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まずは、就業規則を読み込むこと、これが労務管理の出発点です

2019年11月17日

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経営において大切な経費であり、多額のキャッシュを伴う人件費。雇用した社員とのトラブル解決だけでなく、根本的な問題について考える必要があります。
今回は、労務管理の要である就業規則について説明したいと思います。

就業規則とは

一定の従業員数を超える企業では就業規則の制定が必要です。
就業規則とは従業員の業務に対する規則であり、会社が一方的に定めるものですが、合理的な制度である限り従業員を拘束する効果があるものです。

規則と契約とは異なります。契約とは双方合意によるものですが、規則は企業が一方的に定めるものですので、当然、契約よりも拘束力が弱いと言えます。
とはいっても、就業規則は企業の労務管理の基本ですので、凡その就業についてのルールが就業規則に定められているのが通常です。
就業規則は、就業員の管理マニュアルというイメージです。

就業規則を見たことがない経営者

労務相談に来られた経営者は、例えば問題社員の行為について色々な事実を述べられます。何度言ってもいうことも聞かないとか、反抗ばかりしている、他の従業員に悪影響がある、同じミスを何度も繰り返す、などです。
私が就業規則を確認したのかと質問すると、ほとんどの経営者は社労士に任せているので、就業規則など見たことはないと言います。

労務問題が起こっても、弁護士の指摘がないと就業規則を見ません。
そういう経営者は、初めから労務管理などきちんとやるつもりなどありません。
労働問題を起こすのは従業員かもしれませんが、実は、普段から労務管理を行おうとしない経営者こそが労働問題を発生させているのです。

どうして、就業規則があるのか

見たことがない就業規則をどうして費用をかけて作成したのでしょうか。不思議ですね。
その理由はズバリ、助成金です。
就業規則を制定したり改定したりすることで助成金がもらえる、と社労士から勧誘されて就業規則を作るケースも多い。

助成金が出れば、社労士は20%程の手数料をもらって仕事は終わり、経営者も助成金をもらってそれで終わります。
これでは、就業規則を制定した意味もありませんし、税金から助成金が支払われる意味もありません。
結局、就業規則は全く労務管理に使われずに放置されます。

就業規則の活用

様々な労務問題について就業規則の規定を見れば、どのような形で労務問題が起こるのかを予測することができます。
就業規則は多くの会社で発生した労務問題から逆算して作成されていることが多いので、きちんと就業規則で管理しておけば、凡その労働問題を避けることができます。

また労働法規は毎年のように変わりますので、本来は就業規則も毎年変更修正する必要があります。
まず経営者自身が就業規則を理解して、労務管理についての最低限の知識を身に着ける必要があります。
就業規則をあまり読んだことがない経営者の方には10回程度読むことをお勧めします。それぐらい読むと流石に、この場合はどうなるのか、この規定は本当に大丈夫かなどの疑問がわいてきます。

それを社労士や弁護士に質問することで、だんだんと労務管理の仕方がわかるようになります。

そんなの面倒くさい

就業規則を読む必要があることも、それを身に着ける必要があることもわかってはいるが、時間的余裕がないし面倒くさい。その面倒くささを回避するために社労士や弁護士に顧問料を支払っているのだから、問題が発生しないように普段から色々なアドバイスをしてもらえるのかと思っていた、などと甘えたことを言う経営者も多いです。

こういう経営者は、経営者としてすべき業務をアウトソーシングしても平気な人であり、一番大事な経営判断を他人任せにする人です。従業員との労働契約書も作りませんし、取引先との契約管理もいい加減です。ついでに言うと不勉強で自分の会社の決算書も読めない人が多いのです。

人間の行動は金太郎あめと同じです。どこを切っても一緒なのです。手を抜く人は、同じような手の抜き方を別のところでもしている人が多いのです。

就業規則は会社の労務管理の基本です。憲法みたいなもんです。憲法は経営者自身も拘束するのです。
経営者が自分で定めた就業規則に違反して、それに気が付いていないとしたら、そんな人の下で真面目に一生懸命働きますか?
まずは、就業規則を読み込むこと、これが労務管理の出発点であると確信しています。

次回は社員のモチベーションについて考えたいと思います。

PROFILE

白木智巳

白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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