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企業型確定拠出年金の2026年法改正|マッチング拠出・限度額の変更点を解説

投稿日:2026年04月16日

更新日:2026年04月30日

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この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

2025年6月に成立した年金制度改正法により、企業型確定拠出年金(企業型DC)を含む確定拠出年金制度全体の改正が予定されています。この改正には、従業員の資産形成を後押しする重要な変更点が含まれています。特に、2026年4月から実施されるマッチング拠出の規制緩和と、2026年12月から施行が見込まれる拠出限度額の引き上げは、加入者にとって大きなメリットをもたらします。本記事では、この法改正の具体的な内容と、加入者が享受できるメリットについて詳しく解説します。

2026年に施行される企業型確定拠出年金(企業型DC)の主な法改正ポイント

2025年6月に成立した年金制度改正法に基づき、企業型DCに関する制度変更が予定されています。主な変更点として、マッチング拠出における従業員掛金の上限撤廃(2026年4月施行予定)、企業型DCの拠出限度額の引き上げ(2027年1月施行予定)、そしてiDeCoに加入できる年齢の拡大(2027年1月施行予定)が挙げられます。これらの改正は、従業員がより柔軟かつ積極的に老後資金を準備できるよう、制度の自由度を高めることを目的としています。

【2026年4月施行】マッチング拠出における従業員掛金の上限が撤廃

2026年4月からは、マッチング拠出における大きな制約がなくなります。
これまで、従業員が任意で上乗せする掛金は、会社が拠出する事業主掛金の額を超えてはならないという上限がありました。
この改正により、「従業員掛金≦事業主掛金」というルールが撤廃されます。

その結果、事業主掛金の金額にかかわらず、従業員は企業型DCの制度全体の拠出限度額から事業主掛金を差し引いた金額まで、自身の判断で掛金を拠出できるようになります。

【2026年12月施行】企業型DCの拠出限度額が月額6.2万円へ引き上げ

2026年12月からは、企業型DCの拠出限度額そのものが引き上げられる予定です。
現在、他の企業年金に加入していない場合の限度額は月額5.5万円ですが、これが月額6.2万円に増額されます。
この引き上げにより、非課税で積立・運用できる枠が年間で最大8.4万円追加されることになります。

老後資金をさらに手厚く準備したい加入者にとって、税制上のメリットをより大きく活用できる機会となります。
ただし、確定給付企業年金(DB)などを併用している場合は上限額が異なるため、注意が必要です。

【2026年12月施行】iDeCoに加入できる年齢が70歳未満へ拡大

iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できる年齢の上限は、2027年1月から「70歳未満」へと拡大される予定です。これは、原則65歳未満だった加入可能年齢が変更されるものです。 この改正は、企業型DC加入者でiDeCoを任意で併用している方にも影響します。

65歳以降も働く人が増える中、より長く資産形成を続けられる環境が整います。 なお、公務員や私学共済加入者のiDeCo加入可能年齢に関する具体的な変更情報は確認されていませんが、2024年12月1日には企業型DCの規約に定めることで、原則70歳未満まで加入できるよう変更されています。

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【2026年4月改正】マッチング拠出の規制緩和で従業員のメリットが拡大

2026年4月から施行されるマッチング拠出の規制緩和は、特に事業主掛金が比較的少額である企業の従業員にとって、大きな恩恵をもたらします。
これまでの制度では、自身の掛金を増やしたくても会社の掛金額に縛られていましたが、この見直しによって拠出の自由度が格段に向上します。
従業員は自らのライフプランや家計状況に合わせて、より積極的に非課税の積立投資枠を活用できるようになります。

これまでの制度:従業員の掛金は事業主の掛金額を超えられなかった

2026年3月までの制度では、マッチング拠出を利用する従業員の掛金には2つの制約がありました。
1つ目は「従業員の掛金が事業主の掛金額を超えないこと」、2つ目は「事業主と従業員の掛金の合計が、法律で定められた拠出限度額(月額5.5万円など)の範囲内であること」です。
このため、例えば事業主の掛金が月額5,000円の場合、従業員は最大でも5,000円までしか上乗せできず、非課税メリットを十分に活用できないケースがありました。

この点は、2022年の法改正で企業型DCとiDeCoの併用要件が緩和された際にも課題として残っていました。

改正後の制度:事業主の掛金額を問わず上限まで拠出可能に

2026年4月以降は、「従業員掛金≦事業主掛金」という制約が撤廃されます。
これにより、事業主の掛金額がいくらであっても、従業員は「拠出限度額(月額5.5万円など)-事業主掛金額」まで自由に掛金を設定できるようになります。
例えば、事業主掛金が月額3,000円の場合でも、従業員は最大で月額5万2,000円まで拠出可能です。

