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起業資金の目安はいくら?費用の平均や具体的な起業資金の集め方をわかりやすく解説!

いくら?どう集める?企業の資金どうする?

投稿日:2023年06月09日

更新日:2023年06月19日

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この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

起業を考えている人の中には、「起業資金がいくら必要かわからない」、「起業資金の目安や集め方を知りたい」と起業資金に関する悩みや不安を持っている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、起業資金の目安や必要な起業資金を知る方法を解説します。起業資金の具体的な集め方についてもわかりやすく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

起業資金の目安

実際に起業する人は、いくらの資金を元手に事業を始めているのでしょうか?日本政策金融公庫「2022年度新規開業実態調査」によると、過去5年間における開業費用の分布は以下のとおりです。

500万円未満 500~1000万円未満 1000~2000万円未満 2000万円以上 平均値 中央値
2018年 37.4% 31.0% 19.5% 12.1% 1062万円 600万円
2019年 40% 27.8% 20.6% 11.5% 1055万円 600万円
2020年 43.7% 27.3% 18.2% 10.8% 989万円 560万円
2021年 42.1% 30.2% 17.8% 9.9% 941万円 580万円
2022年 43.1% 28.5% 18.0% 10.5% 1077万円 550万円

2022年においては43.1%の人が資金500万円以内で起業しています。一方で、2000万円以上の資金を用意して起業した人の割合は10.5%と少ないです。

また、起業資金は減少傾向にあります。2017年における起業資金の中央値は600万円でしたが、2022年は550万円です。

ただし、飲食業などは設備費や家賃などで起業資金が高額になります。業種によって必要な起業資金に差があることも覚えておきましょう。

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資金なしの起業も可能?

起業を検討している人の中には、資金なしで起業したいと思っている人もいるのではないでしょうか?実際、資金なしでも、起業は可能です。

日本政策金融公庫「2022年度起業と起業意識に関する調査」では、起業家の28.5%が起業に費用はかからなかったと回答しています。4人に1人以上が資金なしで起業している計算です。

業種にもよりますが、資金なしでの起業も十分可能でしょう。

必要な起業資金を知る方法

起業は、事前にかかる費用を想定しておくことが重要です。必要な起業資金を知る方法を紹介します。

資金計画を立てる

必要な起業資金を知るためには「資金計画」を立てましょう。資金計画は、起業に際して必要となる資金を事前に書き出す方法です。

美容業で起業する際の資金計画の例は以下のとおりとなります。

資金の種類 必要となる資金 金額
設備資金 物件取得費用(前家賃など) 100万円
店舗の内外装工事 500万円
シャンプー台 50万円
スタイリングチェア 30万円
10万円
そのほか美容器具 10万円
運転資金 材料費 50万円
人件費 100万円
広告費 50万円
合計金額 900万円

美容業は店舗や設備が必要となるため、起業資金は高額になる場合が多いです。一方で、インターネットサービス事業などの店舗を必要としない事業は起業資金が少ない傾向にあります。

上記のような資金計画を立てることで、より具体的に必要な起業資金の把握が可能です。起業資金を把握したい人は、ぜひ資金計画の作成を検討してみてください。

税理士などの専門家に相談する

税理士などの専門家への相談も、起業資金を知るために有効な手段です。税理士などの専門家はさまざまな起業家の資金調達や起業時の手続きをサポートしています。そのため、業種ごとの起業資金の相場や実態に詳しいです。

確実に起業資金を把握したい人や起業のサポートを受けたい人は、ぜひ税理士などの専門家へ相談してみてください。

資金調達とは?3つの方法のメリット・デメリットと注意点を解説!

起業資金の集め方

必要な起業資金を把握したら、次にやるべきことは資金の調達です。では、どのようして起業資金を集めればいいのでしょうか?起業資金の具体的な集め方を紹介します。

融資

融資は、お金を借り入れて資金を集める方法です。融資で借りた資金は返済しなければなりません。また、金融機関などから資金を借り入れた場合は元本に加えて利子の返済も必要です。

日本政策金融公庫「2022年度新規開業実態調査」によると、開業時の資金調達額のうち「金融機関等からの借入」が平均調達額の69.2%を占めています。融資による資金調達は、起業家にとってもっとも一般的な調達方法と言えるでしょう。

日本政策金融公庫からの融資

融資による資金調達でまず検討したいのが、「日本政策金融公庫からの融資」です。日本政策金融公庫は国が100%株式を保有していて、国の中小企業・小規模事業者政策に基づき事業を行っています。そのため、起業家の支援に積極的です。

一般的な金融機関の融資よりも金利が低く返済期間が長くなっています。新創業融資制度(無担保・無保証人)の基準金利は年利2.23~3.20%(2023年4月3日時点)です。

起業相談もできるため、融資による資金調達を考えている人は、まず日本政策金融公庫の融資を検討してみてください。

銀行からの融資

民間の銀行から融資を受ける資金調達方法です。銀行からの融資は「プロパー融資」と「信用保証協会付融資」の2種類があります。

プロパー融資は、銀行から直接資金の借入をおこなう方法です。銀行は貸したお金が返済されなかった際にリスクを直接負うため、審査基準が厳しくなっています。実績のない起業家が銀行からのプロパー融資を受けるのは一般的に難しいでしょう。

