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2026年最新版|企業型DCの掛金上限はいくら?法改正の変更点と計算方法

投稿日:2026年06月11日

更新日:2026年06月12日

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この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

企業型DC(企業型確定拠出年金)の掛金上限は、2024年12月の法改正で大きく見直され、さらに2026年にかけて段階的な改正が予定されています。「上限いっぱいまで拠出するといくら節税できるのか」という経営者の疑問に、AFP・DCプランナー2級の資格を持ち企業型DC導入を支援する宍戸沙綾(株式会社日本企業型確定拠出年金センター)が、厚生労働省の一次情報をもとにわかりやすく解説します。

結論:2026年時点の掛金上限(表で一覧)

企業型DCの掛金上限は、他の企業年金の有無施行時期によって異なります。

区分 現行(2024年12月1日〜) 2026年12月1日施行予定
他の企業年金(DB等)なし 月額55,000円 月額62,000円(引き上げ予定)
他の企業年金(DB等)あり 55,000円からDB等の他制度掛金相当額を控除した額 62,000円から他制度掛金相当額を控除した額(引き上げ予定)
マッチング拠出の加入者掛金 事業主掛金と同額まで 2026年4月1日以降:事業主掛金超も可(上限の範囲内)

※DB等とは、確定給付企業年金(DB)・厚生年金基金・石炭鉱業年金基金・私立学校教職員共済制度を指します。

このセクションのポイント

  • 現行(2024年12月〜)の上限は月額55,000円(他の企業年金なし)
  • 2026年12月1日以降は月額62,000円に引き上げ予定(厚生労働省・2025年改正)
  • 2026年4月1日以降はマッチング拠出の「事業主掛金と同額まで」制限が撤廃
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掛金上限の計算方法と2026年改正のポイント

他の企業年金がない場合の上限

他の企業年金(確定給付企業年金・厚生年金基金等)を実施していない企業が企業型DCのみを導入している場合、事業主掛金の月額上限は55,000円です(2024年12月1日施行)。この金額は全額損金算入が認められます(法人税法上の損金算入・確定拠出年金法第68条に基づく拠出限度額)。

たとえば、従業員10名全員に月額5万5,000円を拠出した場合、月額55万円・年額660万円が全額損金となります。

他の企業年金(厚生年金基金・DB等)がある場合の上限

DB等を併用している場合は、以下の算式で計算します。

企業型DC掛金上限額 = 55,000円 ー DB等の他制度掛金相当額

DB等の他制度掛金相当額は、各規約に記載されています。たとえば確定給付企業年金(DB)の他制度掛金相当額が月額20,000円の場合、企業型DC掛金上限は月額35,000円となります。

なお、他制度掛金相当額を控除した後の額が27,500円を下回る場合は、2024年12月施行時点では経過措置として月額27,500円まで拠出を継続できる規定があります(ただし規約変更等を行った場合は経過措置終了)。

2026年12月施行の新上限(変更点を明記)

2025年6月13日に成立した「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」により、2026年12月1日から企業型DC・iDeCoの拠出限度額が引き上げられます

区分 現行 2026年12月1日以降
企業型DC(他の企業年金なし) 月額55,000円 月額62,000円
iDeCo(企業型DC加入者) 月額20,000円 月額62,000円からDB等・企業型DC掛金を控除した額

企業型DCとiDeCoの拠出枠を「合計62,000円」に一本化するという大きな方向性の改正です。

マッチング拠出の上限(改正後)

マッチング拠出とは、会社(事業主)の掛金に加えて、従業員(加入者)自身も上乗せ拠出できる仕組みです。

  • 現行(〜2026年3月31日):加入者掛金 ≦ 事業主掛金、かつ合計額が拠出限度額以内
  • 改正後(2026年4月1日〜):事業主掛金を超える加入者掛金の拠出が可能(ただし合計額が拠出限度額以内)

この改正により、たとえば事業主掛金が月額1万円でも、加入者本人が月額4万5,000円を上乗せし、合計55,000円まで拠出することができるようになります。

このセクションのポイント

  • 掛金上限の基本は「55,000円 ー DB等他制度掛金相当額」で計算
  • 2026年12月1日から上限が月額62,000円に引き上げ
  • 2026年4月1日からマッチング拠出の「事業主掛金超え禁止」制限が撤廃

上限まで拠出した場合の節税効果試算

企業型DCの事業主掛金は全額損金算入となります。法人税法上、損金に算入されると、その分だけ課税所得が減り、法人税・法人住民税・法人事業税の負担が軽減されます。

試算①:法人税実効税率15%の中小企業(課税所得800万円以下)の場合

従業員5名に月額55,000円を拠出した場合:

