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どの様な状態となれば破産なのか

支払い不能を回避するには

投稿日:2020年08月23日

更新日:2023年03月17日

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

1. 破産とは、支払い不能を言います。

破産法上の破産の要件は支払い不能です。黒字であっても、借り入れや仕入代金等について返済できなければ、破産の要件を満たすことになります。黒字倒産とは、決算書上は利益があっても実際には売掛金等を回収できず、債務の支払いができない場合を言います。資金繰り表作成の目的は、支払い不能状態を回避することにあります。

売掛金の回収時期、実際の回収可能性の有無、買掛金の支払い時期、借入金の返済時期と額を確認して、現預金がゼロとなるのがいつなのかを確認します。
また、ひと月の内、最も現預金が多い日と少ない日とその金額を把握します。そして翌月の現預金額が一番少なくなる日の現預金残高が、前月よりもどれぐらい少なくなるのかをチェックしましょう。現預金がゼロとなれば、支払いが不能となりますので、できる限りの対策を講じる必要があります。

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支払い不能回避の方法は

①借入の検討

まずは、新型コロナウィルスの影響による特別枠の借入が可能であるかどうかを調べる必要があります。
日本政策金融公庫や地方自治体等で日ごとに色々な対策や融資商品がでていますので、経済産業省や地方自治体のホームページを参照して、できるだけ早期に申し込みをしてください。
既にリスケジュールをしている会社の場合は、特別枠でも融資が困難なケースが多いですが、あきらめずに申込むことです。

②借り入れ等の支払いの延期

銀行の借入を返済できなくとも、リスケジュールを申し込めば、利息だけの返済で、元金の返済を一定期間(通常は1年ごとに更新)猶予できる可能性があります。
また消費税や社会保険料も、納付の猶予や分割弁済ができる場合があります。

③遊休資産の売却や換金

不動産などはすぐには買い手が見つかりませんし、製造業の機械など、事実上売却すると経営が成り立たない場合も多いのが実情です。
しかし、お金に余裕があるときに購入した節税目的の積み立て型の生命保険などは、すぐに解約して安い掛け捨ての保険に入り直してください。
間違っても、自殺して保険金で借金を返済しようなどとは考えないでください。

借金を苦に命を絶つなど、決してあってはなりません。命以上に大切なものなど、この世には存在しません。
 

④家賃等の減額交渉

飲食店など売り上げが全く上がらない業種で多店舗型の経営をしている会社は家賃の負担が相当きついです。
駄目元でもいいので、家賃を半額にして欲しい、しばらく猶予して欲しい等、問い合わせてください。ほとんどの家主は家賃減額の申し出を拒否する可能性が高いですが、中には減額に応じてくれる家主もおられますので、あきらめずにまずは交渉してください。 
飲食店の店舗などは居抜きで売却できる場合もあります。

現在は、新型コロナウィルスの影響で値段はかなり下がりますが、多店舗営業の飲食店などは思い切って居抜きでの売却を検討するべきです。

⑤代表者の会社に対する貸付

個人資産があれば、会社に貸し付けを行います。この時のためにやはり貯金をしておくべきですね。
個人資産がない場合、親戚や家族から借り入れる方が多いのですが、借り入れる前によくよく考えてください。
万が一、破産手続に至ってしまった場合にも、その費用は捻出しなければなりません。

散々借りた後に、さらに弁護士費用を借り入れようとして断られる可能性があることを考えると、親戚や家族からの借入は最後の手段として決断されるべきです。

また、カードで切手などを買って換金したり、サラ金やキャッシングを利用したりする方もいらっしゃいますが、絶対にやめてください。
経営者が精神的に追い詰められる最たる例は、支払手形による不渡り回避のために、闇金やシステム金融から借り入れを行い、手形のジャンプを繰り返すことです。
(なお緊急事態宣言下では、不渡りによる銀行取引停止処分は行われないとの報道がありましたので、ご留意ください。)

中には、携帯電話を何台も購入させて送付させ、受領後に金を貸すと騙す詐欺師も多いです。
送付した携帯電話は、オレオレ詐欺の道具になります。携帯電話を購入して送付するように言われても決して送ってはいけません。
100%お金は借入できません。

サラ金や、キャッシング、闇金やシステム金融を利用し始めると、ほぼ確実に末期症状といえます。

資金繰りのための奔走が長引くと、精神疾患に陥る人も少なくありません。
思い詰めた結果、自殺を考える方もおられます。
一人で抱え込むことはやめ、速やかに資格を有する弁護士に相談してください。

⑥従業員の解雇

事業縮小で余った人員は、解雇もやむを得ません。
休業補償を行って国から助成金を受ける方法もありますが、手続が複雑で時間がかかりますので、当座の資金に余裕のある会社しか事実上利用できない状況です。
従業員を解雇して、失業保険を受けて頂くという選択肢も考慮しなければならない状況かもしれません。

解雇は最後の手段です。しかし会社が潰れてしまえば,社員全員が失職します。

 

⑦専門家への相談

どの様な方法を講じても、3か月程度しか現預金が持たない場合は、速やかに弁護士に相談してください。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 税務処理、確定申告 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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このコラムの著者 : 白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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