一方で、信用保証協会付融資を使えば借入をおこなえる可能性が高くなります。信用保証協会付融資は、各信用保証協会が保証人となって銀行から融資を受ける方法です。尚、信用保証協会とは信用保証協会法に基づいて中小企業や小規模事業者の円滑な資金調達を支援することを目的に設立された公的機関です。

起業家が資金を返済できなかった場合、返済額の80~100%を信用保証協会が保証します。そのため、銀行が負うリスクはプロパー融資と比べて少ないです。

信用保証協会付融資を受けるには、銀行への利子の支払いに加えて信用保証協会に保証料を支払います。地域によっては保証料を補助してくれる地域もあるので、ぜひ確認してみてください。

出資

出資は、株式を投資家に交付して資金を調達する方法です。借入と違って、調達した資金は返済義務がありません。

投資家は、出資した企業の株価上昇によるリターンを期待します。出資した企業が上場した際の株価の値上がりを狙う投資家が多いです。

出資による資金調達は難易度が高いですが、成功すれば多額の資金を調達できることも多くあります。出資による資金調達の具体的な種類を解説します。

ベンチャーキャピタルからの出資

ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業への出資を目的とする会社です。ベンチャーキャピタルから将来上場する可能性が高いと評価されれば、数十億円の出資を受けられる場合もあります。

また、出資を受けるとベンチャーキャピタル社内の経営コンサルタントからアドバイスを受けられる場合が多いです。

出資を受ける難易度は高いですが、自社の事業に自信がある人はぜひベンチャーキャピタルからの出資を検討してみてください。

エンジェル投資家からの出資

エンジェル投資家は、個人で企業に出資する投資家です。一般的に、ベンチャーキャピタルより出資額は少額になります。一方で、個人で出資するため検討から出資実行までの意思決定が速いことが特徴です。

すでにエンジェル投資家とつながりを持っている人や自社の事業を売り込む自信がある人は、ぜひエンジェル投資家からの出資を検討してみてください。

クラウドファンディング

最近はクラウドファンディングでの資金調達も増えています。クラウドファンディングとは、インターネットを通して不特定多数の人から資金を調達する方法です。

寄付型や購入型、融資型、株式投資型などのさまざまな形態があります。寄付型や購入型のクラウドファンディングを利用すれば、支援者に対して金銭的な見返りは不要です。

ただし、近年はクラウドファンディングを利用する人が増えています。そのため、多くの共感を集める事業や知名度の高い人など以外がクラウドファンディングで資金を集めることは難易度が高いでしょう。

補助金・助成金

支援金や補助金制度の利用も、資金調達方法の一つです。支援金や補助金は、一般的に返済の必要がありません。ただし、支払いが起きた後に入金されるため、事前に資金を受け取れるわけではないことに注意しましょう。

「小規模事業者持続化補助金」や「IT導入補助金」などのさまざまな補助金があるので、自社で利用できるものがないか確認してみてください。

自己資金

起業資金は周りから調達するだけでなく、自己資金を使うことも考えましょう。日本政策金融公庫「2022年度新規開業実態調査」によると、開業時の資金調達額のうち「自己資金」が平均調達額の21.3%を占めます。

また、融資を受ける際にも自己資金がいくらあるかを確認されることが多いです。用意が可能な人は、ぜひ自己資金も起業資金として利用しましょう。

資金調達を成功させるためのポイント

資金調達を成功させるポイントは、事業計画書を作り込むことです。融資や出資を受けるほとんどの場合、事業計画書を提出します。

競合他社や自社分析、必要資金、収支計画などが詳細に書かれている綿密な事業計画書と分析が甘い事業計画書では、前者の方が資金調達の成功率は高いでしょう。

ただし、完成度の高い事業計画書を一人で作成するのは大変です。そのため、事業計画書の作成は、税理士などのプロに相談してみてください。

税理士はさまざまな起業家の事業計画書作成支援をおこなっているため、実体験を基にした的確なアドバイスが可能です。

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個人事業主の起業資金の集め方

個人事業主の起業資金の集め方は、基本的に会社を起業する場合と同じです。

ただし、個人事業主は株式を発行できないため「出資」による資金調達はできません。そのため、融資や補助金、クラウドファンディングなどでの資金調達を検討してみてください。

まとめ

必要な起業資金は事業種類などによって大きく異なります。そのため、自社に必要な金額の正確な把握が必要です。また、資金調達はさまざまな方法から自社に適したものを選ばなくてはなりません。

これらをすべて一人でやるのは困難です。そのため、ぜひ税理士などの専門家に起業に関する相談をしてみてください。

税理士はさまざまな起業家の支援をしているので、実体験を基に的確なアドバイスが可能です。また、事業計画書の策定支援もおこなっています。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 資金繰り をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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このコラムの著者 : 小川弘郎

中小企業診断士 金融機関OB 20年勤務した金融機関在籍時には融資担当や企業改善支援担当を歴任、融資現場における多数の経営支援や事業再生の実践経験を持つ。会計業界に転身後は経営計画に基づく経営サポートを行っている。経営戦略、経営管理、資金繰りが専門。

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