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ワクワクする5年後を作るために、貸借対照表をどのように改善していくか

2019年01月20日

  • 経営

「中期経営計画は、ワクワクする5年後を作る!」という話をずっとしてきました。
ところが、今の財務状態を良くすることが先決で、夢のある目標設定は難しい・・・。
こんな経営者もいらっしゃるでしょう。

今回は、貸借対照表をどのように改善していくかという視点で、中期経営計画の作成方法をお話ししたいと思います。

多額な一年内返済長期借入金

長期借入金のうち、一年間で返さなければいけない元金(一年内返済長期借入金)が多額な場合は、注意が必要です。

一年内返済長期借入金は、一年間で増えたキャッシュでしか返済することができません。
算式にすると「当期利益+減価償却費」の金額でしか返済できないということです。


さらに、当期利益と減価償却費を合わせた金額より一年内に返済する長期借入金の方が多ければ、利益が出て税金も払っているのに毎年お金が減っていく、ということになってしまいます。

このような場合は、

①銀行借入の借り換え交渉を行い、返済期間を長く設定し、一年内返済長期借入金を少しでも減らす

②キャッシュが減らない最低の当期利益を知り、当期利益を上げる経営努力をする。

この2つを同時に行うことにより、キャッシュの改善を図ることができます。

一年内返済長期借入金 =(<) 当期利益+減価償却費

この金額を明確にし、キャッシュの減らない(キャッシュが増える)中期経営計画を作成しましょう。

夢のあるワクワクする中期経営計画とはほど遠いですが、とても重要なガイドラインになるはずです。

一年内返済長期借入金から逆算して、返済に必要な当期利益を知り、この金額以上の利益を目標とした中期経営計画を作成することが重要です。

貸借対照表に支払手形がある場合


直前期の貸借対照表に「支払手形」がある場合は要注意です。
支払手形はとても簡単に資金を調達することができます。
手形に金額を書いて相手に渡せば、90日間や120日間支払いを待ってくれるわけですから、その期間、銀行から借入したのと同じ効果があります。

しかし「支払を先延ばしすることができるので、支払手形を使えば資金が豊かになる」と誤解されている経営者がいますが、これは大きな間違いです。

支払手形は、簡単に資金を調達できる代償に、2回不渡りを出せは銀行取引停止というペナルティーが課されます。

銀行取引停止=倒産ですので、この代償は大きすぎます。

これほど危険な支払手形が直前期の貸借対照表にあれば、早急に支払手形をなくす計画を立てなければなりません。

資金に余裕があるのであれば、迷わず現金支払いに切り替えるべきです。
余裕がなければ、銀行等から運転資金を借入れ、支払手形をなくすのも一つでしょう。

手元の運転資金を確保しながら安全に支払手形をなくしていくような中期経営計画を立てることが重要なのです。

ここまでで、支払手形は最も簡単で、最も危険な資金調達方法であるという話をしました。
それでは受取手形はどうでしょう。

貸借対照表に受取手形がある場合

受取手形は支払手形のように危険な資金調達方法ではありません。
しかし資金を回収できるのが90日後や120日後になりますから、現預金と比較すると資金回収が遅れ、キャッシュが減少することになります。

支払手形は「支払手形を振り出さない」と意思決定することにより、資金さえあればやめることが可能ですが、受取手形は取引先との交渉が必要です。

今まで受取手形で回収していた債権を、いきなり現金で回収させて欲しいといってもなかなか対応してもらえません。
相手がいることだからと諦めてしまっている方がほとんどでしょう。

しかし新しく取引を開始する先について、受取手形での回収はしないという条件にすれば、少しずつ受取手形は減っていくはずです。
この努力を惜しまず続けていった会社だけが、受取手形をなくし健全な資金回収ができるようになります。

少しずつ受取手形を減らしていく計画を立てて実行することにより、5年後には大きな財務改善が期待できます。

多額な在庫がある場合


「在庫は将来売上になるので、現金と同じとても大切なもの、重要な資産である。」
本当にそうでしょうか。

仕入れた場合でも製造した場合でも、在庫に相当する資金は先に出て行っており、売れるまで回収できません。

また在庫を抱えることにより、倉庫代や管理料など間接コストが常にかかり続けています。
つまり、在庫は多ければ多いほど資金を圧迫し経営状態を悪くしているのです。

在庫を持っているので、取引先からの急な注文にも対応でき、これが信頼につながるという方も多いですが、本当に急な注文に対応しなければいけないのでしょうか。
また、急な注文が年間どれほどあるのでしょう。

結論から言いますと、在庫は極限まで減らすべきです。
在庫を減らすことにより資金回収が早くなり、また倉庫代や管理料なども削減でき、大切なキャッシュを増やすことができます。
中には全く動いていない商品もある筈です。また逆にチャンスロスになっては困る商品もあるでしょう。

在庫を減らすには、商品毎の動きを調べることと、適正な在庫を見つけていくことです。
この計画も立ててみましょう。資金繰りが変わってくるはずです。

貸借対照表にリゾート会員権やゴルフ会員権がある場合


従業員の福利厚生という名目で、リゾート会員権やゴルフ会員券をもっている会社もあります。
しかし、ほとんどの従業員がリゾート地での宿泊やゴルフ等をしていないのではないでしょうか。
実際に利用するのは経営人だけ、というケースの方が多いです。

リゾート会員権やゴルフ会員権があってからといって、売上が伸びるわけでもキャッシュが増えるわけでもありません。
迷わず売却する計画をたて、どれほど資金が豊かになるかを中期経営計画で確認しましょう。

ワクワクする夢のある中期経営計画ではないかもしれませんが、とても重要な計画になるはずです。

貸借対照表の改善というテーマで中期経営計画を立ててみてはいかがでしょうか。

PROFILE

浅田 和利

浅田 和利

SMCグループ (株)会計ファクトリー 代表取締役 1968年大阪府生まれのB型 東京・千葉の会計事務所を経て、2008年SMCグループに入社。 先行経営(MAS監査)を通じてお客様の経営支援を行っている。

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