これにより、会社の掛金が少額であることを理由に、老後資金準備の機会が制限されることがなくなり、従業員自身の意欲に応じて非課税の恩恵を最大限に受けられるようになります。

【2026年12月改正】拠出限度額の引き上げで非課税メリットがさらにアップ

2026年12月1日に施行される国民年金基金令等の一部を改正する政令により、確定拠出年金全体の拠出限度額が引き上げられます。これにより、個人の資産形成をさらに加速させることが期待されます。月々の積立上限額が増えることで、掛金の全額所得控除や運用益非課税といった確定拠出年金ならではの税制メリットを、より大きな金額で享受できるようになります。これにより、将来に向けた資産形成のペースを上げることが可能となり、個々人の老後資金計画に合わせた柔軟な対応がしやすくなります。

非課税で積み立てられる投資枠が年間最大8.4万円増加

2026年12月拠出分より適用される予定の拠出限度額の引き上げは、個人の資産形成をさらに加速させる制度改正です。月々の積立上限額が底上げされることで、掛金の全額所得控除や運用益非課税といったメリットを、これまで以上の金額で享受できるようになります。確定拠出年金制度全体の拠出限度額は、2027年1月の引き落とし分(2026年12月拠出分)から適用される予定です。企業型DC(他の年金制度に加入していない場合)の拠出限度額は、月額5.5万円から6.2万円へと増額される見込みです。これにより、年間で最大8.4万円多く掛金を拠出できるようになり、非課税で運用できる資産の幅が大きく広がります。

他の年金制度に加入している場合の拠出限度額も要チェック

注意点として、拠出限度額は加入している他の年金制度によって異なる点が挙げられます。 例えば、確定給付企業年金(DB)にも加入している場合、企業型DCの拠出限度額は2024年12月の改正で月額5.5万円に引き上げられる予定です。また、iDeCoの拠出限度額も1.2万円から2.0万円に変更される予定です。 これらの改正は既に決定されており、具体的な金額も公表されています。 自身の正確な拠出限度額を把握するためには、勤務先が導入している年金制度の種類を確認し、改正後の上限額がいくらになるのかをチェックすることが重要です。

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法改正のメリットを活かすために加入者が検討すべきこと

今回の法改正は、加入者にとって有利な選択肢を増やすものですが、そのメリットを享受するためには、制度が自動的に変更されるのを待つだけでは不十分です。
掛金の増額などは、あくまで加入者自身の任意の手続きによって行われます。
法改正の恩恵を最大限に活かすためには、自身の加入状況を正確に把握し、ライフプランと照らし合わせながら、今後の資産形成について主体的に検討することが求められます。

勤務先の企業型DCの規約や現在の掛金状況を再確認する

まずは、自身の置かれている状況を正確に把握することが第一歩です。
勤務先の企業型DC制度において、そもそもマッチング拠出が導入されているかを確認する必要があります。
その上で、現在の事業主掛金がいくらで、自身がいくら上乗せしているのかを再確認します。

これらの情報は、運営管理機関が提供している加入者専用サイトや、定期的に送られてくる残高報告書で確認できます。
現状を把握することが、適切な掛金の見直しにつながります。

自身のライフプランに基づき掛金の増額を検討する

拠出できる上限額が増えるからといって、必ずしも上限まで掛金を設定する必要はありません。
重要なのは、自身のライフプランや現在の家計収支とのバランスです。
教育資金や住宅購入資金など、他のライフイベントに必要な資金も考慮しながら、無理のない範囲で掛金の増額を検討しましょう。

将来の目標から逆算して、毎月いくら追加で積み立てるのが適切かを判断することが大切です。
掛金の変更手続きは、勤務先の担当部署を通じて行うのが一般的なので、手続きの時期や方法についても事前に確認しておくとスムーズです。

企業型確定拠出年金の改正に関するよくある質問

年金制度改正法により、企業型確定拠出年金(DC)に関連する制度変更が予定されており、これらは加入者の資産形成に影響を与える可能性があります。iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢と拠出限度額の引き上げは2026年12月1日に施行される見込みです。また、企業型DCにおける加入者掛金(マッチング拠出)の事業主掛金額を超えないとする要件の廃止は2026年4月1日の施行が予定されています。DCの拠出限度額の引き上げは2027年1月の控除分から反映される予定です。

これらの変更に関して、具体的な手続きや他の制度との関係性について疑問が生じるかもしれません。ここでは、関連する法改正に関して加入者から寄せられやすい質問とその回答をまとめました。今後の資産計画を立てる際の参考にしてください。

