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仮払消費税とは?資産として計上する理由や仕訳方法を解説します

2022年07月13日

    経理

仮払消費税とは、仕入れや経費などにかかる消費税のことです。仮払消費税を支払ったのにもかかわらず、なぜ資産に計上されるのか気になるという方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、仮払消費税が資産に分類される理由や仕訳方法をご紹介します。会計時に「税抜処理方式」を採用している方は、ぜひ参考にしてみてください。

仮払消費税の概要

仮払消費税の概要がよく分からないという方も多いのではないでしょうか。ここではまず、仮払消費税について詳しく解説します。

仮払消費税とは

仮払消費税は、税抜処理方式で会計をする際に使用する勘定科目です。仕入れや経費などにかかる消費税を仮払消費税として計上します。

仕入れなどで商品・サービスを購入した際に支払った消費税は、最終的にお客さんから徴収することになります。一度払ったものが、また手元に戻ってくるようなイメージです。

仮払消費税と他の消費税の違い

仮払消費税と似た消費税に「仮受消費税」や「未払消費税」があります。それぞれの消費税の概要は以下の通りです。

・仮受消費税:売上などの代金にかかる消費税で、商品やサービスの提供時にお客さんから預かる税金
・未払消費税:お客さんから預かった仮受消費税と、仕入れなどにかかった仮払消費税の差額で、実際に納めることになる税金

未払消費税がある場合は支払い、あるいは還付を受け、仮受消費税と仮払消費税を等しい金額にする必要があります。

消費税の処理方法

消費税の計上方法には、「税抜処理方式」と「税込処理方式」の2種類があります。このうち仮払消費税が発生するのは、税抜処理方式を使用する場合のみです。

「税抜処理方式」と「税込処理方式」の概要は以下の通りです。

・税抜処理方式:本体価格と消費税を分けて計上する方法
・税込処理方式:本体価格と消費税の合計金額で計上する方法

税抜処理方式では、消費税と本体価格を分けて計算できるため、より正確に利益や損益を把握できます。ただし、その分会計処理が複雑になるという点には注意が必要です。

一方税込処理方式は、経理が簡単な半面、消費税率が利益・損益に影響する可能性があります。

なお、免税事業者は税込処理方式一択となりますが、それ以外の個人事業主や法人は、2つの処理方法の中から任意選択が可能です。

仮払消費税はなぜ資産になるのか

仮払消費税はすでに支払っている税金のはずなのに、なぜ流動資産としてカウントされるのか疑問に感じている方も多いでしょう。仮払い消費税が資産となる理由として、3つの考え方をご紹介します。

獲得できるお金=資産であるため

仮払消費税は、事業主が仕入れなどの経費として先に支払うものの、最終的には商品やサービスと一緒にお客さんから徴収します。

そのため、消費者から獲得できるお金=資産と考えることができます。

すぐに回収できる費用であるため

仮払消費税は流動資産にカウントされます。流動資産とは、短期間で現金化できるものやその予定があるお金のことです。期間は1年が目安とされています。

仕入れや経費にかかった消費税は、商品の販売やサービスの提供によってすぐにお客さんから受け取りできるケースがほとんどです。そのため、流動資産にカウントされていると考えられます。

仮払消費税は前払金とも考えられるため

仮払消費税を前払金と考えるのも方法のひとつです。前払金とは、契約を確約するために先に支払う代金です。「商品を手に入れるための権利を購入すること」と同じような意味を持ちます。

会計上の資産には「収益力のあるもの」も含まれるため、前払金も資産として計上されます。お客さんから代金(売上)を徴収するために仕入れや経費、仮払消費税が発生していると考えれば、仮払消費税も前払金と同じように「資産」と捉えることができるでしょう。

まとめると、仮払消費税は
お客さんへ商品を売り、収益獲得につながるものだという考え方。
消費税の計算上、納付すべき消費税はお客さんから預かった仮受消費税から支払った仮払消費税を控除します。そのため、消費税を少なくする効果があり、預かった消費税以上に支払った消費税が多い場合、支払いすぎた消費税は国から還付を受けることができます。
そのため、資産性があるという見方もできます。

仮払消費税の仕訳方法

仕入れなどを行い仮払消費税が発生した場合、以下のように帳簿に入力します。

【事例1】
商品11,000円(内消費税1,000円)を仕入れ、代金は来週中に支払う予定となっている

借方 貸方
仕入高 10,000
仮払消費税 1,000
買掛金 11,000

【事例2】
仕事用のパソコン備品を55,000円(内消費税5,000円)で購入し、代金を現金で支払った

借方 貸方
仕入高 50,000
仮払消費税 5,000
現金 55,000

借方科目は本体価格と消費税を分けて記載し、貸方科目は合計額を記載します。仮払消費税の考え方に難しさを感じる方もいるかもしれませんが、仕訳方法はシンプルかつ簡単です。

まとめ:仮払消費税は最終的に回収できる

仮払消費税は、仕入れなどの際に支払う税金です。一旦先に支払うものの、最終的には商品やサービスの提供時にお客さんから徴収することになります。

また、消費税の処理方法には「税抜処理方式」と「税込処理方式」があり、仮払消費税は税抜処理方式を選択した場合にのみ使用する勘定科目です。

免税事業者は原則税込処理方式が採用されていますが、それ以外の事業者や法人は任意選択できます。どちらの方法にもメリット・デメリットがあるため、自身のケースに合う会計方法を選択しましょう。今回の記事もぜひ参考にしてみてください。

このコラムの著者 : 舩田 卓

1972年愛媛県生まれのA型。 愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。 在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。 そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。 22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。