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税抜経理における未払消費税・仮払消費税の適切な処理方法

2022年07月29日

    経理

日が浅い・経験が浅い経理担当者の方の中には、
「仮払消費税と未払消費税の関係がいまいちはっきりしない」という方もいらっしゃるかと思います。
今回は、税抜経理における未払消費税・仮払消費税の適切な処理方法について解説していきます。

税抜経理とは

税抜経理とは、本体価格と消費税を分けて計上する方式です。仕入や経費の支払などで消費税を支払ったときは仮払消費税を計上し、売上などで消費税を預かったときは仮受消費税を計上します。
詳しくは税抜経理方式と税込経理方式のメリット・デメリットをご覧ください。

仮払い消費税はどんな内容の科目なのか

仮払い消費税は、税抜方式で仕訳する際のみに発生する科目ですが、仮払い消費税は法人や個人事業主が仕入れなどをする際や外注費などを支払う際に費用と消費税をわけることで発生します。

例えば、税込110万円の仕入れを行った場合、
税抜処理:実際に支払った費用(仕入)仕入高100万円
仮払い消費税(消費税の支払い)10万円
を分けて会計処理を行います。
ちなみに、税込処理の場合は、消費税も一緒に経費処理する処理方法のため税込処理といい、
実際に支払った費用もそれに係る消費税の支払いも合算して、仕入高110万円のみの会計処理を行います。そのため、仮払い消費税は生じません。

反対に商品の売上時に預かった消費税については、税抜き処理の場合は仮受消費税として処理し、実際の売上高と消費税をわけて会計処理をすることになります。

未払い消費税はどんな内容の科目なのか

未払い消費税はとして未払金に計上しますが、決算上において重要性が高いと判断される際には未払い消費税として、未払金として別に表示して計上します。
未払い消費税は、主に税抜方式で計上をする場合に発生する内容の科目で、賃借対照表上では流動負債として表示をおこない、決算のタイミングで納税額を計上します。
ただし、決算時には未払い消費税として計上していますが未払い消費税などは中間納付で支払うことになるため、中間納付で支払った際には勘定科目には租税公課や仮払金として未払い消費税と仕訳をしてください。
中間納付をするかどうかは前年度の消費税金額によって異なりますが、一定の消費税金額を越えている場合には中間納付(確定申告分の消費税の前払い)として、先に納税することが求められる場合があります。その場合、中間納付分を支払った際に、租税公課や仮払金といった科目で処理する他、確定申告分の消費税税額の前払いの意味合いから未払い消費税として処理する場合もあります。

では、未払い消費税はどうやって計算するのか

原則として、法人や個人事業主が仕入れや経費の支払い時に支払った仮払い消費税と売上の際に預かった仮受消費税を基準にして計算します。
期中における仮払い消費税と仮受消費税を計算し、仮受消費税の方が多い際には未払い消費税が発生することになります。
必ずしも、仮払い消費税と仮受消費税の差額が未払い消費税と一致するわけではなく、消費税の計算の仕組み上、千円未満や百円未満の端数を切り捨てる計算を行います。そのため、少額ですが差額が出ることを理解しておきましょう。端数の処理により差額が出た場合は、主に雑収入か雑損失のどちらかに計上します。

未払い計上する理由

未払計上をすることで、決算書をみるだけで、どれくらいの消費税を支払う必要があるかが分かります。また、将来確実に支払いが必要な消費税を未払計上することで、未払消費税の記載のない決算書と比較し、適切な財務分析が可能です。

税抜処理による未払い計上は良いの?悪いの?

税抜処理による未払計上には良い点と悪い点があります。
良い点として、税抜処理を行い仮払い消費税と仮受消費税を記載することで、試算表の段階である程度の納税額を計算予測することができます。
ただし、悪い点として、会計処理時に消費税と経費の科目を分ける必要があり、税込み方式よりも処理が複雑になります。

また、2022年現在での日本の消費税率は10%と8%が混在しているため、仕入れや経費に関して異なった消費税が発生することが多いため、本来の費用の金額を明確化させる意味でも税抜方式での計上が有効といえます。
税抜方式か税込方式のどちらを選択するかに関しては企業での経営状況などを考慮しながら選ぶようにしてください。

未払い消費税を計算する際には仮払い消費税と仮受消費税は重要になることから、普段からの仕訳を間違えないように丁寧に会計処理をすることが大切です。

まとめ

いかがでしょうか?今回は、税抜経理における未払消費税・仮払消費税の適切な処理方法について解説しました。
仮払消費税・未払消費税の適切な処理方法を身に着け、これからの会計処理に役立てていきましょう。

このコラムの著者 : 舩田 卓

1972年愛媛県生まれのA型。 愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。 在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。 そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。 22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。