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【2026年(令和8年)版】年末調整の変更点とは?2026年度税制改正と中小企業の実務対応

投稿日:2026年06月03日

更新日:2026年06月03日

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2026年の年末調整では、2026年度税制改正による所得税の見直しに注意が必要です。国税庁は、基礎控除の引き上げ、給与所得控除の最低保障額の引き上げ、扶養親族等の所得要件の改正が行われたと公表しています。

これらは原則として2026年12月1日に施行され、2026年分以後の所得税に適用されます。

中小企業の経理担当者にとって重要なのは、「控除額が変わった」という制度説明だけでなく、従業員から回収する申告書、扶養親族の所得確認、給与計算ソフトの設定、年末調整計算への反映を漏れなく行うことです。この記事では、2026年の年末調整で押さえるべき変更点と実務対応を整理します。

制度概要

年末調整とは、会社が毎月の給与から差し引いた所得税と、1年間の正しい所得税額との差額を精算する手続きです。

2026年度税制改正では、物価上昇への対応などを背景に、所得税の基礎控除や給与所得控除の最低保障額が見直されました。

財務省の大綱では、基礎控除について、合計所得金額2,350万円以下の個人の控除額を4万円引き上げ、62万円とする内容が示されています。また、給与所得控除の最低保障額は65万円から69万円へ引き上げるとされています。

ただし、実務上は「毎月の給与計算がすぐ変わる」と考えると誤りです。国税庁は、2026年11月までの源泉徴収事務に変更は生じず、2026年12月の年末調整など、2026年12月以後の源泉徴収事務に変更が生じると案内しています。

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制度のポイント

2026年の年末調整で特に押さえたいポイントは、次の3つです。

1つ目は、基礎控除の見直しです。基礎控除は、所得税を計算する際に多くの納税者が所得から差し引ける控除です。2026年度改正では、一定の所得以下の人について控除額が見直されます。

2つ目は、給与所得控除の最低保障額の見直しです。給与所得控除とは、会社員や役員など給与を受け取る人に認められる、いわば概算経費のような控除です。最低保障額が引き上げられることで、給与収入が一定額までの従業員の所得税計算に影響します。

3つ目は、扶養親族等の所得要件の変更です。財務省の大綱では、同一生計配偶者や扶養親族の合計所得金額要件を62万円以下に引き上げる内容が示されています。そのため、これまで扶養に入らないと思っていた家族が、改正後は扶養判定に影響する可能性があります。

中小企業への影響

中小企業では、年末調整を少人数の経理担当者が担当していることも多く、制度変更の確認漏れが実務ミスにつながりやすくなります。

特に注意したいのは、従業員から提出される扶養控除等申告書や基礎控除申告書の確認です。控除額や所得要件が変わると、従業員本人だけでなく、配偶者、子ども、親などの所得見込みを確認する場面が増えます。

また、給与計算ソフトを使っている会社でも、ソフトのアップデートだけに任せきりにしないことが重要です。最新の税制改正に対応したバージョンになっているか、年末調整計算に新しい控除額が反映されているかを確認しましょう。

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実務対応

経営者・経理担当者が行うべき対応は、まず社内スケジュールの見直しです。2026年12月の年末調整に向けて、秋頃から従業員へ案内し、家族の収入見込みや扶養状況を早めに確認できる体制を整えます。

次に、従業員向けの説明資料を更新します。「基礎控除が変わる」「給与所得控除が変わる」といった専門用語だけでは伝わりにくいため、「扶養に入れるかどうかの所得基準が変わる可能性がある」「家族の収入見込みを早めに確認してほしい」といった実務的な表現にするとよいでしょう。

さらに、国税庁の追加情報も確認が必要です。国税庁は、2026年度税制改正に関するQ&Aを2026年5月下旬に掲載予定としています。そのため、記事公開後も、Q&Aや年末調整関係書類の正式様式が出た段階で再確認することが望まれます。

個別の扶養判定や控除適用は、家族構成、所得の種類、副業収入、年の途中の就職・退職などにより異なります。判断に迷う場合は、税理士等の専門家に確認してください。

具体事例

たとえば、従業員Aさんに大学生の子どもがいて、アルバイト収入があるケースを考えます。

これまでの基準では扶養に入らない可能性があると思っていた場合でも、所得要件の見直しにより、改正後は判定結果が変わる可能性があります。ただし、扶養判定では「収入」ではなく、給与所得控除などを差し引いた後の「所得」で判断する点に注意が必要です。

会社側としては、従業員に「家族の年収見込み」だけでなく、「給与収入なのか、事業収入や雑所得があるのか」も確認してもらう必要があります。副業やフリーランス収入がある家族の場合、単純な給与収入の目安だけでは判断できないことがあります。

このようなケースでは、従業員本人の申告内容をもとに処理しつつ、判断が難しい場合は税理士等の専門家に確認する運用が安全です。

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まとめ

2026年の年末調整では、2026年度税制改正による基礎控除、給与所得控除、扶養親族等の所得要件の見直しが重要なポイントになります。

中小企業の実務では、次の対応を早めに進めましょう。

  • 国税庁の最新情報を確認する
  • 従業員向けの年末調整案内を更新する
  • 扶養親族・配偶者の所得見込みを早めに確認する
  • 給与計算ソフトの改正対応状況を確認する
  • 判断が難しいケースは税理士等に相談する

年末調整は毎年行う手続きですが、税制改正がある年は確認項目が増えます。特に2026年は、控除額や扶養判定に関わる改正があるため、早めの準備がミス防止につながります。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 帳簿・決算書作成 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問

2026年の年末調整では何が変わりますか?

主な変更点は、基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件の見直しです。2026年12月の年末調整から実務対応が必要になります。

2026年の毎月の源泉徴収税額はすぐ変わりますか?

国税庁は、2026年11月までの源泉徴収事務には変更がないと案内しています。2026年12月の年末調整など、2026年12月以後の源泉徴収事務に変更が生じます。

扶養に入れるかどうかの基準も変わりますか?

はい。財務省の大綱では、同一生計配偶者や扶養親族の合計所得金額要件を62万円以下に引き上げる内容が示されています。扶養判定に影響する可能性があるため、従業員の家族の所得見込みを確認する必要があります。

経理担当者はまず何をすればよいですか?

まず、国税庁の最新情報を確認し、給与計算ソフトの更新状況、従業員向け案内文、申告書回収スケジュールを見直しましょう。特に扶養親族や配偶者の所得見込み確認を早めに進めることが重要です。

従業員からの質問にはどう答えるべきですか?

一般的な制度説明は可能ですが、個別の扶養判定や税額判断は家族構成や所得状況で変わるため、必要に応じて税理士等に確認する案内が適切です。

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このコラムの著者 : 長縄 龍哉

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