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社内懇親会・忘年会・創立記念パーティーは福利厚生費? 会議費? 交際費? 判断ポイントを解説

投稿日:2026年04月08日

更新日:2026年04月08日

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

忘年会や社内懇親会、創立記念パーティーを開いたあとに迷いやすいのが、「福利厚生費でよいのか」「会議費にしてよいのか」「交際費なのか」という勘定科目です。
結論からいうと、社内イベントの名前ではなく、誰のための支出か、どの程度の飲食か、社外者がいるかで扱いが変わります。国税庁は、従業員向けの通常の社内飲食は福利厚生費になり得る一方、得意先を招いた式典費用は交際費等になると示しています。

制度概要

国税庁によると、交際費等とは、得意先や仕入先など事業関係者への接待、供応、慰安、贈答のために支出する費用です。いっぽう、専ら従業員の慰安のために行う運動会、演芸会、旅行などの通常費用は、交際費等から除かれ、福利厚生費などになります。

また、社内行事のうち、創立記念日や新社屋落成式などに際し、従業員等におおむね一律に、社内で供与する通常の飲食は福利厚生費になると国税庁は明示しています。つまり、創立記念パーティーでも、対象が従業員中心で、内容が常識的なら福利厚生費で整理しやすい、ということです。

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制度のポイント

まず、社内懇親会や忘年会です。全従業員または一定部署の従業員を対象に、おおむね一律に開催し、社内親睦を目的とする通常の飲食なら、福利厚生費として処理しやすいです。逆に、役員だけ、特定の幹部だけ、成績上位者だけなど、対象が偏ると福利厚生費とは言いにくくなります。

次に、会議費です。国税庁は、会議に関連して供与する茶菓、弁当など通常要する飲食物は交際費等から除かれるとしています。会議の合間の弁当や軽食は、会議費で整理しやすい典型例です。

最後に、創立記念パーティーです。従業員向け中心なら福利厚生費の可能性がありますが、得意先を招待して宴会、記念品、交通費負担まで含むと、国税庁Q&Aでは交際費等になります。祝儀を受け取っても、その分を差し引くことはできません。

中小企業への影響

中小企業では「忘年会だから福利厚生費」と機械的に処理しがちですが、税務では実態が見られます。
たとえば、取引先も参加した忘年会は、社内分と社外接待分を分けて考える必要があります。社外者との飲食費は、1人当たり1万円以下で保存書類が整っていれば、一定の場合に交際費等から除外できます。令和6年4月以後は、この基準が5,000円以下から1万円以下に引き上げられています。

また、会社が従業員に食事を日常的に支給するケースでは、源泉所得税の論点も出ます。役員や使用人が食事価額の半分以上を負担し、会社負担が月額3,500円(税制改正により令和8年4月以降から月額7,500円)以下なら給与課税しないという基準があります。これはイベント飲食と完全一致ではありませんが、食事提供の考え方を誤らないために押さえておきたい点です。

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経営者がやるべき対応

実務では、まず参加者を分けることが重要です。従業員のみか、役員のみか、取引先もいるかで科目候補が変わります。
次に、開催目的を残すことです。忘年会なら社内親睦、会議なら打合せ、創立記念なら社内行事なのか取引先向け式典なのかを、案内文や稟議書で残します。
さらに、社外者との飲食で1万円以下ルールを使うなら、日付、参加者名、人数、店名、所在地、支払額を記録保存してください。保存書類がなければ適用できません。

具体事例

全社員向けの忘年会 全社員に案内し、会社近くの飲食店で通常の懇親会を開催。参加対象も一律。
この場合は、福利厚生費で整理しやすいケースです。
役員会議後の弁当 午後の会議に合わせて弁当とお茶を手配。
この場合は、会議に関連する通常の飲食として会議費で整理しやすいです。
創立10周年で得意先を招いたパーティー 宴会、交通費、記念品を会社負担。
この場合、国税庁Q&Aに沿えば交際費等での整理が基本です。
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まとめ

社内懇親会・忘年会・創立記念パーティーの費用は、誰に対する支出かで大きく変わります。
従業員へおおむね一律の通常飲食なら福利厚生費、会議に伴う茶菓や弁当なら会議費、得意先招待や接待要素が強いものは交際費等、というのが基本線です。

とくに、社外者が参加する飲食は1人当たり1万円以下ルールの確認、創立記念パーティーは従業員向けか得意先向けかの切り分けが重要です。個別事情で結論が変わるため、実際の処理では税理士等の専門家に確認するのが安全です。

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よくあるご質問

忘年会は必ず福利厚生費ですか。

いいえ。従業員向けに通常の範囲で一律開催するなら福利厚生費にしやすいですが、役員のみや接待色が強い場合は別です。

会議後の弁当代は会議費ですか。

会議に関連する茶菓や弁当など通常の飲食なら、会議費として整理しやすいです。

創立記念パーティーで取引先を招いたら福利厚生費ですか。

取引先を招いた式典の宴会費、交通費、記念品代などは、国税庁Q&Aでは交際費等とされています。

社外者も参加した懇親会はどう考えますか。

社外接待部分は交際費等の論点になります。ただし、1人当たり1万円以下で要件を満たせば交際費等から除外できる可能性があります。

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このコラムの著者 : 長縄 龍哉

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