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無申告加算税とは?具体的な税率と課税が免除される場合を紹介!

無申告加算税とは?具体的な税率と課税が免除される場合を紹介!

投稿日:2023年01月19日

更新日:2023年05月23日

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確定申告は原則、2月16日から3月15日が申告期間です。万が一、期限内に確定申告が間に合わなかった場合はどうなるのでしょうか?本記事では、確定申告を期限内に終えられない場合に発生する無申告加算税について解説します。期限内に申告するための対策方法や、納税が難しい場合の対応も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

無申告加算税とは?

所得税の確定申告や贈与税の申告は、原則3月15日が期限です。期限内での申告を忘れた場合は、本来納めるべき税金に加えてペナルティーとして無申告加算税が課されます。

税務署が銀行口座の入出金や取引先の支払調書などを確認し、確定申告すべき人の無申告が判明した場合や、期限をすぎて自分で申告した場合も対象です。

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無申告加算税はいくら?

申告期限を過ぎてしまった場合、無申告加算税はいくら課されるのでしょうか?無申告加算税の税率は以下の通りです。

条件 本来納付すべき税額 加算税率
税務調査後に申告した場合 50万円まで 15%
50万円を超える部分 20%
税務調査通知後~税務調査通知前に申告した場合 50万円まで 10%
50万円を超える部分 15%
税務調査通知前に自主的に申告した場合 額にかかわらず 5%

上図の通り、税務調査の通知前に自主申告した場合と税務調査の通知後に申告した場合、実際に税務調査を受けた後に申告した場合で課される税率は異なります。また、帳簿の改ざんや取引事実の隠ぺいなどで故意に所得を少なくして申告した場合は、40%の重加算税が課されます。

本来納付すべき60万円の所得税の申告ができておらず、税務調査後に申告した場合の無申告加算税の計算は以下の通りです。

50万円×15%+(60万円―50万円)×20%=9万5,000円

本来納付すべき60万円と合わせて69万5,000円の納税が必要です。また、青色申告の特別控除の適用はできません。青色申告で適用できる最大65万円の控除は10万円に減額となります。

無申告加算税がかからない、免除される場合

所得税や贈与税を申告期限後に申告した場合は原則無申告加算税が課されますが、無申告加算税の支払いが免除される場合もあります。支払いが免除される場合は以下の3つです。

  • 期限内に申告する意思があり、期限から1ヶ月以内に納税した場合
  • 無申告加算税が5,000円未満の場合
  • 正当な理由がある場合

それぞれの詳細を解説します。

期限内に申告する意思があり、期限から1ヶ月以内に申告した場合

期限内に申告する意思があったにも関わらず申告を忘れていて、法定申告期限から1ヶ月以内に申告をした場合には無申告加算税は免除されます。これを、無申告加算税の不適用と言います。

所得税と贈与税の法定申告期限は原則3月15日のため、無申告加算税の不適用を受けるためには4月15日までの申告が必要です。ただし、以下の2つの要件をいずれも満たす場合に限られます。

  1. 納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること
    ※所得税と贈与税の法定納付期限は原則3月15日
  2. 過去5年間で無申告加算税や重加算税を課されたことがなく、かつ、無申告加算税の不適用を受けていないこと

上記要件の通り、無申告加算税の不適用を受けるためには、3月15日までに納税手続き自体を完了しておく必要があります。あくまでも、申告のみを忘れていた際に適用されることに注意してください。

無申告加算税が5,000円未満の場合

無申告加算税が5,000円未満の場合は、納付は不要です。これは、国税通則法第119条に、「納付すべき無申告加算税が5,000円未満の場合は全額切り捨てる」と規定があるためです。

正当な理由がある場合

確定申告を期限内に行えない正当な理由が認められた場合には、無申告加算税が免除されます。地震や暴風、豪雨、豪雪、津波などの自然災害や申告者の重傷病などが直接的な原因で申告ができない場合が該当します。最近では、コロナに罹患した方の確定申告期限の延長が認められた例が代表的です。

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延滞税や過少申告加算税も発生する

確定申告が期限内に間に合わなかった場合、無申告加算税以外にも延滞税や過少申告加算税が課されることがあります。それぞれの概要や税率を解説します。

延滞税

税金を期限までに納付しない場合に、法定納期限の翌日から納付完了日までの日数に応じて延滞税が課されます。延滞税が課されるのは以下のような場合です。

  • 申告済みの税額を法定納期限までに納付しない場合
  • 期限後申告または修正申告をして、追加で納付しなければいけない税額がある場合
  • 税務署から申告内容の誤りや無申告を指摘され、追加で納付しなければいけない税額がある場合

延滞税の計算方法は以下の通りです。
延滞税=納付すべき本来の税額×延滞税の割合①×①に対応する期間÷365日 + 納付すべき本来の税額×延滞税の割合②×②に対応する期間÷365日

延滞税の割合は年ごとに変わります。過去の税率は以下の通りです。

延滞税の税率

期間 経過日数 税率
2021年1月1日~12月31日 ①法定納期限翌日~2か月 2.5%
②2か月目翌日~完納日 8.8%
2022年1月1日~12月31日 ①法定納期限翌日~2か月 2.4%
②2か月目翌日~完納日 8.7%
2023年1月1日~12月31日 ①法定納期限翌日~2か月 2.4%
②2か月目翌日~完納日 8.7%

