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長期にわたる現場の原価管理

原価管理をして最終利益まで予想

投稿日:2020年10月18日

更新日:2023年01月06日

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この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

ネットで「建設業 利益の出し方」を検索すると、どのサイトでも同じようなことが書いてあります。

建設業の利益は「完成工事高-工事原価」ですから、完成工事高を上げるか工事原価を下げるしか方法はありません。とてもシンプルなことですが、工事原価を下げることがいかに難しいかは、建設業に携わる皆さんはご承知の通りでしょう。逆にそれが出来れば利益は出るのです。出来なければ、ず~っと利益が出ない工事を続けなければいけません。さあ、どうします?

キャッシュを増やすヒケツサイトでも、建設業の完成工事高を上げるために、適正な見積りをする方法をお伝えしてきました。

その見積りで本当に利益が出ていますか?
https://www.smc-g.co.jp/topic/ct02/estimate_profit_relationship

併せて工事原価で一番大きくなる外注費を減らす方法もご覧くださいね。

工期と人員をうまく調整して外注費を削減
https://www.smc-g.co.jp/topic/ct07/adjustment_outsourcing_reduction

工事原価を下げるということは、取引先に材料費や外注費の値下げを要求することではありません。
下請けさんのチカラで現場は成り立っていますので、取引先は一番大切にしなくてはいけません。
外注費を減らすということは、無駄をなくし計画的に外注に委託することです。

そして長期にわたる現場では、どうしても労務費が多くなってしまうことがあります。今回はこの長期にわたる現場の労務費の管理についてお伝えしていきましょう。

通常、見積りを出すときには材料費、外注費、現場経費、労務費を実行予算として積算します。このとき社員が何名関わるのか、何日現場に入るのかを計算していますよね?(もし材料費と外注費だけで見積りを出していらっしゃるのでしたら、労務費も計上してください)

ところが利益が出ない現場では途中の原価管理がなされておらず、最後になって工期が間に合わずに外注に委託したり、空いている社員も動員したりして、終わってみたら手間がかかって利益が出なかった、というケースがよく見られます。
長期にわたる現場では、現在どのくらい原価がかかっているのかを把握しながら進めていきます。

赤字になりそうな現場は、他の工事で取り返すのではなく、その現場で早めに取り返します。

実際に使用している長期にわたる現場の「簡易工事台帳」を見てみましょう。
この現場は請負金額4,800千円に対し、実行予算3,490千円、利益目標は1,310千円(利益率27%)としました。仕入、外注、交通費等の他、社長ほか5名の労務費を予算に入れてあります。日記形式で計上していく簡易台帳ですので、事務員さんでも記載できます。

途中までは計画通り進んでいましたが、工期に間に合わず、最後に外注や他の社員にも手伝ってもらいながら、なんとか実行予算を53千円オーバーしただけで終わりました。労務費もザックリ計上しているので、実際には30%以上の利益が出ているでしょう。

一方、この簡易工事台帳をつけていなかったら、利益が出るのかどうかも分からずに外注に頼むことになってしまいます。原価管理が出来るとともに、最終利益まで予測しながら外注に委託できるという、カンタンなのに管理しやすい工事台帳です。

簡易工事台帳のダウンロードはこちら ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
簡易工事台帳(エクセル版)のダウンロード

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このコラムの著者 : 菱刈 満里子

大学卒業後、大手証券会社、文部科学省研究室秘書等を経験後SMC税理士法人に入社。 会計・税務業務に13年間携わった後、経営計画を中心とした未来経営に軸足を移す。 のべ150社以上の経営計画を作成、経営支援を行っている。

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