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黒字倒産の兆候と中小企業が取れる対策とは?

2022年03月03日

  • 経営

黒字倒産とは、利益が出ているにもかかわらず倒産してしまうことを言います。なぜ儲かっているのに倒産してしまうのか不思議ですよね。
この記事では、黒字倒産が起こる原因や中小企業が取れる対策などを解説しています。この記事を読むことで、黒字倒産のことが分かるようになり、適切な対策を取れるようになるでしょう。
ぜひとも参考にしていただけたら幸いです。

そもそも黒字倒産って?

黒字倒産とは、そのままの意味で「黒字企業が倒産すること」です。通常であれば倒産=赤字倒産をイメージしますが、黒字であっても倒産する企業は多いです。
「利益が出ているにもかかわらず、支払いできない…」
そういったことを積み重ね、最終的に経営活動ができなくなり、黒字倒産してしまうのです。

2020年の黒字倒産の割合は「46.8%」

東京商工リサーチによると、2020年の倒産件数は7,773件あったそうです。
赤字倒産の割合が53.2%だったのに対し、黒字倒産は46.8%でした(参照元:2020年「倒産企業の財務データ分析」調査 : 東京商工リサーチ (tsr-net.co.jp))
このことから赤字倒産と黒字倒産の割合は、ほぼイーブンなことが分かります。
なぜ黒字経営なのに倒産に陥ってしまうのでしょうか?
その理由を次項で説明していきましょう。

黒字倒産が起こる兆候・原因は「資金繰り」

黒字倒産が起こる兆候・原因にあるのが「資金繰り」です。
例え利益が出ていたとしても、手元資金がなければ倒産に陥ってしまいます。取引先に代金を支払えなかったり、金融機関に約定返済が出来なかったりするからです。
売上による入金(売掛金)・仕入による支出(買掛金)のタイミングはそれぞれで異なります。
例えば、商品を売り上げて翌月末に売上代金100万円が入金されるとします。
今月末に100万円の支払いが必要なのに手元資金が無い場合、翌月末まで待つ必要があります。
こういったズレ(資金繰り)が積み重なり、結果として黒字倒産に陥ってしまうのです。

黒字倒産を起こさないために中小企業が取れる対策5選

黒字倒産を起こさないために中小企業が取れる対策として、下記の5つが挙げられます。

  1. キャッシュフローを把握する
  2. 売上による入金を早くする
  3. 仕入など購入後の支払いを遅くする
  4. 利益率を上げる
  5. 銀行からお金を借り入れる

1つずつ見ていきましょう。

①キャッシュフローを把握する

黒字倒産に陥らないためには、キャッシュフロー計算書を用いて、日々の現金の流れを把握しておくことが欠かせません。
キャッシュフローを見ることで、手元資産がいくら残っているのか常に分かります。
貸借対照表・損益計算表だけ見ても手元資産は完全に把握できないので、キャッシュフロー計算書は必ず作成しておきましょう。

キャッシュフローとは?

キャッシュフローとは「お金(現金)の流れを把握できる表」のことです。
キャッシュフローを見ることで、会社のお金の出入り状況や手元資金が常に把握できます。
そのため資金繰りにおいて重要な指標となり、キャッシュフローは非常に重要な役割を担っているのです。

②売上による入金を早くする

売上による入金を早くする=回収サイクルを早くすることで、手元資金に一定の余裕を持たせられるでしょう。
企業は売掛金といった掛け売上が基本ですが、支払日を早めてもらうことで回収サイクルが早くなります。
もちろんそのためには、得意先との交渉が欠かせません。
手形で受け取っていたのを振込に変更してもらったり、早く支払う代わりに割引したりするなど、様々な方法で交渉を試みましょう。

③仕入など購入後の支払いを遅くする

自社においては購入後の支払い=出金サイクルを遅くすることでも手元資金に余裕を持たせられます。
そのためには得意先と同様、取引先とも交渉する必要があるでしょう。
振込を電子記録債権(でんさい)に変更したり、支払日を遅くする代わりに多く仕入れたりするなど、双方が納得できる形で交渉してみましょう。
また経費といった細かい出費は自社のクレジットカードを利用することで、支払いを1ヶ月程度伸ばすことが可能になります。

④利益率を上げる

単純に利益率を上げることも黒字倒産対策として有効です。
利益率が高ければ収入もその分増えるので、資金が潤沢になりやすいです。
薄利多売だと仕入を頻繁にする必要があるため、上手くサイクルを回すのが難しくなります。
つまり、黒字倒産に陥ってしまう可能性が高くなります。
利益率を上げることは根本的かつ本質的な対策と言えるでしょう。

⑤銀行からお金を借り入れる

銀行から融資を受ける(お金を借り入れる)ことも黒字倒産対策に有効です。
そもそも手元資金に余裕があれば黒字倒産することはありませんので、資金調達をして手元資金を厚くしておくのもアリでしょう。
ただ銀行から借入する場合、返済期限や金利といった支払いのことも加味して借りる必要があります。身分不相応な返済額、つまり利益以上の返済額は更に資金繰りを悪くするので気をつけましょう。
また信用性が低ければ、貸してくれる可能性は低くなるので注意が必要です。

黒字倒産の兆候は「損益計算書(P/L)」だけ見ても分からない

この記事では、黒字倒産が起こる原因や中小企業が取れる対策などを解説しました。
黒字倒産を防ぐためには手元資金を把握する必要があり、損益計算書だけ見ても分かりません。
なぜなら利益が出ていても、それを回収できていなければ意味がないからです。
現金の流れを把握・可視化するにあたり、「キャッシュフロー計算書」を作成しておくと良いでしょう。
この記事が少しでも参考になったなら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

PROFILE

菱刈 満里子

大学卒業後、大手証券会社、文部科学省研究室秘書等を経験後SMC税理士法人に入社。 会計・税務業務に13年間携わった後、経営計画を中心とした未来経営に軸足を移す。 のべ150社以上の経営計画を作成、経営支援を行っている。

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