項目 金額
年間拠出総額 55,000円 × 5名 × 12ヶ月 = 3,300,000円
節税効果(実効税率15%) 3,300,000円 × 15% = 約495,000円/年

試算②:法人税実効税率23.2%の中堅企業の場合

従業員10名に月額55,000円を拠出した場合:

項目 金額
年間拠出総額 55,000円 × 10名 × 12ヶ月 = 6,600,000円
節税効果(実効税率23.2%) 6,600,000円 × 23.2% = 約1,531,200円/年

さらに、加入者本人が受け取る掛金は課税されず、退職金として受け取る際には退職所得控除の適用を受けられます。給与として同額を支給する場合と比較して、会社・従業員双方にとって有利な仕組みです。

このセクションのポイント

  • 事業主掛金は全額損金算入(法人税・住民税・事業税が軽減)
  • 税率15%の場合、年間330万円の拠出で約49.5万円の節税
  • 税率23.2%の場合、年間660万円の拠出で約153万円の節税
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SMC税理士法人からのアドバイス

企業型DCの掛金上限と改正内容を踏まえ、今すぐ取り組んでいただきたいことを3点お伝えします。

  1. 現行上限(月額55,000円)を活用できているか確認する まだ上限まで拠出できていない場合は、増額を検討してください。2024年12月施行の改正で上限が大幅に引き上げられており、節税余地が広がっています。
  2. 2026年の改正に向けた規約変更を早めに準備する 2026年4月施行のマッチング拠出改正・2026年12月施行の上限引き上げに対応するためには、企業型年金規約の変更手続きが必要です。早めに確定拠出年金運営管理機関や専門家へ相談することをお勧めします。
  3. 顧問税理士と連携して損金算入の効果を正確に試算する 実効税率は企業の規模・業種・所得水準によって異なります。SMC税理士法人では、企業型DCの掛金拠出と法人税節税効果の個別試算を承っています。まずはご相談ください。

まとめ

2026年現在、企業型DCの掛金上限は月額55,000円(他の企業年金なし)で、事業主掛金は全額損金算入となります。さらに2026年12月1日からは月額62,000円への引き上げが予定されており、今後も節税・資産形成の活用余地が広がります。制度改正への対応や個別の節税効果試算については、SMC税理士法人へお気軽にご相談ください。

出典・参照情報

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 確定拠出年金導入 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問

企業型DCの掛金上限は、いつ、いくら変わりましたか?

2024年12月1日の改正で、DB等がない企業の月額上限が27,500円から55,000円に引き上げられました。さらに2026年12月1日には月額62,000円への引き上げが予定されています(2025年改正)。

DB(確定給付企業年金)と企業型DCを両方導入している場合の掛金上限は?

55,000円からDBの「他制度掛金相当額」を引いた額が上限となります。各DB規約に他制度掛金相当額が記載されているため、確認が必要です。

マッチング拠出で従業員が上乗せできる金額はいくらまでですか?

2026年3月31日までは「事業主掛金と同額まで」が上限です。2026年4月1日以降は「事業主掛金の額を超えても可」となり、合計が拠出限度額(現行55,000円)の範囲内であれば柔軟に設定できます。

企業型DCの事業主掛金は、全額損金になりますか?

はい、事業主が拠出した掛金は全額損金算入となります(確定拠出年金法・法人税法に基づく税制優遇)。給与として支払う場合と異なり、従業員側の課税もありません。

2026年12月施行の上限引き上げに対応するために、今から準備すべきことはありますか?

企業型年金規約の変更が必要になるケースがあります。規約変更は厚生労働大臣の承認が必要であり、一定の審査期間がかかります。2026年12月の施行に合わせて対応するためには、2026年の早い段階から手続きを進めることをお勧めします。

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このコラムの著者 : 宍戸沙綾

株式会社SMC総研:株式会社日本企業型確定拠出年金センター 企業型DC導入支援グループ
AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/DCプランナー2級 
前職で税理士法人グループの保険代理店に所属し、税務の観点から企業にとっての最適な金融商品の提案を実施。その経験を活かし、現在は企業型確定拠出年金の導入を多数支援。提携先の税理士事務所や大手保険会社との共催セミナーの主催や社内勉強会を実施。経営者の想いに寄り添い、「経営者と従業員の資産最大化」をサポートしている。

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