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定期預金で経費節減と利益アップを図る

定期預金で経費節減と利益アップを図る

投稿日:2019年08月25日

更新日:2023年01月06日

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この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

今回は定期預金の増やし方をお伝えしていきましょう。

「定期預金の増やし方なんか簡単だよ、ただ利益を上げて定期預金を作ればいいだけじゃん。」と思っているあなた。
それでは定期預金を増やすことはできません。定期預金を増やすためには特別なノウハウが必要なのです。

その前にちょっとだけ私のサラリーマン時代のエピソードをご紹介しましょう。

私は就職して直ぐ、1ヶ月に10万円ずつ貯金することを目標としました。
会社から給料が振り込まれてきます。目標の10万円貯金をしたいので、一生懸命節約して1ヶ月生活しました。
ところが給料日直前に通帳を見ると、1万円も残っていません。10万円を貯金するのは意外に難しいものだなあと思いました。

こんなことを3ヶ月ぐらい続けていると、給料の残ったお金で貯金しようとするから貯まらないことに気づきました。そこで給料を使う前に10万円を貯めてしまえば、確実に貯まるだろうと考え、給料日に自動的に10万円を定期積金にし、残りのお金で1ヶ月生活することにしました。当然、通帳には10万円を定期積金にした残りのお金しかないわけで、お金を使いたくてもお金がないので使うことが出来なくなり、これを5年間続けて500万円以上を貯金することが出来たのです。
会社もこの考え方でいけば、定期積金・定期預金がドンドン増えていきます。

それでは具体的に定期預金の増やし方をご説明しましょう。

定期預金の増やし方

定期預金を増やす前に、毎月一定額を積んでいく定期積金をします。私のエピソードのように、キャッシュを経費や設備投資に使ってしまう前に、強制的に定期積金にして拘束してしまうのです。
また定期積金は3年や5年ではなく1年の方が良いです。1年で満期になった定期積金に、更に現金を加えて定期預金にするのです。例えば1年の定期積金で1ヶ月100万円ずつを積めば1年で1,200万円になります。
これをそのまま定期預金にしたのではあまり増えていきません。

そこで1,200万円に300万円をプラスして1,500万円を定期預金にしてしまうのです。

そしてまた新たな毎月100万円の定期積金を間髪入れずに始めます。
これを10年間続けられれば、10年後には1億5,000万円の定期預金が出来ているはずです。

ここで重要なのは、定期積金が満期になった時に、消費税の支払いや社員の賞与や設備投資の支払いなどに充てないことです。定期積金の資金はないものと思って資金繰りをする必要があります。満期になった定期積金を支払いに充ててしまったら、決して定期預金は増えていきません。

早速、強制的に1年の定期積金をしてみませんか?
お金が溜まっていくのを実感できますよ。

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定期預金による経費節減と利益アップ

ここまでは「そりゃそうだ」という内容ですが強制的に定期積金をすることで、キャッシュが増える他にもメリットがあります。

必要な支払を終えて残ったキャッシュで定期積金をしようと思う人は、決して定期預金を増やすことはできません。100万円の定期積金をした後の残りのキャッシュで、経費や設備投資の支払いをする経営をするのです。

これにより少ないキャッシュの中で経費の支払いや設備投資をしなければならないため、必然的に経費が減り、設備投資も少なくなっていきます。その結果として利益が増えることになるのです。

つまり定期積金をすることによって、経費節減が出来て利益が増えるのです。利益が増えるので更に定期積金を増やすことが出来、定期預金も加速度的に増えていきます。

定期積金増加 → 定期預金増加 → 経費節減 → 利益増大 → キャッシュ増加 → 定期積金増加 
の好循環を自ら生み出すのです。

定期積金は利益が出てキャッシュが残ったから作るものではなく、意図してキャッシュを拘束し、定期積預金を自ら作ることによって好循環を生み出し、加速度的に定期預金を増やしていくことができるのです。

定期積金の積立額を毎月30万円、50万円、100万円、あるいは300万円にするのかは会社により異なりますが、実行していただきたいことは、少し無理した高めの金額を設定することです。
これが定期預金を早く増やす秘訣ですね。

利益が出ていない赤字会社でもこの定期積金方式を実行してみてください。いや、逆に赤字会社だからこそ実行してみるのです。
まず、無理をしてでもキャッシュを捻出して定期積金を開始します。前述の通り自由になる資金が減少するので、当然の結果として経費が減り赤字体質から脱出できるのです。

しかし赤字会社の経営者は意志が弱いので、定期積金を実行しないか、実行しても定期積金を設備投資や税金や賞与の支払いに充ててしまって、途中で挫折するのが落ちかもしれません。

これを実証してくれた、私の過去の経験の実例をご紹介しましょう。
<M社の定期預金の増やし方>
M社は創業80年の老舗の製造業で、現社長は3代目です。売上規模は約20億円、利益は毎期1億円から2億円あります。定期預金は常に5億円を超えています。

こんなに定期預金があるのに、社長はいつもお会いするたびに資金繰りが苦しい苦しいと言われ、時には当座預金がマイナスになってしまうこともあります。
この会社は定期積金を毎月300万円積み立てています。
このせいで資金繰りが厳しくなっているのです。

しかしこの毎月300万円の定期積金をすることで、1年で3,600万円が貯まります。
また1年後の満期の時に400万円を足して4,000万円を定期預金にしていらっしゃいます。
これを続けることにより10年で4億円の定期預金が増え、今では定期預金残高が10億円を超えています。

資金繰りを自ら厳しくしているM社の設備投資はどのようにしているのでしょうか?

手元のキャッシュが厳しいので、M社の設備投資は借入金で行います。決して、定期預金を取り崩して設備投資をすることはありません。借入れをすれば、早く借入金を減らしたいという気持ちになるので、無駄な経費が削減でき利益が増え、ドンドン借入金が減っていきます。

定期積金と借入金の返済で余剰資金を極限まで絞ることによって、M社は毎期1億円以上の利益を継続することが出来ます。そして利益による資金調達によってキャッシュが更に増えていきます。

Ⅿ社の社長は、

  1. キャッシュが無くなれば、会社は倒産してしまう。会社経営において、キャッシュはとても大事であることを十分理解されていること
  2. 定期積金が定期預金を増やす早道であることと経費を削減する方法であることを知っていること
  3. 定期預金は資金繰りにおいて決してあてにしていない、つまり万が一の時にしか決して使わないこと


を、完璧に理解されていました。

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このコラムの著者 : 曽根 康正

SMCグループ顧問、1959年(昭和34年6月8日)に岐阜県多治見市で生まれる。 「社外重役の立場から専門能力を発揮し中小企業を支援する」 というグループ経営目標のもと、東海エリアにおいてNo.1の会計事務所を目指す。

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