役員貸付金のメリットは1つもありません。デメリットしかありませんよ。 | SMC税理士法人

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役員貸付金のメリットは1つもありません。デメリットしかありませんよ。

2019年01月13日

  • 経営

今回のコラムでは役員貸付金のメリットとデメリットをお話ししましょう。

役員貸付金のメリット

役員貸付金のメリットはまったくありません。
役員報酬の一部を費用計上せず、役員貸付金として処理することにより、会社に利益を生み出す方法として用いる場合があります。
税法でも役員貸付金について否認する特別の規定があるわけでもないので、問題はありません。

また、役員貸付金も金銭貸付ですから、受取利息を計上しなければなりません。
会社から見れば受取利息という収益となりますが、この収益も会社に入金されない限り、資金は増えません。
利息を計上しないと、役員に対する報酬の支払いとして取り扱われることになります。

会社の設立年度に利益を出すために、役員報酬の計上をしない会社もあります。
役員報酬がない経営者にも生活がありますから、生活費のために会社からお金を借りた結果、会社の貸借対照表に役員貸付金が計上されてしまいます。
これも回収されなければ、役員報酬を支払ったのと何ら変わらず、現預金は減少するだけです。

役員貸付金が生ずる要因をまとめると下記のとおりです。

① 経営者が会社のお金を私的に流用する習慣が付いている。
② 利益を生み出すため、会社の経費や役員報酬の一部を貸付金に振り替える
③ 領収書などがなくなり、費用に落とすことができなくなった経費がある

役員貸付金はデメリットだらけ

役員貸付金にはメリットがなく、あるのはデメリットばかり。
デメリットをまとめると下記のとおりです。

①会社のお金がなくなるだけ

役員貸付金が生じる大きな理由は、経営者が個人と会社のお金の区別がついていないことです。
中には、経営者個人がお金に困って会社のお金を借りるというケースもあるかもしれませんが、大半は、会社のお金を私用に流用してしまっているのです。
しかも返済されることがないので、役員貸付金が増えるほど会社は資金がなくなっていきます。

②銀行など金融機関の印象が悪い
銀行はお金を貸す際に、その会社の返済能力だけでなく、資金の使い方を見ます。
役員貸付金があるということは、資金を経営者が私的に使っていると判断します。
つまりその会社に貸したお金が、経営者個人に流れるのではないかと疑問を持ちます。

さらにそれが数期にわたっている場合、役員貸付金の返済は見込みがない資産とみなされます。

このように判断されれば、銀行からの融資を受けることは厳しくなります。
そのため銀行から役員貸付金の完済を求められることがあります。

③利息の計上により法人税の負担が増える
役員貸付金も貸付金には変わりません。当然、利息を計上することになります。
そのため、利息である収益に対し、法人税の負担が増えることになります。
さらに税法では、たとえ無利息や低金利による利息を受け取っていても、通常の金利相当額を収益に計上することとされており、利息を受け取っていなければ、役員給与として取り扱われることになります。

④債権放棄をすると役員賞与として取り扱われる
デメリットである役員貸付金について、完済できないからといって債権放棄をすると、税法では原則として役員賞与としてみなされてしまいます。
この場合の役員賞与は費用として認められず、法人税の負担が増えてしまいます。

⑤相続人に債務として引き継がれる
役員貸付金は、経営者個人からみれば借金です。
したがって経営者が亡くなったとき、その相続人がその借金を相続により引継ぐこととなります。

PROFILE

舩田 卓

1972年愛媛県生まれのA型。 愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。 在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。 そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。 22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。

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