Q. 今回の法改正に伴い、すでに加入している場合に必須の手続きはありますか?

いいえ、必須の手続きは特にありません。
今回の法改正による掛金の増額などは、加入者の任意です。現在の掛金額のままで継続することも可能ですが、一部の加入者には手続きが必要となる場合があります。

2024年12月のiDeCo法改正により、確定給付企業年金などの他制度に加入している方のiDeCo掛金の拠出限度額が引き上げられ、掛金の拠出方法が「毎月定額」のみに変更されました。この変更に伴い、国民年金基金連合会から勧奨通知が発送されており、期日までに手続きを行わないと掛金の引き落としが一時停止される場合があるため、ご自身の状況をご確認ください。

もし、改正を機に掛金を増やしたい場合は、勤務先の規約に従い、所定の変更手続きを行う必要があります。

Q. マッチング拠出とiDeCoの併用では、どちらを優先すべきですか?

一般的には、手数料の面でマッチング拠出を優先する方が合理的です。
マッチング拠出は勤務先の制度内で完結するため、個人で追加の口座管理手数料を負担する必要がない場合がほとんどです。
一方、iDeCoは別途、金融機関に口座管理手数料を支払う必要があります。

まずは手数料の有利なマッチング拠出で上限まで拠出することを検討するのがよいでしょう。

Q. 勤務先の掛金額や自身の拠出状況を確認する方法を教えてください。

勤務先から指定されている運営管理機関(信託銀行、証券会社など)の加入者専用ウェブサイトで確認するのが最も手軽です。
IDやパスワードが不明な場合は、勤務先の福利厚生担当部署に問い合わせてください。
また、年に1〜2回郵送される「残高のお知らせ」や「お取引状況のお知らせ」といった書類にも、事業主と個人の掛金額が明記されています。

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まとめ

2026年の法改正は、2025年6月に成立した年金制度改正法に基づくもので、特にマッチング拠出の上限撤廃と拠出限度額の引き上げが大きな柱です。
これにより、従業員は会社の掛金額に左右されることなく、非課税メリットを最大限に活用して老後資金を準備できるようになります。

年金制度は、今後3年以内にも社会経済情勢の変化に応じた見直しが検討される可能性があります。
今回の改正内容を正しく理解し、自身のライフプランに合った資産形成を着実に進めることが重要です。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 確定拠出年金導入 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問

2026年の改正で、結局何が一番「お得」になるの?

「マッチング拠出(自分の上乗せ)」の自由度が爆上がりします。 これまでは「会社の掛金と同じ額まで」しか出せませんでしたが、2026年4月からは会社の額に関係なく、上限枠(月5.5万円など)いっぱいまで自分の意志で出せるようになります。

会社の掛金が月3,000円と少額ですが、自分はいくらまで出せる?

2026年4月からは、上限5.5万円から会社の3,000円を引いた「5.2万円」まで自分一人で上乗せ可能になります。今までは会社に合わせて3,000円が限界だった人も、一気に節税&積み立てを加速できるようになります。

枠が増えたら、自分の掛金は自動的に増額されるの?

いいえ、自動では増えません。 法改正で「枠」は広がりますが、実際に拠出額を増やすには、お勤め先の担当部署を通じて自分自身で変更手続きを行う必要があります。放置すると今の金額のままなので注意しましょう。

60歳を過ぎてもiDeCoや企業型DCで積み立てを続けられる?

はい、70歳未満まで可能になります。 2027年1月からはiDeCoの加入可能年齢が「70歳未満」に拡大されるため、長く働き続ける人ほど、非課税運用の恩恵をより長く受けられるようになります。

法改正を待たずに、今すぐできる準備はある?

まずは「自分の今の掛金額」と「会社の規約」を確認しておきましょう。運営管理機関の専用サイトにログインし、マッチング拠出が導入されているか、今の自分の枠にどれだけ余裕があるかを把握しておけば、改正と同時にスムーズに増額できます。

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このコラムの著者 : 宍戸沙綾

株式会社SMC総研:株式会社日本企業型確定拠出年金センター 企業型DC導入支援グループ
AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/DCプランナー2級 
前職で税理士法人グループの保険代理店に所属し、税務の観点から企業にとっての最適な金融商品の提案を実施。その経験を活かし、現在は企業型確定拠出年金の導入を多数支援。提携先の税理士事務所や大手保険会社との共催セミナーの主催や社内勉強会を実施。経営者の想いに寄り添い、「経営者と従業員の資産最大化」をサポートしている。

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