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「独身税」は本当に始まった? 子ども・子育て支援金制度の内容・金額・いつからかを整理

投稿日:2026年05月01日

更新日:2026年05月01日

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この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

最近、「独身税が始まった」という言い方を見かけて、不安になった方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、法令や政府公表資料で**「独身税」という正式な制度名は確認できません**。いま始まっているのは、子ども・子育て支援金制度です。これは独身の人だけに課されるものではなく、子育て世帯、高齢者、企業を含め、社会全体で子育て支援を支える仕組みとして設計されています。この記事では、制度の中身、いつから、いくら、会社実務への影響を一次情報ベースで整理します。

制度概要

正式名称は子ども・子育て支援金制度です。こども家庭庁は、この制度を「全ての世代や企業のみなさまから支援金を拠出いただき、子育て施策の拡充に充てるもの」と説明しています。使途としては、児童手当の拡充、妊婦のための支援給付、出生後休業支援給付、育児時短就業給付、こども誰でも通園制度、育児期間中の国民年金保険料免除などが示されています。

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制度のポイント

まず押さえたいのは、「独身税」という言葉は検索上の俗称であって、制度の正式名ではないことです。こども家庭庁のQ&Aでも「支援金は独身税なの?」という問いを立てたうえで、独身者だけではなく、全世代・企業を含めた社会全体で支える仕組みだと説明しています。さらに、法的には税ではなく、社会保険の仕組みの中で集める支援金として整理されています。

金額面では、被用者保険の令和8年度一律支援金率は0.23%で、本人負担はその半分です。モデル試算では、年収400万円で月384円、600万円で575円、800万円で767円、1,000万円で959円です。給与だけでなく賞与からも徴収され、育児休業中は医療保険料等と同様に免除されます。

中小企業への影響

中小企業にとっては、従業員負担だけでなく会社負担がある点が重要です。被用者保険では、本人拠出分と同額を事業主が負担します。つまり、従業員の給与明細対応だけでなく、法定福利費の見込みにも影響します。加えて、従業員から「なぜ独身者も払うのか」「なぜ税ではなく社会保険なのか」といった質問が出やすく、説明コストも発生します。

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経営者がやるべき対応

会社としてまずやるべきことは、給与計算ソフト・社保料設定・賞与計算の確認です。次に、従業員への説明文を用意し、「正式名称は子ども・子育て支援金制度」「独身者だけの負担ではない」「会社負担もある」「5月給与から影響が出る可能性がある」と整理して伝えると、混乱を減らしやすくなります。国保加入の個人事業主は、自治体の通知時期や条例によって金額が変わるため、自治体通知の確認が必要です。

具体事例

たとえば、年収600万円の会社員が協会けんぽ等の被用者保険に加入している場合、令和8年度のモデル試算では本人負担は月575円です。同額を会社も負担するため、会社側では1人あたり月575円の法定福利費増加要因になります。従業員30人なら、単純計算で会社負担は月約1万7,250円のイメージです。実際の金額は標準報酬月額や加入保険で変わるため、個別計算は必要ですが、予算化の考え方としてはこの見方が役立ちます。

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まとめ

「独身税」という言葉だけを見ると、独身者だけに新しい税金が課されたように感じます。しかし、一次情報を確認すると、実際に始まっているのは子ども・子育て支援金制度であり、税ではなく社会保険の仕組みを使って、全世代・企業が拠出する制度です。中小企業では、従業員への説明、給与・賞与計算、会社負担の予算反映が実務ポイントになります。名称に引っ張られず、正式制度名と負担の仕組みを押さえて対応することが大切です。

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よくあるご質問

子ども・子育て支援金制度は独身の人だけが払うのですか。

いいえ。こども家庭庁は、独身者だけではなく、高齢者、子育て世帯、企業を含め、社会全体で支える制度だと説明しています。

会社員の負担はいくらぐらい増えるのですか。

令和8年度のモデル試算では、年収400万円で月384円、600万円で575円、800万円で767円、1,000万円で959円です。実際には標準報酬や加入保険で変わります。

会社も負担しますか。

被用者保険では、本人負担と同額を事業主が負担します。国保・後期高齢者医療制度は被保険者のみ負担です。

いつから影響が出ますか。

被用者保険では令和8年4月保険料分からで、5月給与天引きから影響が出ます。

ボーナスからも徴収されますか。

はい。こども家庭庁Q&Aでは、給与だけでなくボーナスからも拠出すると案内されています。

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このコラムの著者 : 山口剛志

創業30年。私は、中小企業経営者の未来を守る企業側社労士です。
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