級外車を購入したり、リゾートホテルの会員になったりすることで、不要なお金を沢山使ってしまいます。

また税理士に節税をお願いし、税理士もそれに協力して沢山のアドバイスをします。自ら保険を販売したり、投資物件の仲介をしたり、不動産業者を紹介して賃貸物件を建築させたりして、キャッシュバックを稼ぐ税理士も沢山います。

節税は、色々なものを会社に売るときの殺し文句になります。特に決算書が読めない経営者は、節税といわれるとすぐに飛びつきます。
節税がすべて悪いわけではありませんが、決算書が読めない近視眼的な経営者は節税が大好きだという特徴があるように思います。

特徴② キャッシュが少ない

節税の影響で、純利益も少なく、結果として現預金残高が少ない傾向があります。
安定した経営に必要な比率である当座比率も自己資本比率も低い会社が多いです。

破産の要件は支払不能です。現預金残高が少ないと、何かあれば支払不能に陥りやすくなります。
潰れない会社は、キャッシュが潤沢にあるから潰れないのです。
キャッシュを潤沢にするには、税金を支払う必要があります。税金を支払うことに無駄な抵抗をしない会社でなければ、会社にキャッシュは貯まらないのです。

キャッシュが多い会社も時には赤字となります。
それでもなかなか潰れません。破産する会社には、元々キャッシュが少なく体力がありませんので、一社の取引先が倒産したらすぐに連鎖倒産したり、購入した不動産や無駄な機械の借入返済のために資金繰りに窮したりすることになります。

目の前の損得に囚われると近視眼となり、税金の負担という壁にあらがって、却って自分の首を絞める結果となります。また、この節税を積極的に手伝って会社を悪くする節税提案をする税理士が多いのも非常に問題です。

特徴③ 気が付いていない

これが最大の特徴かもしれません。『キャッシュが毎年減っている。一つの取引先の占有率が高い。貸倒れについて対策がない。
節税が大好きである。キャッシュが少ない。』ということに自分自身が全く気付いていないのです。

それはなぜでしょうか?ズバリ決算書が読めないからです。
色々な不安を抱えていても、それが漠然として一向に解決しない一つの原因は、決算書の読み方が分からないからです。

「銀行が貸してくれるのはうちに信用があるからだ」と、訳の分からないことを信じたり、「税理士は会社が危なかったらきっと言ってくれるはずだが、何も言わないのでうちは大丈夫だろう」と言って不安を解消しようとしたりしますが、そんなことは単なるごまかしに過ぎません。

決算書が読めるようになれば、経営上のすべての問題点を発見し解決できるわけではありません。しかし少なくとも自分の会社の現状を把握することはできるようになります。

普通に経営している会社でも

以上は破産会社の決算書の特徴ですが、普通に経営している会社の決算書にも破産会社の特徴が当てはまっていることが非常に多いです。
自社の経営状態を改善したいと考えている経営者の方は、まずは自社の決算書を理解して現状を把握することが大切だと思います。

創業10年以内に閉鎖廃業する企業が多いのも、決算書を見れば、どれも倒産予備軍であることが直ぐに分かります。

まずは自身の会社の現状を知ることが大切です。漠然とした不安の原因は、現状を正確に把握していないことです。

決算書を見て正確に現状をアドバイスできる専門家に相談してみてください。
顧問税理士にアドバイスを求めるのが通常でしょうが、あまり参考にならないと感じた場合は(そういうケースの方が多いと思いますが)、色々な専門家を当たってください。
経営者の集まりに参加して、先輩経営者のアドバイスを受けることも参考なります。

経営者は常に自己研鑽が必要です。

自分に足りないものがわかれば、問題は既に解決しているのです。

PROFILE

白木智巳

白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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