なお、延滞税額が1,000円未満の場合には納付義務はありません。

過少申告加算税

確定申告した税額に誤りがあり、追加で税金を支払う場合には、過少申告加算税が課されることがあります。

過少申告加算税率は以下の通りです。

要件 新たに納める税額 税率
税務調査通知前 課税されない 課税されない
税務調査通知後~税務調査実施前 ~50万円 5%
50万円超 10%
税務調査実施後 当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額まで 10%
当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額超 15%

税務調査の通知がある前に、自分で申告誤りに気づき申告した場合には過少申告加算税は発生しません。税務調査が入り、新たに20万円の税金を納付するべきことが発覚した場合、過少申告加算税は以下のように計算します。

20万円×10%=2万円

新たに納付すべき税額20万円と合わせて22万円の納税が必要です。

無申告加算税を課されないための対策

今までは無申告加算税などのペナルティーが課される場合や、具体的な税額の計算方法を紹介しました。無申告加算税などのペナルティーが課されると、追加での支払いの発生に加え、煩雑な手続きや申請が必要です。そのため、まずは無申告加算税などのペナルティーが課されないように対策を行うことが重要となります。確実に確定申告などの税金の申告を行うための対策を紹介します。

無申告加算税を課されないための対策

こまめに経費計上を行う

確定申告では1年間の取引を申告しますが、1年間全ての取引を一度で取りまとめて集計するのは大変な作業です。確定申告の申告期間は2月16日~3月15日ですが、この期間に全ての計上や仕訳、決算書作成などの処理をしなくてはいけない決まりはありません。

できるだけ、毎月こまめに売上や経費の計上、入出金の記録を行いましょう。取引が発生してから計上までの期間を短くすれば、領収書などの必要書類の紛失防止にもつながります。

また、こまめに取引を計上すれば毎月の収支や取引状況、財務状況の確認ができます。業務の進め方や取引先、仕入先の見直しにも有効です。確定申告前に1年間の大量の領収書や請求書を仕分けるのではなく、コツコツと毎月こまめに計上や仕訳を行いましょう。

e-Taxを利用する

確定申告の期限近くになると、税務署は混み合います。本業が忙しく、税務署への長時間滞在が難しい方もいるでしょう。現在は、国税庁がe-Taxという電子申告ツールを用意しています。

マイナンバーカードなどの事前準備をしておけば、税務署に行かずにパソコンやスマホで確定申告が可能です。また、e-Taxを利用すれば税務署での紙の申請時に必要な添付書類の省略もできます。さらに青色申告特別控除額が10万円増額するため、節税が可能です。ぜひ、e-Taxを利用しての確定申告を検討してみてください。

専用ソフトを使う

最近は、確定申告専用ソフトが多く登場しています。自分で帳簿を作成するにはかなりの手間がかかりますが、専用ソフトを使うことで時間短縮が可能です。

日々の取引などをフォーマットに入力するだけで、財務諸表の作成も行ってくれます。効率よく記帳や帳簿の作成を行いたい方は、専用ソフトの利用を検討してみてください。

税理士に確定申告を依頼する

本業に集中したい方や忙しくて時間が取れない方は、確定申告や日々の税務処理、税務書類の作成の外注を検討してみてください。専門家である税理士に外注すれば、確実な税務処理や税務書類の作成が可能です。

また、税理士は節税や資金繰りなどに対して専門家の立場からアドバイスができます。税金に関するアドバイスや意見が聞きたい方なども、一度税理士に相談してみましょう。

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資金繰りの悪化により納税が難しい場合

資金繰りの悪化により期限までの納税が難しい場合、所轄の税務署に相談してください。
事業継続や生活の維持が困難であることが認められれば、猶予制度が適用されます。原則1年間税金の納付が猶予され、猶予期間中の延滞税の軽減が可能です。

猶予制度が適用されれば、令和5年の延滞税は年8.7%から年0.9%に軽減されます。また、近年は新型コロナウイルスの影響で資金繰りが厳しい事業者が多く、税務署では納税猶予審査を簡素化しています。

納税が難しい方は、一人で悩まずに税務署へ相談してみてください。また、税理士も資金繰りや税金へのアドバイスが可能です。事業の資金繰りや節税で悩んでいる方は、税理士への相談も検討しましょう。

まとめ

確定申告を期限内に行わなかった際に課される無申告加算税などのペナルティーと対策方法について解説しました。

確定申告が遅れると、様々な税金やペナルティーが発生します。また、手続きも煩雑となり時間も奪われてしまいます。日ごろからこまめに計上や仕訳を行い、確定申告期間に慌てて処理を行わないで済むようにしましょう。

また、税務処理や決算処理、確定申告の時間が取れない方や本業に集中したい方は専門家である税理士への外注も検討してみてください。税理士は様々な企業の税務処理に携わっているため、多くの事例から御社の節税へのアドバイスも可能です。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 無解消 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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このコラムの著者 : 舩田 卓

1972年愛媛県生まれのA型。 愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。 在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。 そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。 22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。

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